中共で反体制の映画監督
地方への中央の統制が効かなくなり始めたのか、中共各地で連日のように起こる「反日デモ」が、いわゆる「反体制デモ」の性質を帯びていることを日本のメディア報道もいよいよ隠さなくなりました。ともすれば、彼らの激しい行為が「反日ではない」と言うことで、日中友好や中共経済重視(=貧困問題を言うくせに内需回復には無気力)であり続けてきたことへの言い訳にしたいのかもしれません。
日本の企業や関連商店が襲撃されるのは、中共当局から事前の打診があってのことで、中共国内で「うまくやる」ということは、つまりそういうことなのです。到底中小企業の進出に耐えうる外国ではありません。
劉曉波氏のノーベル平和賞受賞が決まって以来、いくらか中共が「極めて厄介な隣人」であることを堂々と話せる人が増えてきたようには思いますが、それが単なる「反中」感情の扇動に終わらない正確な情報収集と情勢分析に基づく外交の兵站(ロジスティクス)を、私たちは日本政府に求めたいと思います。
しかし、すでに映画界に於いては以前から中共の問題が世界的に論じられてきました。その中心人物が張元監督です。彼の作品は反体制的であるとされ、平成4年公開の『北京バスターズ(北京雑種)』(撮影監督はクリストファ・ドイル)などが中共政府から上映禁止処分を受けています。
張監督作品の特徴は、ドキュメンタリーとドラマが交錯する点にありますが、『北京バスターズ』では平成元年に起きた天安門事件の主導的存在だった学生たち(今日の「反日デモ」と似た構図)の愛唱歌の生みの親である崔健氏が登場します。彼のコンサートは、当局から許可されない事態が長らく続いていました。
その後、張監督は『広場』(平成6年公開)という作品でも事件後の天安門広場を主題に、中共の歪んだ体制と人民の関係をあぶり出してゆきます。興味深いのは『クレイジー・イングリッシュ(瘋狂英語)』(平成11年公開)に登場する実在の李陽先生が「カネ儲けのために英語を学び、日欧米の三大市場を征服しよう」と言うところでしょう。
或いは、『小さな赤い花 (看上去很美)』(平成18年公開 ベルリン国際映画祭国際芸術映画評論連盟賞受賞)に登場する長期養育施設に預けられた少年に、中共社会の問題が投影されているところが面白いのかもしれません。彼には家庭がなく、教育を目的とした有形力の行使(=体罰)とは言えない統制を主体とした児童への当たり方をする先生を頂点とする小さな社会が彼のすべてで、強烈な疎外感から外の世界への憧れを抱きます。
張監督は事実上の国外追放処分を受けていますが抵抗し続け、どうしたことか平成20年1月9日未明、麻薬を所持していたとして逮捕されてしまいました。それは、張監督による日中合作映画の計画が発表され、まさに日本での撮影を開始する直前のことだったのです。
彼の存在は、特に『ただいま(過年回家)』(平成11年公開)が伊国のベネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を受賞したころから、世界的な注目を浴び始めていました。日本人をはじめ多くの外国人を拉致して平然としてきた北朝鮮や、ましてイランが「悪の枢軸」だと言うのなら、中共は間違いなく非常に問題の多い国家体制であることを、私たちは改めて認識しておくべきでしょう。
↓↓↓クリックして下さい!
政治部門・映画部門の2カテゴリー登録になっています。ご了承の上、何卒ご協力下さい。
↓↓↓こちらもクリックして下さい!
皇紀2670年(平成22年)10月26日 10:10 AM
国民総動員法を21世紀に堂々と掲げる国です。相手に不足はない位の根性を持ちたいモノです。