昭和天皇実録…正しい解釈

皇紀2674年(平成26年)9月10日

 http://sankei.jp.msn.com/life/news/140909/imp140909……
 ▲産經新聞:【昭和天皇実録】「ご聖断」ソ連参戦で決意 報告の18分後「終戦」側近に指示 公表の「実録」時系列から判明

 宮内庁が九日に公表した先帝陛下に関する記録は、あくまで「宮内庁がまとめた『昭和天皇像』」です。すでに、今上陛下には奉呈されました。

 大正天皇の記録については、公刊されないまま情報開示請求に対して一部が黒塗りされたほどで、早い話が「煮るも焼くも宮内庁(旧宮内省を含む)次第」という代物に過ぎません。

 それを前提とした読み方以外に、正しい解釈はないのです。

 公表日に合わせて、各新聞社の担当記者たちは、事前に配られていた実録の写しを読み込んだわけですが、皇居東御苑内の書陵部庁舎では、一般の特別閲覧が始まりました。私たちも、事前予約なし(ただし整理券配布)で拝読できます。

 宮内庁は、富田朝彦元長官が遺したとされるメモについて、日本經濟新聞社によってその存在が報じられた事実だけを掲載し、靖國神社が陛下の御親拝を賜れなくなった理由について、特定しませんでした。

 また、先帝陛下とダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官とのやりとりについても、特筆すべき資料をつけ加えなかったようです。

 一方、大東亜戦争終結の御聖断については、時系列の記述があったようで、これらのいずれも私たち臣民(先人たち)が天皇陛下を巻き込み、且つまた利用した政治案件でありながら、いわば記述量の明暗を分けました。

 そもそも臣民の手に負えない事柄を、軽率に公開してしまう必要などありません。

 明白なことに目を向けますと、臣民によって始められた戦争は、それまで臣民によって終えられていたものの、凄惨に終わった大東亜戦争だけが、臣民の尻拭いを、畏れ多くも先帝陛下にしていただいたことになります。先の戦争は、天皇陛下のおかげで終えられたのです。

 ただそれだけです。それ以外のことは分かりませんし、この事実からだけでも、私たちが学ぶべきことは山のようにあります。

 臣民が臣民の手に負えないことに首を突っ込み、先帝陛下を論評するようなことは、再び天皇陛下の政治利用を招き、悪しき歴史を繰り返してしまうのです。まさか「戦争の歴史を繰り返すな」と叫んでいるような人が、そのようなことはするまいな、と。

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『昭和天皇実録…正しい解釈』に1件のコメント

  1. ティーティー:

    それにしても、報道各局の陛下への敬語が殆ど使われていなかったことに、不快感を抱きました。