来年、日中関係はこじれる

皇紀2672年(平成24年)4月30日

 http://n-seikei.jp/2012/03/post-7348.html
 ▲JC-NET:日本の領土”尖閣”を武力で強奪/中国軍羅援少将発言

 昨日記事の末尾に「これからますます東支那海域が『きな臭くなる』ことは必至」と書きましたが、その根拠は明白です。しかしながら、それは単に中共人民解放軍の一将校が沖縄県石垣市尖閣諸島を「武力で強奪してやる」などと吐いたからではありません。

 今月二十二日記事でも申しましたとおり、これまで中共を「人民など取替え可能な安く動くコマにすぎず」とばかりに製造工場として利用してきた米国に本社を置く複数の多国籍企業が、すでに中共から撤退し始め、おそるべき「イナゴ」の本性をむき出しにしています。

 大林組などわが国企業にもその兆候は見られ、もはや「中共を捨てる」のが規定路線になりました。つまり、経済関係におけるこれまでのような米中の蜜月は、胡錦濤体制の終焉とともに終わりを迎えるのです。

 問題は次期周近平体制がどのように権力を維持するのか、ということでしょう。そもそも私たちには無関係、且つ理解不能な分野ですから放っておけばよいのですが、わが国に降りかかることだけは検討しておかねばなりません。

 上記紹介記事にあった羅援少将はかねてより対日過激発言で知られ、特に若い人民解放軍兵士たちの間で高い人気を誇っています。わが国で申せば(親中派はこの例えを悔しがるがいいが)田母神俊雄元航空幕僚長のような人物です。

 ところが、羅少将の発言には国際法上適切なものがほとんど見られず、田母神氏ほどの思慮もありません。それでも彼が「太子党(羅少将も)だがかなりの策士」という噂のある周次期国家主席の軍事政策上重要な助言者であることは間違いないのです。

 私はかつて人民解放軍兵士たちが率先してインターネット掲示板に過激な書き込みをしているという情報を得て講演などでも申しましたが、その事実上の統率は羅少将がやっていると申しても過言ではありません。

 もし米中の蜜月が取れれば、日中の争いは激化します。日中国交正常化四十周年にして胡体制最後の本年は中共が守勢に転じたかのようなまま終わりますが、来年は決してそうはいかないでしょう。政治は相当の覚悟を決めなければなりませんから、すなわち私たちにも知識と情報が必要になるということです。

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