朝鮮戦争の再燃が現実化か

皇紀2673年(平成25年)12月31日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/131229/kor131229……
 ▲産經新聞:「中国を敵とみなせ」張氏粛清は親中派排除、正恩氏が恐れた“正男クーデター”

 産經新聞社は二十九日、複数の消息筋への独自取材により、北朝鮮の金正恩体制が張成沢前国防副委員長の銃殺刑に先立ち、朝鮮人民軍や国家安全保衛部の幹部に対して、今夏から「中共に幻想を持つな」「有事には中共を敵とみなせ」とする思想教育を進めていた、と報じました。

 私は十二月十四日記事で、一連の北朝鮮の動きが「明らかに中共に対するいわば『宣戦布告』」「中共共産党が張前副委員長を使って北朝鮮の現体制破壊工作に及んでいた可能性はあり、北朝鮮は『分かっているぞ』『工作員は始末するぞ』と中共に向かって発表した」と述べましたが、産經新聞社の取材報道はこの分析を裏づけるものです。

 一方、張前副委員長が処刑されてもなお、北朝鮮が中共図們市と咸鏡北道の穏城経済開発区特区造成のための契約を締結したことが伝えられ、中朝の相互牽制関係を否定する意見もありましたが、何としても外貨を獲得しなければならない経済事情と体制維持の絶対目的を、金体制は明らかに使い分けていることが分かります。

 つまり、中共との経済関係を重視するあまり何もかもひれ伏して工作され放題にする何処かの国とは大違いなのです。日本国民を拉致して未だに返さない異常、且つ自給自足もままならない脆弱な体制であるにもかかわらず、この態度だけを見れば妙にまともではありませんか。

 しかし、もちろん北朝鮮は褒められた体制にありません。金一族による歪んだ独裁権力を維持するために無理が生じており、それが中共に対する恐怖心をかき立てています。

 これから北朝鮮は恐らく、中共への朝貢に転じた韓国を決して許しません。彼らによる南北融和工作が奏功して誕生した金大中・盧武鉉政権の余韻は消え去り、米国の介入で誕生したはずの李明博政権の末期から韓国は中共へ寄り始めました。

 米国内に於ける「反日」工作も中韓の連携によって行なわれており、朴槿恵政権が「反日」に固執すればするほど、そこに金正恩体制の入る余地はありません。北朝鮮は間違いなく韓国をこれまで以上に敵とみなし、休戦状態にあった朝鮮戦争は再び火を噴き始める可能性があるのです。

 靖國神社への参拝をきっかけに、安倍晋三首相が日韓関係を緊張させたのではないかと失望する米政府の、その感情の根源は、本当に北朝鮮が韓国を攻撃するかもしれなくなったことにあり、米政府はわが国政府が必ず韓国防衛に加担するよう安倍首相を牽制したいだけに違いありません。

 日韓関係を極度に悪化させたのは李前大統領と朴大統領であり、安倍首相は何度も日韓首脳会談の開催を呼びかけてきましたが、日米にとって韓国の存在価値が低落したとはいえ、朝鮮戦争は今も続いており、とすれば日米は韓国を見捨てるわけにいかないのです。

 私たちが認識しておくべきは、その朝鮮戦争が開戦時と今日で状況を全く異にしていることでしょう。日米は必ずしも韓国を助けなくてよいかも知れないのです。

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