危機対応〜副首都の設置案

皇紀2671年(平成23年)4月18日

 社民党前党首の土井たか子元衆議院議長の地盤だった兵庫県西宮市と芦屋市で、同党唯一の地方議員だった片岡保夫西宮市議会議員が、17日に告示された選挙に立候補せず、土井元議長のおひざ元から同党議員がついに姿を消します。

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110415-OYT1T00238.htm
 ▲讀賣新聞:社民議員が姿消す土井たか子さんおひざ元

 実は旧日本社会党の流れを汲んだのは社民党よりも民主党ですから、決して完全に姿を消したわけではありません。

 特に横路孝弘衆議院議長の地元である北海道と、土井たか子元衆議院議長の地元兵庫県では、どうしても彼らを当選させ続けてきた組織(日教組や自治労など)が強い力を持ち、時には自治体までもを動かします。

 神戸市議会に於いて、たちあがれ日本の北山順一議員や白國高太郎議員が尽力してこられた議場での国旗掲揚の要求すら実現しないのは、旧社会党系や日本共産党系の議員と、そしてこのような連中と調整型(早い話がまやかし)の政治をしてきた「自称保守系」の議員たちが反対、或いは絶対に賛成しないからです(こちらを参照)。

 その兵庫県から選出されているのが民主党の石井一副代表なのですが、氏が代表を務める危機管理都市(NEMIC)推進議員連盟は13日、首都東京の代替機能を果たす「副首都」の設置を検討し始めました。

 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110414/mca1104140816007-n1.htm
 ▲産經ビズ:有事備え「副首都」機運 年内にも建設着手、超党派議連が検討

 石原慎太郎都知事が反対するように、わざわざ遷都する必要はないと思いますが、東日本大震災への政府対応を見ても分かる通り、何かが機能しなくなった時の代替案を全く持たないわが国の悪癖は、何としても直さねばなりません。

 私が或る厚生労働官僚から聞いた「実はわが国には有用な災害対策マニュアルがない」という驚きの実態をご紹介して以来、ここでさかんに手引きの作成と、作成する際のわが民族特有とも言える思考停止癖の存在を指摘してきました。

 ですから、万が一のために首都機能をもう一つ確保しておくこと、また有事の速やかな機能移転の手引きをあらゆる事態を想定して作成する必要があるのです。よってこの議連の提案自体には賛成します。

 しかし、出てきた案が兵庫県伊丹市の伊丹空港(旧大阪国際空港)跡地というのは、どうしても石井副代表の利権狙いに見えて仕方ありません。

 伊丹空港廃港後の有効利用案としては悪くありませんし、京都御所にも比較的近いことから、首都を失うような事態に於いても天皇陛下に国を御守りいただく不都合はないでしょう。

 ただ、災害対策だけでなく破壊活動対策でもあるのですから、わざわざ「ここが副首都です」と言う必要はありません。選挙のことばかり考えていたのか「伊丹」を口にした段階で、もう既にこの人たちの思考停止は始まっています。

 それ以前に、占領憲法という米軍の手の平の上で一握りの政治家の利権確保が許されて作ったものは、大抵「その時」が来れば官僚組織ごと機能しないのです。

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『危機対応〜副首都の設置案』に1件のコメント

  1. 心神:

    そうですね‥悠久の時を経て、わが国は天皇陛下による祈りの国である事を、忘れたくないです。