「人口減らせ」篭城・射殺

皇紀2670年(平成22年)9月3日

 民主党の小沢一郎幹事長(当時)の石川知裕元秘書(北海道11区・衆議院議員)が政治資金規制法違反容疑で逮捕された時、私はこのような形式犯で現職の国会議員が逮捕された前例はなく、極めて恣意的なものを感じると書いて「小沢擁護」に誤解されてしまいましたが、政治資金収支報告書の記載に疑問があれば総務省による修正指導で終わるはずのものを逮捕までし、小沢氏の逮捕・起訴まで迫ろうとしたのは不当だったという考えに今でも変わりありません。

 それでも「石川は犯罪者」「小沢も犯罪者」で猛進する、いわゆるネット言論は恐ろしいと感じたものです。私が一貫して申してきたのは、小沢氏の集金方法に数々の疑惑があり、それが事実かどうか明らかにすべきだということですが、菅直人首相も前段の問題のみを指して「口撃」しています。裏でせっせと仙谷由人官房長官が焚きつけてきたわけですが、その仙石長官こそ、東京・新橋で司法書士をやっている長男に3つの政治団体から320万円が渡り、この事務所ビルに長男経営の不動産会社、仙石長官の3つの政治団体ならびに弁護士事務所があるというではありませんか。

 さらにこのビルには、前原誠司国交相の凌雲会事務所も入居しています。問題は、この新橋の事務所が仙石氏の集金拠点になっているかもしれないというわけで、小沢?仙石ともに後ろめたい集金方法には絶対に触れない、深く調べさせないのです。

 そここそ突けば、小沢氏も仙石氏もどの方向だけを見て政治をしているのか、すぐにでも明るみにできると思います。それが問題の本質であるべきではないのでしょうか。不動産登記だの親が子を助けただのといった目くらまし戦術にとらわれ、結果だまされていたでは済みません。

 というわけで、いよいよ民主党代表(首相候補)選挙は茶番の様相を呈してきました。8月2日記事で取り上げたように、外国人でも人数水増しでも何でもありの党員・サポーター票が加算されるような選挙で一国の首相を決められてはたまりません。

 のちに「だまされた」を言いたい人たちは、これをもって「内閣を認証するのは天皇陛下だから、天皇陛下に最大の責任がある」とでも言うのでしょうか。戦争責任論議の阿呆らしさはここにあるのです。帝国議会も国会も天皇陛下に招集の御声を賜りますが、そこでの莫迦議論の責任は議員・代議士にあり、選んだ臣民・国民の責任を自覚しなければ、政治がよくなったりする筈もありません。

 このような「形式」の意義を軽蔑し、人間を「個人」の単位で語る者は、ゆえに自らの理性や意志を疑うことなく保守主義の基本哲学に猛烈な批判を加えるのですが、継承することやものを否定するのなら黙って自死せよというのです。あえて自殺とは申しませんが、自らの意志を後世に遺しても主義に反する筈ですから、黙って現世から去っていただくしかありません。ならばかえって「個人」の権利はどうなるのでしょうか。この思想では、とたんに論理破綻をきたします。

 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2752511/6135516

 ▲AFP通信:米ディスカバリーチャンネル本社で立てこもり、犯人を射殺

 世界的にも有名なケーブルテレビ局に篭城し、射殺されたこの在米韓国人男性は、公開された犯行声明に「地球を守るために人口を減らせ」という主旨のことを書きなぐっていました。番組の中で子供の出産を紹介するのもやめろ、と主張しています。

 結構でしょう。彼が、カール・マルクスさえも冷笑したトマス・ロバート・マルサスの『人口論』に傾倒していたのも自由です。ならば自ら勝手に人知れず死ぬか、或いは米国経済にも何らかのご意見をお持ちのようでしたから、ホワイトハウスか連邦議会の前で抗議活動をすればよかったに違いありません。菅首相もかつて、田中角栄元首相の自宅前で署名活動をしていたくらいですから、政治活動の自由は思想の如何を問わず、人種の差なく認められるべきです。

 ところが彼は、目についたディスカバリーチャンネルを攻撃して2年前に逮捕され、またも今度は篭城して社員を人質にとってしまいました。この局の経営者または社員が何らかの不正をはたらいていたというなら(やり方の限度をはるかに超えていると思いますが)まだ分かります。

 しかし、社員は彼の主義のもとになく、身体・生命の危機にまでさらされるいわれはないでしょう。ですから、人口増加が問題だという主義に到達し、自らがその原理を貫くのなら、もはや自死するほかないのです。これがどれほど生命の継承をなきものにし、むなしく、実は地球の営みを否定する思想か、もう少し考えて欲しいところでした。このような思想の淵から人を、そして地球を救う手はやはり祭祀によるほかない、と改めて思います。

 おっと、今回は映像作品のご紹介がありませんでした。ディスカバリーチャンネルでもご覧下さい。

映画『氷雪の門』オフィシャルサイト

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『「人口減らせ」篭城・射殺』に1件のコメント

  1. ストリートマン:

    65年の「垢」道徳教育も捨て去った日本の政治が立ち直るのは大変な労力と時間が必要です。人間としての基本的な事を知らない人が、官僚は敵と名指しで、自分たちの手足をもぎ取る、官僚を動かすのが世事なのですが、そこで「知恵」を絞れば良い。経済・普天間・安全保障で「三人寄れば文殊の知恵」なんて今頃何を言ってるんだと・・・低次元です。