消費動向は「将来不安視」

皇紀2674年(平成26年)4月19日

 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140417/fnc140417……
 ▲産經新聞:消費者心理 4カ月連続のマイナス 税率引き上げで景気不安視

 報道各社は概して、消費税率引き上げ前の「駆け込み消費」を大きく取り上げ、前回の増税体験から、多くの企業が相応の対策を講じていることを伝えていましたが、それが全くの出鱈目ではないにせよ、実は「駆け込み」が予想よりも少なかったのは事実です。

 なぜこうなったのかと申せば、多くの国民がもはや駆け込むほど買いたいものなどなかったからであり、今消費することによる将来への不安のほうが大きいからにほかなりません。

 私は、昨年六月以降に発表された「成長戦略」がことごとく不発に終わり、「既に『アベノミクス』は失敗した」と安倍政権の経済政策を批判し、あるべき成長戦略と発表の方法までしつこく提言してきましたが、橋本龍太郎元首相の告解を無視して、同じ流れで消費税率の引き上げが断行されたことは、間違いなく安倍晋三首相の重大な判断ミスです。民主党前政権のせいばかりではありません。

 給与・物価下落を食い止めようという時に、お金の流れを活性化させる成長分野の拡大を提示もせず、金融緩和はよかったのですが、増税して規制緩和するのは下落に拍車をかけるだけです。

 まして私たち現役世代の約九割が給与上昇をまだ実感していない段階で、労働環境はますます厳しく、いわば国民生活の面倒も見きれていない政府が、内閣府を中心に移民や外国人労働者の受け入れを拡大しようというのですから、私たちが将来を不安視するのは当たり前ではありませんか。

 今回の内閣府の発表は、さらなる税率の引き上げ(十%)を決めないとされる安倍首相を後押しすることになるかもしれませんが、財務省は絶対に引き下がらないでしょう。それでも、安倍政権になって改善された経済に関するデータはほとんどありません。

 増税に対する批判は、これからも諦めずにすべきです。妙にもの分かりよく我慢し、それでよいことでもあるのなら話は別ですが、報道各社は財務省ににらまれたくなくて黙っているのでしょうか。

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