自民訪中団と靖國損壊事件
董光明容疑者(上海市閔行区居住)が起こした靖國神社損壊侮辱事件について、事件発生当初から中共・共産党による政治的判断(身柄拘束、または悪くすれば抹殺)があることを指摘してきましたが、中共産党は、その時機を伺い続けてきたのでしょう。では、なぜ今だったのでしょうか。
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自民党の二階俊博元幹事長、森山裕総務会長や小渕優子選挙対策委員長らが二十七日から本日までの日程で訪中しています。実は、この予定が「予定通り」になるか否か、中共産党なりに「恐らく日本のことだから大丈夫だろう」とたかをくくりながらも、一応緊張したはずです。
何度も申しますが、残念ながら国民の多くが自覚できていない尖閣諸島問題の終結は、中共を大いに焦らせ、ついには「しくじった」との屈辱感を隠せていません。これが日本放送協会(NHK)中共人暴言事件や初の領空侵犯に及んだ中共の「反応」と見てほぼ間違いないでしょう。
よもやこれらを受けて二階元幹事長らの訪中計画をご破算にされれば、中共産党執行部は、次の一手を考え直さねばならないところでした。
つまり、董容疑者の逮捕は、訪中を中止しなかったわが国政府・与党への「返礼扱い」ということです。
それでいて中共側は、董容疑者の家族がいる(出身地の)浙江省杭州市の警察を動かしました。中共が「本気で」董容疑者を、最初から別件逮捕でも何でも身柄をとるつもりだったことが伺えます。
さて、ここで今度はわが国側の「しくじり」です。二階元幹事長は、またも福田康夫元首相辺りから頼まれての訪中にすぎなかったでしょうし、政界引退を公言した今、中共側ももう二階元幹事長を重要視(実は屈中派ではなく信用していない二階元幹事長をこれまで通りうまく篭絡する必要性)していません。
しかし、同じく退陣を公言した岸田文雄首相に、福田氏ら強力な屈中勢力を牽制してでも「昨今の事態から考えて訪中をやめてくれ」と二階元幹事長を説得する力などありませんでした。もし、岸田首相が説得していれば、中共の信頼が最も厚い福田氏が表立って気色ばんだに違いありません。
私が思うに、仮に訪中が中止になっても董容疑者の逮捕は動かなかったはずです。それを「返礼扱い」にされたのでは、わが国がいわば損をしたようなものでしょう。
今回の訪中では、恐らく習近平国家主席は対応しません。せいぜい全国人民代表大会の趙楽際常務委員長(共産党序列三位)どまりです。
これが二階元幹事長に対する、王毅外交部長(同二十位以下)のような小物に主たる対応を任せて終える中共の答えです。「その心は」と申しますと、NHKで対日工作をやらせ、領空侵犯までやらかした中共の「まさか国家主席が対応したその席でこれらに言及されては困る」という考えがあることを、私たち国民がよく知っておいてください。
それなりに中共の弱みは、まだ握っているぞ、と。君たちがやらかせばやらかすほどな、とも。
現に二階元幹事長は、王氏に領空侵犯の再発防止を警告しています。ですが、皆さんお気づきの通り、王氏に注文しても品は届きません。その程度の人物だからです。
さてさて、二十日記事で扱った靖國損壊事件の容疑者は、今ごろ震えて眠れもしないに違いありません。中共で警察に逮捕された「政治犯」がどのような目に遭わされるか、わが国へわざわざ来るような層の中共人なら、知らない者はほとんどいないでしょう。
今後私たち国民が新しい政権に言わねばならないのは、こうした屈中外交をやめさせるのはもとより、沖縄県石垣市尖閣諸島の領有で、中共に「もうゴチャゴチャ言う資格なんかない自覚もないの?」とはっきり言わせることです。
できれば私たち国民が大声でそう叫んでも届かないような愚か者を、新しい首相に選ぶべきではありません。米国とも中共とも対話が成立するのは、高市早苗経済安全保障担当相しかいないのです。