講和条約が違法で無効?

皇紀2673年(平成25年)6月3日

※ 本日は設定に間違いがあり、記事の配信が遅れましたことをお詫びします。

 台湾中部の南投県仁愛郷で二日午後、マグニチュード六.三の強い地震が発生し、現在のところ二人が死亡、一人が行方不明になっているとのことです。衷心よりお見舞い申し上げます。

 三月にも同級の地震が発生したばかりですが、ここは毎年台湾政府の方からいただく阿里山の烏龍茶の生産拠点です。台湾の高山茶を代表する銘柄であり、皆様のご無事を祈念しています。

——————————

 http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economic_exchange/347551/
 ▲新華社経済(中共):「サンフランシスコ平和条約は違法かつ無効」、釣魚島問題めぐり中国外交部

 中共外交部の洪磊報道官は先月三十日、沖縄県石垣市尖閣諸島について、菅義偉内閣官房長官が「わが国の領土を法的に確定したのは桑港(サン・フランシスコ)平和条約だ」などと述べたことに対し、「われわれは桑港平和条約が違法かつ無効だと認識しており、受け入れない」と反論しました。

 中共政府の妄言には、基本的に私が五月三十一日記事で申したことでほぼ過不足なく対応出来ますが、今回の場合、実は菅官房長官の発言に問題があります

 少なくともわが国全ての領土の法的根拠が桑港講和条約で確定したという認識は、いわゆる「河野談話」級の恐ろしい間違いであり、記者会見での発言は日中共に修正可能ですが、この調子でまた何らかの「談話」を公式発表されたら私たちはおしまいです。

 わが国領有の根拠たる時期を「馬関条約(下関条約)の締結前から」と述べたのはその通りですが、法的に最も重要なところを彼は説明していません。わが国の政治家がこの程度の国際法認識だから中共や韓国、北朝鮮の「反日」妄動を誘発するのです。

 おさらいしておきますと、李氏朝鮮の自立(大韓帝国)にも繋がった日清戦争の講和が馬関条約であり、締結の約三ヶ月前に当たる明治二十八年一月十四日の閣議決定で尖閣諸島がわが国に編入されました。閣議決定の手続きは国際法上有効であり、この事実をもって講和会議に臨んだ大清帝国側から異論は出ていません。

 そもそも何度も申しますが、新興の中華人民共和国に桑港講和条約を語る資格はなく、一切無関係です。それに一体どの国際法に対して「違法」なのか、まるで訳がわかりません。

 これは、占領憲法(日本国憲法)の内容が気に入らないから「違法」「破棄」「無効」などと叫ぶ人によく似ており、政治的発言としては最悪の類いです。私たちは、占領統治側が講和締結前(戦争が終わっていない状態)の被占領国の憲法を変えてはならないとする「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(ハーグ陸戦条約)」に違反しているから無効であり、講和条約の範囲では有効だったと述べています。

 法理原則に則り、筋を通すことを忘れた「被占領国政府」がいい加減なことを言うから、中共も図に乗って意味不明なことを言い出すのです。

 このままでは「やはり自民党では駄目だ」ということになってしまうでしょう。私が以前指摘した通り、仮にも北朝鮮問題に絡んで日米中のいわば「穏便契約」が履行中なのであれば、別段中共を攻撃しなくても事実を説明するだけで十分です。

 いい加減なことだけは絶対に首相や官房長官に二度と言わせてはなりません。菅長官、頑張れ!

スポンサードリンク

『講和条約が違法で無効?』に1件のコメント

  1. matu:

    >李氏朝鮮の自立(大韓帝国)にも繋がった日清戦争の講和が馬関条約であり、締結の約三ヶ月前に当たる明治二十八年一月十四日の閣議決定で尖閣諸島がわが国に編入されました

    ここ確認しておきたいところですね!
    学校では下関条約でしたね。
    その前に、尖閣諸島の閣議決定があったのですね・・
    自民党政府がいかに先人のことに無関心で
    サンフランシスコ講和条約つまり米国に縛られているか
    分かりますね。
    これではいつまでたっても占領憲法→無効にはならないわけです。