TPPへの誤解が始まった

皇紀2673年(平成25年)2月21日

 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201302/2013021700076
 ▲時事通信:TPP賛成58%、反対22%=日本の交渉参加-時事世論調査
 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2434
 ▲WEDGE INFINITY:TPPでコメの関税撤廃!? 農水省の“残念な”奇策

 時事通信が行なった世論調査では環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加について、賛成が五十八%に達し、反対二十二%を大きく上回りました。

 個別面談の質問は「協定に参加することの是非」ではなく、「協定の交渉に参加することの是非」が問われたのであって、ならば今回の結果は或る意味当然のものに思え、と申しますのも以前明言しました通り、私も交渉の列に加わること自体を決して否定していません。

 しかし目下問題なのは、安倍晋三首相が打ち出した経済政策(成長戦略)の成功にTPP参加は不可欠な条件であるという論調が形成されつつあることでしょう。

 米国通商代表部は二十日にも、日本の参加には米を含む全品目を交渉の対象とするよう求めています。例外はありません。つまり、依然としてわが国の交渉参加をあまり望んでいないように見えるのです。

 その理由は、交渉の長期化を回避したいという思いがあるのに加え、早稲田大学の原田泰教授のご高説とは裏腹に、何度も申しますが投資家・国家間の紛争解決手続き(ISDS)条項が日米のような先進国間で締結されるものではないためでしょう。

 占領憲法(日本国憲法)の有効期限が切れていることにも知らないふりをするような立法府しかないわが国から見ても明らかに法治に問題のある開発途上国との間で締結の効力があるものを米国も日本と締結したくはないはずですが、環太平洋の二大国が参加すればこれも無条件に避けられません。日米間で訴訟の泥沼となればその経済規模はあまりに大きく、次第に日米の協調関係が相互の疲弊を誘発して破綻していく可能性すらあります。

 安倍首相が打ち出すべき成長戦略は、大胆に資源と食糧の自給を目指すことであり、特定産業または事業に於ける規制緩和にTPPは何ら役立ちません。TPPは、求める声も多い規制緩和とほとんど関係がないのです。

 にもかかわらず、本年に入って特に「TPPへの参加が規制緩和を促して経済成長を促進する」といった根拠なき「上げ潮」論が出回り始めました。国内市場に於いて緩和される項目があるとすれば、それは日本企業にではなく海外(多国籍)企業に対してでしょう。私たちがよもや給与の上昇などを期待できる代物では全くありません。

 従前の政府は米の減反を進めながら高関税で保護するという出鱈目に手を染め、農家の戸別所得補償制度で農業をむしろ規模縮小へと導いてきました。原田教授は「この程度の賢さで満足するしかない」などと記事を締めくくっておられますが、農業の成長戦略に欠かせないのは、高関税で輸入を事実上規制する以外にも減反を撤回し、国家安全保障上「食糧自給は国策だ」と表明することです。

 国防力もなく資源も食糧も自給できない国家の政府に交渉を委ねることがどれほど恐ろしいか、よく考えてから物を申しましょう。

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『TPPへの誤解が始まった』に2件のコメント

  1. おっさん:

    TPPに関しては、端から交渉に参加しているのならいざ知らず、途中から参加しても弊害のみあって、得ることはないでしょう。米国が自国の雇用を増やし、経済を好転させることが主眼なので、その途中から参加したら、米国の思うつぼになるでしょう。日本の政府に外交能力が欠如しているので猶更、参加してはなりません。

  2. 愛信:

    ~「在日朝鮮人に対する措置」の文書~
    http://zaitokuclub.blog.fc2.com/blog-entry-428.html

    反日売国テレビ局・マスコミの隠蔽して来た在日朝鮮人に纏わる様々な事実。とりわけ強調するのは朝鮮が
    日本に居た朝鮮人の引き取りを拒否した事である。即ち、在日朝鮮人は朝鮮から見放された人々であり、
    一旦帰国した者も再び混乱する日本に密入国してきた者達である。 所謂、強制連行などと言うのは、
    嘘も100言えば本当になると信じている朝鮮人の虚言である。 朝鮮人に支配された売国テレビ局・
    マスコミの捏造・偽装報道である。

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