日本国民のほとんどが弱者

皇紀2671年(平成23年)10月8日

 西国(スペイン)のアルバ公爵夫人で、世界最多の称号を持つことで知られる第18代当主のカイエターナ・フィトス=ハーメス・ストゥアルトさんが5日、85歳にして61歳の公務員男性と結婚しました。

 http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/28330……
 ▲AFP通信:85歳の公爵夫人、25歳年下男性と結婚 スペイン

 在りし日の清川虹子さんと見紛う(失礼!)彼女の結婚は、新郎の財産目当てを疑った家族の多くに反対されたため、アルバ家がかつて庇護した画家のフランシスコ・デ・ゴヤの作品なども含む約35億ユーロ(約3570億円)もの保有財産を、彼女が子供たちに生前贈与することで実現しました。

 アルバ家は、特に第3代アルバ公が神聖ローマ帝国のハプスブルク領ネーデルラント総督として著名な一族であり、英国ステュアート朝ジェームズ2世の血が混じったことで、その名に「フィッツ=ジェームズ(フィトス=ハーメス)」が入る名門家を、彼女は2人の夫と死別したあとも守り抜いています。

 目下欧州経済の危機は、西国もが震源地の一つになりかねない状態であり、このような貴族の存在を西国民はどう考えるのかとの疑問が、専ら外国人の私たちから沸き上がることもあるでしょう。

 当然考え方や感じ方は人それぞれですが、一般に、爵位を有する諸侯(貴族)の存在こそが欧州史の生き証人であり、欧州人の選民意識の拠り所です。

 よって現在の国境など暫定に過ぎず、一方かつてハプスブルク家が目指した汎欧州の理想とはかけ離れた現実に悩むことになったのが、目下の希国(ギリシャ)に端を発したユーロ危機ということになります。特に独国が希国を嫌うのは、そもそも彼らを排除しておけばよかったという基督教の「反希」的思想が再燃したように見えて仕方ありません。

 私の親しい独国人なんぞ希国憎さに「英国のケンブリッジ公爵ウィリアム王子がみるみる男前でなくなってきたのは、希国系の王配(エディンバラ公フィリップ)の醜い遺伝子が表出してきたからだ」と言って私を困惑させます。

 希国債を債務不履行(デフォルト)させるほうがよいという意見は独国当局者から多く出ていますが、それが即ちユーロ加盟17カ国の経済を破綻させることになると覚悟しなければならないでしょう。

 その尻拭いや、中共の輸出戦略を支援して失業率を高騰させてしまった米国経済、或いは米国が同盟を維持する韓国などの支援を全てさせる「金庫」のような国はどこかと申せば、もうわが国しかありません。独国の金融機関で救えるかよりも、日本国民の血税で救えるかを計算している旧連合国が存在しているのです。

 だからこそ、民主党の野田内閣はいわゆる「安全運転」で何としても増税を断行しようとしているのであり、その犠牲者は給与所得で生活する私たち「弱者」ということになります。何割かの国民は先の欧州貴族たちと同じかもしれませんが、ほとんどの国民が何の意味もない出費を強いられ、ますます内需が萎んでゆくのを呆然と見させられるのです。富豪たちのお金の使い道すらないような国は、もはや経済大国と呼びません。

 それこそ国民が大行動を起こして当然の事態へと突入しているのに、メディア報道で聞きかじった「国の借金を返すために……」などと物わかりがよすぎるにも程があります。国家経済が破綻しかかっている西国の大富豪に首を傾げるより、わが国政府のすること、なぜわが国がこんな役割を押しつけられるのか、日本国憲法(占領憲法)と何か関係があるのだろうか、まず疑問を持って下さい。

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