「英霊来世」と街宣右翼

皇紀2670年(平成22年)3月8日

 讀賣テレビ系『たかじんのそこまで言って委員会』は7日、6人組のラップグループ「英霊来世(えいれいらいず)」が民主党を批判した楽曲に対して、コラムニストの勝谷誠彦氏が「俺、耳をふさぐか退場しようと思った。反吐が出そうだったね。あの変な歌は」 「あれ、形を変えた街宣右翼だね」と論評する様子を放送しました。

 http://www.youtube.com/watch?v=eet7pKC0C1E

 http://www.youtube.com/watch?v=YrkCJfimams

 ▲YOUTUBE:イマドキの若者 1英霊来世登場 2愛国心とは

 私はこの放送を見ることができなかったのですが、或る方から教えていただき、そもそも英霊来世のアルバムCD『矜恃』を支持者の方からかつてお譲りいただいて興味深く拝聴したことを思い出しました。

 彼らが「右でも左でもない」と愛国心の発露をことわる理由はよく分かります。一方で、ラップとしての音楽性には問題があるかもしれません。しかし、ラップという表現を用いることが若者におもねっているというより、若者の1人として「日本」をうたいたいという彼らの気持ちが率直に伝わってくるのは事実です。

 日本のいわゆる「J・POP」などの楽曲がどれも非常に似通った恋愛をうたうに留まっているのは、或る意味政治的なメッセージ性をもたせることへのタブーであり、わが国の音楽界が世界に通用しない要因の1つではないでしょうか。

 勝谷氏は「きちっとした知識の裏付けがされていない」と英霊来世を批判していますが、どの部分がどのように不足だったのか分かりません。それを申せば、普段は保守的なことをおっしゃる勝谷氏らが揃いも揃って「日本の真の独立」などとうたうわりには真正護憲論の存在に対してまったく不勉強であるのはいかがなものか、と。

 まるでジョン・レノン氏の有名な楽曲『イマジン』を「左翼のうた」などと決めつけるような安直さが勝谷氏の態度から見て取れます。「日本を守る」という者が皇室について語るなら、私たちは天皇陛下こそが祭祀からくる平和の祈りを全世界へ語りかけられているのだと知らねばなりません。

 ですから、わが国を知るということは決して内向的な作業ではなく、たとえ思考の入り口はそうであったとしても、結果としては世界を見るという、大変外向的な作業になるのは必然です。若者の愛国心を「内向きの傾向」としたがる壮年・老年層の意識こそ、極めて内向的ではないでしょうか。

 私は以前に、靖国神社の問題は東京裁判史観からの脱却のみならず、まずは薩長史観からの脱却が果たされていないことだと書きましたが、これは真正護憲論を確立した南出喜久治辯護士のご指摘であり、そうすれば、大東亜戦争のことのみをうたったように聞こえる英霊来世の『九段』は、確かに歴史の勉強が足りない結果かもしれません。

 ですが、1つの楽曲にどの想いを込めるかはアーティストの創造性にあり、それを勝谷氏のように非難する者が出てくるからこそ、わが国の最近のうたは結局何もうたわないのです。仮にも言論人である勝谷氏が、昭和43年にザ・フォーク・クルセダーズのうたった『イムジン河』が発売中止になった過去を肯定するような態度をとることは、それこそ「右も左もなく」あってはならないと私は思います。

 本当のところ、勝谷氏は小沢一郎幹事長率いる民主党の批判が単に気にくわなかったに違いありません。放送ではその後、民主党の「子ども手当」を厳しく批判していますが、決して小沢幹事長に対する批判は何があってもしませんから、それで「街宣右翼」とまでレッテルを貼られた「右でも左でもない」英霊来世の6人はあまりに気の毒ではありませんか。

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『「英霊来世」と街宣右翼』に17件のコメント

  1. カワチ:

    タカジンは動画で拝見しました。ラップ系は好きでない私ですが、英霊来世さんの率直な歌詞や日本の思いを歌った歌には共感を覚えました。>東京裁判史観からの脱却のみならず、まずは薩長史観からの脱却が果たされていないあら吃驚。麻生さんも同じ事を指摘してました。大阪で行われた麻生太郎を囲む会で。それを聞いたのかわかりませんが、以降の発言で、渡部昇一先生が、麻生は、東京裁判史観でぶれたと言われてたのを思い出しました(苦笑ところで、テンプレなんですが、何回送っても大丈夫なんでしょうか?1月にこのテンプレを利用させてもらったんですが。

  2. poo:

    英霊来世 好きですよ。日本人の普通の信条でしょう。

  3. 海外在住のミコちゃん:

    私はYOUTUBEで勝谷氏の発言を聞きました。英霊来世は筋が通っているが、勝谷氏の行動や発言は混乱しています。そして最近思想及び人格の崩壊をきたしているのです。彼はいつも保守的な発言をするのに民主党につきました。あの選挙の歌に、ハトの党、売国奴と出てきて、自分が民主に味方しているので、かっとなて言ったのでしょう。彼は外国人参政権反対、夫婦別姓反対なのに、民主党を応援していました。いつも彼はが保守的な愛国心を固持するのに、小沢のやったことには何も言わないし、言えない。英霊来世の持つ素直な日本人の気持ちや行動に嫉妬心がわくのでしょう。彼は人を馬鹿にした発言も多く、馬鹿が国家をやっている、という本を出しました。まともな人を小ばかにし、悪党礼賛で、言っていることは保守、、病んでます。小沢応援して、小沢が勝谷氏の思った人とは大違いで、また政治の展開も思った事と大違いになりました。日に日に日本解体加速で、勝谷氏のやったことは売国奴加担と世間は見ているし、ご本人もそう感じているはず。彼はまっすぐ言行一致の英霊来世にやきもち焼いて腹立たしいのです。いい大人のおっさんが、もう情けない!

  4. 真正保守:

    私もかつては、真正護憲論を知るまでは、現占領時憲法を改正するしかないのかなと思っていました。彼らの認識がまだまだ不足していることは否めないことだけど、認識を深めていけばいいのであって、逆に真正護憲論を知ったのに認識を改めずに改憲論こそが真正保守というのは、まさに保守気取りもいい所であり、とても迷惑です。

  5. 太郎の嫁:

    この番組を観ていました。勝谷氏の本を何冊か拝見しましたが、全く記憶に残っていません。むしろ彼の後輩であり共著もある、不肖・宮島氏の著作の方が記憶にあります。当代一流の「電波芸者」というのが勝谷氏です。この日の番組で、新社会党の60年前と変わらない思考を見ることが出来ました。誰がこの人たちに飯を食わせているのでしょうか?

  6. ストリートマン:

    薄っぺらい右翼批判でしょう。右翼と左翼の区分も出来ないで自分の応援する方が非難されると、右翼批判・左翼批判とコロコロ意見が変わる人の典型的な人間がいます。一時期「朝日新聞」を批判すればモテる事を覚えて、朝日の舞を踊っていましたが、朝日が批判して居た「小沢」の軍門に下り筆先も鈍化、朝日批判も中途半端、こんなものでしょう。

  7. 楽仙堂:

     こんにちは わたしは昨日のたかじんを見ていました。勝谷の発言を不快に思っています。一見まともなことを言っているような男ですが、ブレ具合が酷いので信用できない男だと思います。

  8. tom-h:

    勝谷は保守とは名ばかりの小沢シンパです。マトモに考えるとこっちが頭おかしくなりそうです。ところで勝谷はイムジン川の発売中止を肯定しているのですか?もしそうだとしたらどういった理由で

  9. tom-h:

    連投すみません>若者の愛国心を「内向きの傾向」としたがる壮年・老年層の意識こそ、極めて内向的ではないでしょうか。僕も最初は日本のことだけしか興味がありませんでしたが、だんだんと世界のことにも興味が出てきました。当然です。遠藤さんも言われるよう日本を知ろうとすればするほど世界のことも知っておく必要が出てくるのですから。こういった決めつけこそ内向的で自分だけを精神的な高みにおこうとする発想ですよね。

  10. souhei:

    一つ思うのは、特定の日本人があまりにも弱体化した結果、防衛本能として愛国心を公然と歌うグループが出現したりしたんじゃないでしょうかね。つまり危機感が若者から噴出してきているって事でしょうか。今は若い人の方が親世代よりも日本を好きな人が多いと思います。

  11. matu:

    「そもそも、帝国臣民の安寧をはかり、万国が共存共栄して楽しみをともにすることは、天照大御神からはじまる歴代天皇・皇室が遺訓として代々伝えてきたもので、朕はそれをつねづね心がけてきた」昭和のご聖断といわれる大東亜戦争終結の詔勅 を読み返してみました。皇祖皇宗の遺訓をむねに 日々世界平和を祈っておられる陛下の思し召しに われわれ臣民も日々心を寄せ 、そこから発ちそこへ向かう、そうありたいと思います。

  12. 英霊来世・・・ここにありました:

    http://blog.goo.ne.jp/yuko_m_1954/e/8187e9d49839dfddb745330e6ad173c2泣けますね、いい若者達です。

  13. 朝日新聞を叩き潰す掲示板:

    あ、みなさん、まだ気づいていませんでしたか???勝谷さんって、「保守ぶりっこ」「ニセ保守」です。もっといえば、内部かく乱分子です。戦前、日英同盟を破棄させて、日独伊3国同盟を締結させしめたような人です。これからどんどんミスリードしていきはるでしょうwww朝日新聞を叩き潰す掲示板よりhttp://6241.teacup.com/noakahi/bbs

  14. 勝谷ってこういうことですかね?:

    総務省・政治資金収支報告書より 政治資金収支報告書 平成19年9月14日公表(平成18年分 定期公表) ●民主党・政党本部 webサイト制作・運営費 1,050,750円 H18.3.24 (株)世論社 コンサルティング料    874,999円 H18.3.24 (株)世論社 HPリニューアル・管理費 2,625,000円 H18.6.12 (株)世論社 サーバー使用量料    168,600円 H18.8.25 (株)世論社 HPプロジェクトマネージャー料    1,575,000円 H18.8.25 (株)世論社 webサイト制作・運営費 378,000円 H18.9.25 (株)世論社 HPプロジェクトマネージャー料    1,575,000円 H18.10.25 (株)世論社 ※世論社とは勝谷氏が取締役を務めている会社です。

  15. 小沢:

    番組見ましたが、正直私も、理由は違うが勝谷と同じで気持ち悪い曲だと感じたな。詩の内容がどうのこうのというよりも、まず音楽と歌詞のミスマッチ感がきしょ過ぎ。暗い曲調に詩もストレートにメソメソし過ぎ。全くセンスが感じられない。まあもともと日本語のラップ自体がほとんど気持ちわるいから難しいけどね。我々日本国の言語や文化、思想とラップの表現法は合わん。

  16. 英霊来世を応援!:

    勝谷さんが気持ち悪いって言った?右翼のイメージである「特攻服着て、街宣車の若者」が「ほぼ在日韓国人」である事を知らないのかな?あんたが気持ち悪がる右翼は「日本を嫌う団体」が悪意を持って「天皇陛下へのイメージダウン攻撃」をしていたのを知らないの?文化人が聞いてあきれるよ。左翼は「右翼なら自衛隊入れ」という。だったら「左翼は日本を出て行け」となるよ?日本人なのに、天皇陛下と日本を愛せないのは、極めて不自然な事だったんだ。親に文句いいながら、生活の面倒をみてもらっているのと変わらないよね。働け、ニート左翼wこんなに人が親切で、四季折々美しい国ほかにあるのかい?史実に基づき日本人が言いたい事を、堂々とした正論を、ラップで迷いなく歌う。本当に彼らこそが侍ですよ。大人がやんないから、若者が立ち上がったんですよ?ただし、この英霊来世は聞く人間を選ぶと思います。それは「日本の本当の歴史を知って、感動と誇りと、怒りを感じた愛国者」しか、この勇気と心意気は伝わらない。でも、拒絶反応が出たり、胸がざわざわしたりするのは、あなたの日本人の血が、騒ぐからです「お前が探していたアイデンティティーはここだ」ってね。

  17. 大和民族:

    勝谷氏はだめです。至る所で、民主党擁護の論陣を張っている。ああいう調子のよい手合いは信用しない方がよいのです。