露国が日本に発したサイン
http://www.sankei.com/world/news/150225/wor150225……
▲産經新聞:原爆投下「人道犯罪は明らか」 ロシア下院議長「時効ない」
「露国の政治家にこんなことを言われたくはない」と思う日米両国民は、一定数いるに違いありません。しかし、露連邦議会のセルゲイ・ナルイシキン下院国家会議議長が指摘した昭和二十年八月の広島と長崎への原子爆弾投下は、米軍による戦争以外の犯罪(=日本人大虐殺)であることに違いないのです。
ナルイシキン下院議長は、ウラジーミル・プーチン大統領に極めて近い政治家として知られており、昨年六月には来日しています。欧米主導の対露制裁騒動の真っ只中でした。
私は一貫して日露講和を目指す安倍晋三首相の方針を支持してきましたが、このころから半端な対応を始めたことに対して批判しています。一方、太平洋防衛を共有する日米関係を悪化させるような言動の扱いには慎重です。中韓のわが国に対するものの言い方の二の舞だけは演じたくありません。
産經新聞社が掲載した共同通信社配信記事には「米国を暗に批判した」とありますが、もちろんそうでもありながら、実はわが国への牽制だということを私たちが意識できなければ、日露講和交渉などまったく進展しないのです。
イラン(義国)が昨夏、急に対日批判を展開した際にも申したはずですが、これは中韓の「反日」工作が効いたのではなく、安倍内閣が対義政策で従米路線をとる可能性を見抜いて牽制したのであり、ホルムズ海峡の話を安倍首相が持ち出すたび、彼らはそれまで聞くつもりもなかった中韓工作員の与太話にも耳を傾けてしまいかねません。日義関係こそ米国抜きでも維持してきたのであり、私はそれを壊すなと提言してきました。
ウクライナ問題を中共による海洋侵略の策謀などと同一視する外交評論家までいますが、露中のやっていることはそれぞれまったく別物です。プーチン大統領は大いなる露国を取り戻す本当の目的を、グローバリズム(多国籍企業による世界支配)への勝利と定めています。
だからこそ、ナルイシキン下院議長の今回の発言があるのです。「日本はこれに加担してしまうな。共に闘おう」とプーチン大統領は言っています。
これを私の妄想の類いとお笑いになるなら、それでも構いません。しかし、彼らが私たちに発したサインを見落とすことは、わが国のためにならないのです。