安倍元首相暗殺以降の世界

皇紀2684年(令和6年)6月9日

 五月十六日記事で取り上げた中欧スロバキア(斯国)のロベルト・フィツォ首相が銃撃されたのに続き、デンマーク(丁国)のメッテ・フレデリクセン首相が七日、首都コペンハーゲンの路上で、三十九歳の男(既に逮捕)に殴られました。本日まで、欧州議会議員選挙の投票が行われますが、欧州連合(EU)次期欧州理事会議長(俗称=EU大統領)の呼び声も高い彼女に対する暴力は、その選挙期間中に起きたのです。

 ■動画提言-遠藤健太郎公式チャンネル(YouTube)

 前出記事でも言及しましたが、参議院議員選挙の期間中だった令和四年七月八日、安倍晋三元首相が月末の台湾公式訪問を前に暗殺されて以降、世界は極めて物騒になりました。「トンデモ陰謀論」も含め、個人が「気に入らない」政治家を平然と襲撃するようになったのです。

 実は先月三日にも、欧州議員選に立候補している独国のマティアス・エッケ議員(現職)が東部ザクセン州ドレスデンで、十七歳の未成年者を含む若者四人から暴行を受け、重傷を負いました。彼は、独社会民主党の所属で、フィッツォ首相も方向・社会民主主義(スメル)、フレデリクセン首相も丁社会民主党であることから、欧米左翼報道はこぞって「保守・リベラルの二極化で、保守の極右化、暴力化の結果だ」などと書き立てています。

 欧米の権利闘争型民主主義を背景にすれば、この報道もあながち間違いではありません。とすれば欧米の保守とは、やはり左翼・極左の「個人の自由と権利を叫んで、結局誰も幸せにならない」思想の上に成立しているようなものなのです。

 よって欧米の人びとは、気に入らない政治家を暴力でねじ伏せるのに躊躇しなくなりました。或る種の「流行」と申しますか「熱病」のような現象です。いみじくも欧米では「(当時の独首相と共に)リベラル最後の砦と評された安倍元首相が、わが国では「極右政治家」扱いのまま暗殺されるにまかせたのを、欧米の人びとも見ていたのです。

 今日起きていることは、かつてもあった要人暗殺、暗殺未遂事件とはどうも様子が違うように思えてなりません。世界の左傾化が隅ずみまで拡がってしまった結果、私たちは、それが左翼・極左思想とも知らずにまるで「よいこと」のように信じきった挙げ句の果てに、世界をとてつもなく物騒なものにしてしまったのではないか、と。

麻生氏「将来に禍根残す改革、避けねば」暗に首相批判?規正法案巡り:朝日新聞デジタル

 自民党の麻生太郎副総裁は8日、派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正をめぐり、「民主主義にはどうしてもコストがかかる。将来に禍根を残す改革は断固避けなければならない」と述べた。 党福岡県連の大会…

(朝日新聞社)

 こうした朝日新聞社記事もそうでしょう。さんざん「自民党のインチキ」と煽られた末の麻生太郎元首相のこの発言は、恐らく多くの私たち国民の理解を得られないに違いありません。

 しかし、いわゆる「民主主義」と呼称される「民意を反映した政治システム」は、英国のウィンストン・チャーチル元首相が「最悪の政治形態である。ただし、過去の他のすべての政治形態を除いては」と表したことで知られており、中共や北韓(北朝鮮)のような「独裁」よりははるかにマシとしても時間とカネがかかる不出来なシステムなのです。

 ならば麻生元首相のこの発言は、実に的を射ています。国会議員や地方議員がカネを持てなくなれば、民意を反映(意見・相談の受け付けや議員活動報告)するための費用を削除せざるを得ず、いわば「議員の独善」だけがまかり通るようになるのです。

 私たち国民の声を聞かず、ますます議場で居眠りするようになるでしょう。人の話を聞く必要がなくなるのですから。

 それでも朝日のこうした書き方で、私たち国民の多くが麻生元首相を「開き直り」「反省がない」「老害」などと責めるでしょう。つまらぬ「党内権力闘争」のようにしか書けない朝日の堕ちた筆力の結果がどうなるかは、前段で述べた通りです。

 私たちは、この左傾化の果てに荒れ狂った世界を変えなければならないのです。

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『安倍元首相暗殺以降の世界』に4件のコメント

  1. ナポレオン・ソロ:

    240609-2 国を守るのは独立主権国家なら当然です。
    お久しぶりですので改めてご挨拶いたします。 ナポレオン・ソロと申します。

    私が思わぬ病気で死にかけたのを機に、インタ-ネットを辞めて、もぅ、5~6年位になりますかね。 

    この度、P/Cを新規購入したので、インタ-ネットのブログランキング順にコメントを入れてますが、ネット環境も、風呂が-の顔ぶれも随分変化していて、私が常連で居座っていた「中韓を知り過ぎた男」のブログも、昨年の7月7日の更新を最後に止っていますね。

    私の勝手な感想ですが、斯う言うブログのコメントも、検閲の様な事をやって居る期間があって、偶に、ブログ主に非公開の警告の様なコメントと家族を狙ったとしか思えないpハプニングが身近に起こったりして、所謂、脅迫をやって居る。

    私の知っているブロガ-の複数が、そういう事象があると、言っておられましたね。
    之は明らかな言論弾圧であり、公権力に告発すべきですが、安倍さん暗殺事件を未だに、安倍銃撃事件としか、最近迄言えなかったし、今でも暗殺事件と入っていませんね。

    之って、安倍さんを暗殺した闇の集団が、マスコミや政府に圧力をかけているに相違ないと、頭が単純な私は思っています。安倍さんは私に言わせれば、日本の希望ですたので、安倍さんのロストは、政治に対する関心が、一時的には消え失せたが、差jy稔夫一周忌あたりから「こんなんじゃいけない,大切なのは国の未来じゃないか!!」と気づ付きました。

    とは雖も、私も今年の4月に古希を向かえましたが、前述の病気で左側の視覚と聴覚を失った上に、今では週三回の透析を受けねば死んでしまう一級の身体障碍者ですから、体力自慢だった昔とは違いますね。

    一体、そんな私に何ができるのか?と、日々煩悶するこの頃です。

    今日のスレで、安倍さん暗殺事件についての話が上がっていますが、先ずは、この問題からちゃんと報道出来る様に、真相を明らかにして、米国で50年以上前に起こったケネディ兄弟の暗殺事件の黒幕は結局分からず仕舞いなのは何故なのかを考えれば、之をはっきりさせてい置かないと、日本の政治も米国の様に乗っ取られると危惧します。

    社会正義は為政者が真っ先に守らねばならない案件の一つでとても重要なもの筈なのに、安倍さん札事件では、奈良県警がその片棒を担いでいたという疑惑が咋ですよね、」この問題を、米国の様に自然消滅させてはいけません。 司法関係っ社でもある遠藤さんのご奮闘を期待しております。

  2. 波那:

    ドイツでも移民難民反対デモでナイフを持った男に警官が刺されましたね。他の警官に銃殺されたようですが。スウェーデンではイスラムギャングと軍隊が抗争してる事態にまでなり、ヨーロッパ全域が荒れています。コメント欄に「レイシストだと呼ばれるのを怖がってた結果がこれだ」と書いてる人が居ましたけど、まさにその通りで、日本でも居てほしくない例の人達は人種差別だ〜と被害者ぶって黙らせようとしますね。EUとメルケルのせいです。こんなに世界が葛藤してる時期に、あの人が首相なのは不安で仕方ないです。必ず、そっちじゃない!方を選ぶのではないかと思うからです。安倍総理だって別に万能だとかそんな風には思ってなかったです。でも少なくとも何か突然起きても安倍さん居るから日本は大丈夫だと言う安心感がありました。国民に何も変わらないと言う絶望と先行きに不安感を与えるのは悪い政権です。

    ▽自身を処分しない岸田に対するAIの意見がヤバすぎる #自民党 #岸田文雄 #国会
    https://youtube.com/watch?v=LY5lf3q9pBM&si=AT97HCC93JODgm8R

  3. sana:

    安倍元首相暗殺について。
    33分くらいから40分くらいまで。
    やはり、コロワクも関係していると考える人がいます。
    安倍さんは、コロワクの危険性を知っていて、国民に打たせたくなかったが、病に倒れてしまいました。

    https://x.com/i/web/status/1798975827515932777

  4. アンチレッド:

    >私たちは、この左傾化の果てに荒れ狂った世界を変えなければならないのです。

    一体どこから手を付ければいいのか、どういう切り口で考えればいいのか、なかなかわかりにくい問題ですが、あれこれ逡巡した挙句にたどり着いたのは「国民が健康で長生き」でした。
    なぜこうなったのか説明するのは難しいのですが、国会議員でもあったアントニオ猪木さんの「元気があれば何でもできる」がかりやすいかと思います。
    健康の定義を「医療費や社会保障費を使わずに文化的生活が可能な状態」とすれば,現在の政治的経済的問題に直結していることがみえてきます。
    「国民が健康で長生き」を行政目標にすると、
    ・医療費の低減
    ・社会保障費の低減
    ・死亡率の低減
    ・可処分所得の増加
    ・GDPの増加
    になるかと思います。
    これらを実現することを端的に言表現すれば「行政健全化」とでも呼べるでしょう。
    今必要なのは「財政健全化」ではなくこの「行政健全化」です。