ウォール街デモは広がるか
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9……
▲日本經濟新聞:反ウォール街抗議デモ、急速に拡大 米国外に飛び火も
独国ハンブルクにある国際海洋法裁判所の新所長に、柳井俊二元駐米大使が選出されたことについては、もう少し様子を見る必要があります。それが、必ずしもわが国にとって有利にはたらくとは言えないからです。
さて、3日記事でも少し触れましたが、米国ニュー・ヨークで「ウォール街を占拠せよ」を合言葉に経済格差の是正などを求めるデモが行なわれていますが、約700人が逮捕された翌日も約1500人が集まりました。
しかし、米国でこの程度のデモは、ほぼ日常的です。合衆国憲法の「修正第1条」を叫べば誰でも出来るのであり、例えば名大統領役者として知られるマーティン・シーンさんは、抗議活動でこれまで100回以上も逮捕されています。
フェイスブックなどを通して呼びかけられたデモと言えば、北阿の革命連鎖を想起させますが、たとえ彼らが日本や欧州に呼びかけたところで、米国がひっくり返るようなことまでは起きないでしょう。
彼らは行き過ぎた新自由主義経済への抗議を呼びかけていると言いますが、ズコッティ公園に集まった参加者かと思いきや無料の食べ物をもらいに来ただけの人だったという具合に、わが国でも起きた「派遣村騒動」の域を超えていません。
仏国では資本主義をやめたいと考える人が約33%にも達しているという国際世論調査結果があり、中共人はわずか3%でした。それは、中共人が基本的に博打好きであることと無縁ではないでしょう。
個人主義的とも言われる仏国人は、感覚として「昨日稼いだお金と今日稼いだお金がどこかの誰かのせいで価値を違える」ことに我慢がならなくなったのであり、わが民族の「働かざる者はお天道様に顔向け出来ぬ」という考え方に照らし合わせても、やはり得心のいかないことが毎日のように起きているのです。
特に先物取引市場の質の悪さは言うに及ばず、食糧の不作や他人の不幸が高値の対象になり、為替市場も似たようなもので、それが「國體」という国家の本能を破壊する仕組みであることもまた、言うまでもありません。現に、欧米主導の資本主義は数多の国を恐怖のどん底へ叩き落とし、ひっくり返してきたのです。大日本帝國もそうされた一国でした。
本当にこのデモが資本主義との決別を目指すなら、それは恐らく多くの血が流れる戦争へと代わらざるをえません。その辺の営利企業を叩くデモとはわけが違います。
私も賭博のような経済を否定しつつ、しかしながら目下の暮らしを破壊するわけにはいかないため、結局は資源開発に伴う金融の量的緩和を提言しているのであり、先の訴えを平時に、実にあっさりと実現させられるなどとは思っていません。
米国のデモは、来年の大統領選挙に絡むだけの小さなものに終わるでしょう。それでも、もし仮にも、わが国がもう一度「國體」の本義を取り戻すなら、と思えばやはり、私はいよいよ「國體」を「軍国主義」などと思い違いをしている連中にも向かって説き続けねばならない、と思うのです。