米国は対中戦の当事者だ

皇紀2673年(平成25年)2月23日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130220/chn130220……
 ▲産経新聞:サイバー攻撃で反論「米国から攻撃多い」中国国防省

 安倍晋三首相の訪米について、わが国の一部報道では「歓迎されていない」といった珍妙な自虐的解釈があるようですが、米政府が日米首脳会談後の共同会見を拒否した理由は、安倍首相ではなくむしろ自分たちに問題があって何も発表したくない、或いは出来ないからです。

 米国の情報保安企業「マンディアント」は十九日、企業に相次ぐいわゆる「サイバー攻撃」の発信元が中共の人民解放軍六一三九八部隊(上海市浦東新区)であることを突き止めました。

 この報道に対し、中共国防部の耿雁生報道官は翌日、これを否定した上で「米国のほうが攻撃している」と反論しましたが、沖縄県石垣市尖閣諸島を巡って開戦前夜のような行動を取った人民解放軍を抱えて常にわが国を挑発しながらザ・ワシントン・ポスト紙に掲載された安倍首相の発言に「一国の指導者が公然と隣国を批判するとは」などと非難して見せたのも、全く同じ「出鱈目線上」にある言動です。

 中共内部の問題は過去に述べた通りですが、米政府の問題を改めておきますと、国防総省のみならず中央情報局関連に至るまで予算規模を縮小したため、安倍首相が懸命に太平洋防衛という日米の共通目標を掲げて中共の問題を提起しても、米政府自身は現状ほとんど有用な答えを提示出来ないでいます。

 ですから米政府は出来るだけ日米首脳会談の「重量」を軽くしたかったのでしょう。昨日も申しましたが、対中戦に於ける目下の当事者は米国であるという認識が米国自身に欠落しているのです。

 一方、安倍首相の外交意図は明確ですが、それを機能させるための国家の基本法がわが国にはありません。それは占領憲法(日本国憲法)の有効状態を継続させているためです。

 もし自国の憲法(大日本帝國憲法)に基づく政府であれば交戦権のもとに外交が出来るようになりますから、首相の発言以前に周知活動を展開させて主張が通りやすい下地を作れるでしょう。例えば、私が一月三十一日記事で指摘した状況を打開すべく、ソフトバンクの嶋聡社長室長(元衆議院議員)が訪米しているようなものです。

 ソフトバンクはスプリント・ネクステル買収のための「ロビー活動」を始めたわけですが、間違った主張でも通ってしまうことがあるのは「ロビー」の結果であり、逆に正しい主張でも相手にその存在を伝えなければ通りません

 わが国の占領憲法政府はこれが出来ない、または極めてやりにくいのであり、よって本能的に危機を感じても理性でそれを押し殺し、また「そうすることが正しい」と無気力に信じ込んできました

 人民解放軍系の機器を日米にばら撒きつつあるとの指摘がされているソフトバンクに何ら対処してこなかった政府のままでは、あまりにも安倍首相の理想が空回りしてしまいます。そうはさせないよう占領憲法体制から脱却することで、本当に米国を味方に引き寄せられるのです。

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