象牙と武装勢力と中共

皇紀2674年(平成26年)6月17日

 http://www.afpbb.com/articles/-/3017756
 ▲AFP通信(仏):アフリカ有数の巨大ゾウ、密猟で死亡 ケニア

 阿ケニア南東部のトサヴォ国立公園で、ことのほか巨大で有名だった象の「サタオ」が密猟者に毒矢で殺されました。その遺骸を外信で確認しましたが、あまりにもひどいものです。長い鼻に牙が生えているはずの顔の前面が、そのままえぐり取られていました。

 密猟の目的は、間違いなく象牙です。絶滅の恐れがある野生動植物の国際取引に関するワシントン条約(CITES)で、禁止品目に指定されています。

 わが国は平成元年、条約の締結をもって禁輸措置をとりましたが、やがて象の数が増えすぎるという現象が起きたため、CITES管理のもと、数度にわたって阿大陸からの輸入を許されました。

 しかしこのとき、同じく輸入許可を強く求めた中共は認められなかったのです。ようやく平成二十年に一度だけ、日中二カ国に限定的輸入が許されました。

 象が国家を象徴する動物になっているタイでは昨年三月、国内産と密猟によって流入する国外産の区別がつかず、取締りが困難であることから、ついに象牙取引の中止を決定しましたが、それほど密猟品が闇市場に出回っているのです。

 わが国ではすでに、象牙を使っていた商品(判子など)の代替材料が浸透し、それほど象牙の需要はありません。ところが、富裕層が増え始めてからの中共では、今まで以上に需要があるため、密猟のほとんどは中共向けなのです。

 阿諸国への中共共産党の侵食は以前に申しましたが、彼らに密猟と闇取引を取り締まる主導的役割を担わせなくてはなりません。国際条約に基づく姿勢を世界に示せなければ、中共は阿進出の策におぼれ、日欧米から非難されるでしょう。

 密猟の残酷さは、食べるために捕るような命のいただき方ではなく、特定の部位ほしさに惨殺し、遺骸を打ち捨てることです。

 そして取締りが厄介なのは、密猟が組織化し、武装勢力の資金源になり始めたことであり、ますます中共は象牙の供給を停止する国内措置を講じなければなりません。

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