タイ司法も無視した民主党

皇紀2671年(平成23年)8月20日

 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110817-OYT1T00……
 ▲讀賣新聞:タクシン氏訪日へ、被災農家にタイの農地提供

 泰王国(タイ)のタクシン・チンナワット元首相の来日計画については、今月2日にも第1報があり、翌日には枝野幸男内閣官房長官が入国許可の検討をしていると明かしていました。

 さらに、民主党の石井一副代表が3日、首相官邸を訪れ、菅直人首相と枝野長官に氏の訪日を認めるよう求めています。これには当然、タクシン元首相の実妹であるインラック・チンナワット氏の首相就任が大きく関わっていると言えましょう。

 私はこれまで何度となく、タクシン元首相と中共の関係を指摘し、それは例えば同じ(厳密には違うが)華人であるアピシット・ウェーチャチーワ前首相やチュワン・リークパイ元首相らとは全く異質であり、泰王室を軽視して王国の崩壊を目論み、ともすれば泰国を中共に隷属させるための仕掛人ですらある可能性を、わが国にも今そこにある危機と重ねて警告してきました。

 さらに申せば、プーミポン・アドゥンヤデート国王陛下が御高齢であることに加え、王位継承権第1位のワチラーロンコーン王子の評判が著しく悪いことも、王国崩壊の好機を狙う者たちの思うつぼになっています。

 私がわが国の東宮批判(小和田家批判ではない)を煽る者たちに強い不信感を抱いているのは、このような泰国の事情を踏襲した不敬な「皇室解体作戦」に見えて仕方がないからです。煽られてしまった「皇室護持のため」を言う保守派は、このことを知っているのでしょうか。

 タクシン元首相は、様々な議論があるにせよ、首相在任時の汚職罪で禁錮2年の実刑判決を受け、海外逃亡中です。わが国の入国管理法では、懲役・禁錮1年以上の有罪が確定した外国人の入国を原則禁止しており、例外規定の判断は(大抵は外務省に協議を求められて)法務省がします。

 つい最近も北朝鮮関係者の入国を許可した民主党政権は、既に江田五月法相が15日の記者会見で、タクシン元首相に査証(ビザ)を発給したと発表しました。外務省がインラック新政権からの要請を受けたとし、江田法相が認めたものです。

 麻生政権下では、やはり訪日を希望したタクシン元首相の入国を拒否しています。この時とはインラック新政権の誕生後という現況の違いがあるにせよ、内閣が日泰両国の司法を無視するからには、それ相応の説明がなければなりません。いつしましたか?

 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110818-OYT1T……
 ▲讀賣新聞:タクシン氏訪日に抗議、日本大使館前で集会

 私の親しいチュラーロンコーン大学やタンマサート大学で講師をしている友人たちは、いわゆる「国王色」の黄色を身にまとう「反タクシン派」を一様に支持しており、なぜ「タクシン派」が赤色(中共色?)を身にまとうのか怪訝がっています。タクシン元首相にカネで買われたような地方の農家たちのことを、哀れにも感じているようです。

 決して「親日」ではなくただ事大主義的な泰人ではありますが、彼らのこのような抗議を民主党政権はどう捉えるのでしょうか。きっと小さなこととして握りつぶすでしょうし、わが国では大きな議論を喚起しえないでしょうが、私はこれを無視しません。

 泰王室、タクシン一族、中共、民主党、そして皇室。ここに「泰王国解体」と「日本解体」を目論む闇の手の正体と、本当に守らなければならないものを見るのです。皆様も、どうか今回のことに注目して下さい。民主党に抗議しましょう!

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『タイ司法も無視した民主党』に2件のコメント

  1. しののめ:

    ネパールの王政も打倒されてしまいました。やはり中共のしわざと聞いています。

    シナの暗躍は我が国の国体・皇室の存続とからめて語られることで、国民共通の危機意識をもちたいものです。

    このような分析が広くマスコミ報道されることを願ってやみません。

  2. ぷっか:

    日本政府はあっさり入国を認めてしまいましたね。私も政府に抗議したいです。
    武器を使った対立にまで発展したタクシン氏をめぐるタイ国内の状況に配慮しているようにはとても思えません。軽率な判断だと思います。
    被災地支援はありがたいけど、国会議員や経済関係者との会合がたくさん予定されているとのこと。やりたい放題もいいとこじゃないですか。