トランプ氏に文句言うだけ無駄
高市早苗元経済安全保障担当相が明日から二十九日まで台湾を訪問することがわかりました。期間中、台北市内で頼清徳総統、韓国瑜立法院長(国会議長)や林佳竜外交部長に加え、蔡英文前総統とも面会する予定です。
二十四日記事の後段で申したように、これも高市元担当相が本気で政権を獲りに行く覚悟の表れであり、自民党の黄川田仁志衆議院議員、尾崎正直衆議院議員や佐藤啓参議院議員らも同行すると聞いています。
訪台直前に安倍晋三元首相が奈良市内で暗殺されたのち、麻生太郎元首相が訪台したのも「代わりに行ってくるよ」という想いにあふれていましたが、台湾の「安倍晋三友の会(安倍晋三之友會)」が高市元担当相の訪台中に歓迎の催事を予定しているとのことです。
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わが国の財務省や外務省をはじめとする行政権力がいわゆる「非レッド・サプライチェーン(世界の非共産主義国による貿易網)」の強靭化に消極的であるため、国会議員による政治力でこれを推し進めていかねばなりません。
高市元担当相はその上で現在、最も次期首相に近い実力者ですから、無責任な言動を繰り返す現政権の「自民党評論家(石破茂氏ら)」との違いは歴然としており、台湾外交部と日程調整しながら訪台直前に公表したのも、中共・共産党に対して「毎度のうるさい小言など延延と聞いていられない」という姿勢を示したものと思われます。
一方、現政権はこの有り様です。米国のドナルド・トランプ大統領が他国に対して交渉(取引)の球を投げる際に「大きく振りかぶってくる」上で間違いがあれば正すのは国益に適っていますが、そもそも自民党の食料安全保障強化本部長も兼任している幹事長の森山裕氏らが「農林水産品を犠牲にするような交渉方針は断じて受け入れられない」などと言っている時点で、わが国現政権が「下手を打っている」のが露わになっています。
安倍元首相がトランプ大統領と対峙していたころ、このような話を耳にした日本国民がいますか?
トランプ大統領のわが国に対する「勘違い」には、安倍元首相も説明を重ねています。『安倍晋三回顧録』にもある通り安倍元首相は、最も「気が合った為政者」に英国のボリス・ジョンソン元首相を挙げており、そこにトランプ大統領の氏名はありませんでした。
つまり、気が合ったからうまく交渉できたのではなく、うまく交渉すべく策を練り、私たち国民に不安を抱かせないようにしたのです。ところが、現政権の慌てぶりは、私たちをますます不安にさせています。
ブルームバーグの単独取材に答えたらしい自民党の河野太郎氏は、トランプ大統領の対日誤解を解いているようでわが国政府が中共産党に水産物輸入の再開を説いた姿勢を語っていません。そもそも東京電力福島第一原子力発電所の高度処理水を未だ「汚染水」などと呼称する中共産党に「再開してくれたらコレもします、アレもします」と頭を下げたでしょうが。
それがトランプ大統領のわが国現政権に対する不信を買っているのです。むろん米政府のしてきたことを思い返せば、米ソ冷戦の雪解けから昭和六十年のプラザ合意(円高不況の始まり)があり、日本経済は滅ぼされましたから、米政府の対日要求(ソ連包囲網や中共包囲網)にわが国が従ってもいつ梯子を外されるかわかったものではありません。
実は米国こそ最も信用できない国なのですが、それも何もかも現行憲法(占領憲法)を「憲法」とする梯子をかけて「もらっている」からで、自ら考えて梯子をかけたり外したりすることを忘れた、或いは大東亜戦争の開戦と終戦を思い出してやめてしまったせいです。
安倍元首相の施政にも下手(日本銀行の量的金融緩和から始めてしまったアベノミクス、事実上の移民推進や政権末期の対中融和)はありましたが、少なくとも米政府に対して自ら考えて梯子をかけたり外したりしようとしていました。
自動車のガソリン税に上乗せしてきた暫定税率の廃止を決断するのか否かも煮え切らない現政権に、そのような「高度なこと」は無理なのでしょう。私はとにかく、自民党議員に可及的速やかな政権交代を訴え続けます。