あなたは暗号解析できる?

皇紀2673年(平成25年)12月10日

 http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/1209kaiken.html
 ▲首相官邸:平成25年12月9日 安倍内閣総理大臣記者会見 (動画あり)

 安倍晋三首相は九日、第百八十五臨時国会の閉会を受けて記者会見を開きました。何度も申しますが、今国会はその場で安倍首相が述べたほど「成長戦略実行国会」になっておらず、民間投資を喚起する産業競争力強化法や、規制緩和と関連する国家戦略特区法、ついに英断された米の減反政策廃止に伴う農地集積バンク法、再生医療促進法、電気事業法の改正などが極めて不十分な審議のまま、ただ可決されていったというだけです。

 よって改正を求めていくとした特定秘密保護法よりむしろ、これらの改正も今後訴えていかなければなりません。これまた以前にも申しましたが、成長戦略とは決定的な内需回復と輸出拡大の起爆剤ですから、政府は発表の仕方に気をつけるべきでした。

 安倍首相が随時、自ら官邸の会見室で記者会見を開き、新資源の採掘・商業化を決めたとか、自民党農政の過ちは私の代でやめます、といった具合に鮮烈に発表させなくてはならなかったのです。

 いわゆる「ぶら下がり取材」を断っているのですから、首相の都度の会見が世界に与える影響は大きく、一方その点から申せば、秘密保護法案の類いはわざわざ会見で首相に発表させるものではありません。国会での審議に於ける答弁などで十分です。

 しかし、会見で安倍首相が最も多くの時間をこの説明に費やしたように、法案が処罰の対象を絞っていないため、特定秘密とされる国家機密情報の定義が特定されないという皮肉なことになっています。

 それでも安倍首相は会見で四つの重要な点に触れました。第一は現行約四十二万件の特別管理秘密の九割が衛星画像、残りが暗号、自衛隊の装備性能などであり、第二に歴代政権で生まれた外交密約などが首相にも知らされない現状(官僚主導政治の原因)、第三に約三年間で三万件もの防衛機密を廃棄した民主党政権での責任の所在が不明である現状、第四に菅民主党政権で発生した中共漁船衝突事件で証拠動画を隠蔽しようとしたのが菅直人首相か仙谷由人官房長官か、福山哲郎副長官か分からず、事件の真相は私たち国民と世界中の人が知るべきだったという認識を現首相が有していることです。

 これは、これまで「知る権利」や「言論の自由」を盾に反対してきた官公労や自治労、日教組らで彩られてきた過激な反対運動の主張が根底から覆る内容であり、これこそ私たちが知らなくてはなりません。

 民主党こそが防衛機密を大量に廃棄し、国民の知る権利よりも秘密保護法制の必要を唱え、一色正春元海上保安官のような人物を生み出しながら逮捕させようとしたり、福島第一原子力発電所の現状を公開した青山繁晴氏を逮捕させようとしたのです。これらは既にここでも取り上げてきました。

 また、今回確かに与党の国会運営は酷いものでしたが、民主党が「こんな強行採決は民主主義を殺すものだ」などと批判する資格はありません。民主党政権下では、最大野党だった自民党が欠席したまま、或いは彼らの制止を振り切って十五回も強行採決されています。

 これからは秘密保護法をいわば「スリム」なものに改正すべく再審議を求めますが、その過程に於いて、決して彼らの言い分が法の問題点ではない、すなわち衛星画像や暗号の解析は国民の知る権利と全く別の問題であることを明らかにし、あさっての方を向いて反対していた言論こそ本法案の問題を未整理なままにした「戦犯」であることを前提に、提言してまいります。

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『あなたは暗号解析できる?』に1件のコメント

  1. :

    今回の特定秘密保護法案、本当に野党、マスコミ、労組の反対は凄まじかったですね。
    47ニュースなどでこの法案関連の記事を見ると、ネガティブな内容ばかりでげんなりしました。

    若干問題は残っていますが、今の日本には必要な法だと思います。
    野党は本当に懸念すべき内容に絞って審議して、修正していくべきだったのに、全く意味不明な
    こじつけで国民の不安を煽りまくってました。
    新聞、テレビからだけ情報を得ている人は、本当に戦争が始まる、憲兵が復活する、と思ったかも
    しれません。
    左巻きの著名人まで担ぎ出しての廃案運動。 実らなくて良かった・・・。

    これが今の日本の野党とマスコミのレベル。
    日本に対して忠誠心が無い人達が政治に関わるとこうなってしまうのも当然でしょう。