「遺憾」で済んだら軍いらん
十三日記事で、北韓(北朝鮮)工作員だった韓国の文在寅前大統領が出した回顧録の記述を批判しましたが、文氏の正体を見破っていた安倍晋三元首相が「米国のドナルド・トランプ前大統領に『あいつを米朝会談の場に入れるな』と助言」した事実を指摘しました。
また、同記事では、火器管制レーダー照射事件について、韓国軍に指示をしたのも隠蔽を強要したのも文氏だったことを改めて指摘し、ちょうどその直後(十五日記事を参照)、産經新聞社の久保田るり子編集委員がついにその事実を記事にしました。これが、未だ韓国国防部がわが国に謝罪できない理由なのです。
平成三十一年二月の米朝首脳会談に文氏を入れなかったのは、安倍元首相の助言を受けたトランプ大統領の判断であり、マイク・ポンペオ元国防長官やジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)の証言に、間違いはありません。文氏が自己顕示欲に満ち満ちた駄文を書いたにすぎないのです。
だからこそ同年・令和元年六月に、板門店で北韓国務委員会の金正恩委員長との「単なる面会(二月の決裂で、もう重要な話をする場ではなかった)」では、その場に文氏が入りたがったのをトランプ大統領は許しています。これを「(三回目の)米朝首脳会談」と呼称したがったのも文氏でした。
文氏は、自身の「回顧録」と称した駄文集で、自らを虚飾するほかなかったのでしょう。実際のところ北韓から見て「出来損ないの工作員」でした。むしろ当時の任鍾晳大統領秘書室長の存在こそが重要で、北韓に韓国の機密情報を提供する役割を果たしていたのです。
こうして文政権の五年間、みるみるうちに韓国の国益が損ねられ、日韓米関係も悪化していきました。特に日韓は金輪際、北韓派左翼・極左の言うことになど耳を傾けてはいけません。
中共についても、全く同じことが申せます。わが国のみならずどの国も、とにかく中共と北韓に配慮してよかったことなど、ただの一度もありませんでした。
しかし、十九日記事で申したようにタイ(泰国)もマレーシア(馬国)も、現政権が中共へ寄っていき、東南亜諸国連合(ASEAN)として「中共による領土・領海略奪」を牽制してきた取り組みが崩れ始めたのです。馬国もインドネシア(尼国)も、さらにヴェト・ナム(越国)も対中領土問題を抱えているのに、今後はASEANが機能不全に陥るかもしれません。
中共の狙いはそれであり、各国に対する切り崩しを行なっています。そのような中、フィリピン(比国)が孤軍奮闘しているのです。
比国のフェルディナンド・マルコス・ジュニア(ボンボン・マルコス)大統領が「遺憾だ」だの「抗議する」だのでは、もはや何の解決もせず、実力行使を匂わせたのを、わが国もよく見習ったほうがよいでしょう。そして、台湾や比国と共に亜州の平和を実現するために、協力し合わねばなりません。
私たち国民も、いつもながらの「遺憾として抗議した」の一言に、もううんざりしているのです。