李克強前総理は殺された?

皇紀2683年(令和5年)10月28日

中国で李克強前首相死去のニュースが一部遮断 NHK海外放送で

【北京=三塚聖平】中国で27日、NHK海外放送のニュース番組が李克強前首相が死去したことを伝えた際、放送の一部が遮断され、カラーバーと「信号異常」を示す画面に…

(産經新聞社)

 本日は、実のところ五月十六日記事で扱ったタイ王国(泰国)の「中共に呑まれない政治」について、あれからとんでもないことが起きたのを、もういい加減に取り上げたかったのですが、その中共から驚くべき速報が飛び込みました。

 その前に、わが国にも大いに関係のある話なので、簡潔に泰国の「とんでもないこと」をお話します。五月の下院議員総選挙結果を受け、与党になるはずだったカオ・クライ党(前進党または進歩党)は、ピタ・リムジャロンラット党首が新首相になるのを「あの手この手」で阻まれ、何と敗れたはずのプアー・タイ党(泰貢献党)が親軍派と結託して政権を強奪してしまったのです。

 中共産党と手を組み、カネで民意を買ったタクシン・チナワトラ元首相の系譜にある貢献党から、セーター・タウィーシン新首相が選出され、タクシン氏が十五年ぶりに帰国、もつれにもつれた挙げ句に政権発足したのが先月五日のことでした。昨日には、タクシン氏の次女であるペートンタン・チナワトラ氏が新党首になるほど「タクシン党」の正体を隠しません。

 よく前進党が不敬罪の見直しを謳って勝利したとされていますが、そもそもラーマ九世に明らかな不敬をはたらいたのは、タクシン元首相であり、現在のワチラーロンコーン国王陛下は、そもそも御即位以前から多くの国民に数多の言動が問題視され、突拍子もない行動を抑止する必要がありました。前進党が指摘していたのは、そのことでした。

 ラーマ九世の最晩年、さすがに「御威光」が衰えて以来、国軍が裏で主導権を掌握したため、泰政治の「リセット方法」にすぎなかったクーデターは、いよいよ「軍の都合」でしかなくなり、貢献党がこれと手を組んででも政権を盗み取ったことは、中共から見て極めて操りやすい体制を確立したと申して過言ではありません。

 セーター新首相がやった最初の仕事は、中共人観光客のヴィザ(査証)免除でした。観光立国としての歴史が長い泰国にとって、観光客が戻ってくることは望ましいのですが、泰国民の多くがこの顛末に激怒しており、今もバンコク都内で散発的抗議行動が見られます。再び大規模化するかもしれません。

 さて、ここで中共の李克強前国務院総理が昨日午前0時すぎ、六十八歳で急死したという報道ですが、まずはお悔やみを申し上げます。

 つい先ごろまで公にも以前と変わりない姿を見せていた李氏が、なぜ上海市内の病院で療養中に突然、心臓発作に見舞われ、そのまま亡くなったのでしょう。皆さんもご想像のことと存じますが、条件を並べただけでも「殺された」と分かります。

 武漢ウイルス(新型コロナウイルス)の漏洩から感染拡大を経て、習近平国家主席が「ゼロコロナ」を掲げたのに対し、李氏は一貫して「経済の立て直し」を主張したため、次期主席候補から傍流へ追いやられた結果、本年三月十一日をもって国務院総理の任を(習氏は自身の任期を延ばしたのに対して)あっさり解かれてしまいました。

 実は、その「ゼロコロナ」を支えた疾病預防控制センター(CCDC)の呉尊友疫学首席研究員も昨日、北京市内で亡くなっています。呉氏は本年一月、中共人民の八割もが既に武漢ウイルスに感染した可能性を指摘し、当初より主張してきたゼロコロナ推進の列から外されていたようです。

 北京政府の秦剛前外交部長、李尚福前国防部長が解任され、李氏の唐突な訃報は、産經新聞社記事にある通り習独裁好戦的暴力体制の脅威になりかねません。

 だからこそ昨日記事冒頭で申した「愛国主義教育法」を通した今なのでしょう。「習氏に楯突く者は、すべて殺される」という国民的不信をかき立てます。

 李氏を殺したのは、習暴力体制か、はたまた習氏を地獄の底へ叩き落そうとしている勢力(こちらの可能性のほうが高い?)か、既にハリボテ経済が崩壊した中共には、なお一層要注意の事態に突入しました。もう中共が何をしでかすか分かったものではないのです。

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『李克強前総理は殺された?』に1件のコメント

  1. 日本男児:

    それにしてもシナ共産党とは本当に闇が深い組織だな。表面的な物事・外面・面子を殊の外気にするシナ人気質そのものと言った感じだ。その反面、この様な外面的な事を守る為には暗殺等は日常茶飯事だと言ってよい。そして、このシナ共産党は色んな要素を兼ね備えている。例えば、暴力団、ヤクザ、マフィア、ギャング、スパイ・工作集団、暗殺団等である。そもそも、シナ共産党の前身が泥棒・盗賊・強盗・窃盗団・人殺し・野盗・誘拐犯等の犯罪集団を、毛沢東等ソ連共産党の革命思想を持ち込み、革命家気取りで盗人猛々しくシナ革命を画策した処から始まった組織だ。その内部では、常に親分・ボス・頭目・総統・統領等の座を巡って権力争いに明け暮れているのだ。今迄にどれほどの党員・幹部等が闇から闇に葬り去られたことだろうか。何しろ、今では凡そ1億人の党員を数える巨大組織になり、世界一の代物になっているのだ。まあ、党員と言ってもピンからキリまでいるので何をしでかすか分からないという点では、この世の中で最も恐ろしい存在である。李克強前首相と言えば習近平の政敵として何か変事があっても不思議はない人物と目されていた。案の定というか、心筋梗塞に拠る急死は、少なくとも殆どのシナ人ならずとも何かあるなと勘ぐってもおかしくない。又、習近平の政敵の一人が消え去った。さて、この次は誰の番なのか興味深々なことだ。