中国ビザ発給、日韓の差は
菅義偉前首相に体調不良説が流れています。よもや二十五日記事で指摘したことに対する「準備」なのかもしれません。
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今から約十五年前、中共江蘇省南京市で誕生したファストファッション小売業のSHEIN(シーイン)が昨年十月、わが国にもポップアップ(期間限定)ショップとして大阪市中央区の心斎橋に上陸してしまいました。しかもそこは、ユニクロがかつて大阪旗艦店として出店した跡地でした。
ご存知のようにシーインは、数多商品の知的財産権侵害(パクリ)問題を抱え、旧東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)での強制労働に係る新疆綿の使用問題を指摘されており、自社工場の従業員たちも極めて劣悪な環境で働かされているといった何もかもに於いて三流以下の企業です。
そうと知ってか知らずか最近、若い女性を中心に大阪市内でもシーインのバッグを抱えた人びとをよく見かけます。ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングも、同様に新疆綿使用問題などを抱えて到底まともな企業とは言えませんが、給与下落のまま物価上昇(スタグフレーション)を起こしている私たちの暮らしにつけ込まれ、ファストファッションの出鱈目を許してしまっているのです。
二十四日記事でも申したように経済が弱くなれば、戦えるものも戦えません。防衛費増強のために増税するという岸田政権の方針がいかに愚かしいか、私たちは断続して増税の不要を訴えねばならないのです。
さて、中共が「脅したり褒めてやったりしながら調教する」とでも考えているわが国と韓国への態度ですが、抜け穴だらけのいわゆる「水際対策」に留めた岸田政権を褒めてやり、中共人に対する一部査証(ヴィザ)発給停止を来月末まで続ける尹錫悦政権を脅し続けています。
残念ながらこの結果だけを見れば韓国政府のほうが正しく、わが国政府の対応は間違っているのです。
中共から見てわが国とのほうが経済に与える影響が桁違いに大きく、その分だけ大使館や領事館の現場が混乱したということもあり、規模の小さい韓国は捨てられたとも申せますが、中共は明らかに、日韓に対して好戦的外交を続けています。
わが国は、決して発給再開を喜んではいけません。外務省などの感覚は、すぐに「ほっとしました」で片づけるので、中共に何度でも莫迦にされ続けるのです。
それを私たち国民までもが「やれやれでしたね」などと受けてはなりません。こうした「事なかれ」の積み重ねで東亜の平和が崩れていったのですから。