ベラルーシ拘束…怪しい背景

皇紀2684年(令和6年)9月6日

50代邦人男性、ベラルーシで拘束 今年7月、現地TV「工作員」―政府

 林芳正官房長官は5日の記者会見で、50代の日本人男性が7月9日、ベラルーシ当局に国内法違反で拘束されたと明らかにした。大使館関係者が面会して健康を確認。「政府としてできる限りの支援を行っていく」と強調した…

(時事通信社)

 林芳正(リン・ファンヂャン)内閣官房長官の口からは公表されませんでしたが、ベラルーシ(白露)で拘束されたという日本人男性は、フランシスカ・スカーリニ記念ゴメリ国立大学(南東部ゴメリ州)で日本語を教えている中西雅敏講師です。外務省が確認、既にそう断定していますが、この話、何かがおかしい……。

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 実は昨年十二月六日、在白露日本国大使館の山本広行大使が同大学を訪ね、中西氏とも面会しています(同大使館ホームページ該当記事を参照。一枚目画像に写る左から二人目の男性が中西氏)。

 はっきり申し上げて、例えば内閣情報調査室、警視庁公安部、或いは公安調査庁でもどこでも結構ですが、その協力者を民間から密かに募っているのはともかく、これほど「間抜けな事案(まるで観光客のように写真を撮っているところを隠し撮りされる)」を聞いたことがありません。

 まして民間人の協力者は、まず初めに「もしものことがあっても(諜報対象国で逮捕されても)われわれは助けてあげられない」と釘を刺されますから、白露国営放送の収録に「私の活動は、白露にとって危険な可能性がある」などと答えている時点で、中西氏が政府機関の密命を受けた協力者でないことは明らかです。

 このあまりに軽率な受け答えから推測できるのは、白露が突如公表した「東京から来たサムライの失敗」は、むしろ中西氏(配偶者は白露人女性で在白露歴二十年以上)が白露、いやもっと申せば大元の露国側の協力者である可能性を疑わねばなりません。

 諜報員や工作員の身柄引き渡しは、いわゆる「等価交換」になりますから、外務省が中西氏の救出を試みるなら、わが国が白露に対して何かを差し出さねばならないことになります。よってわが国は、中西氏の諜報員・工作員認定を断固否定し、白露側に何を言われようとも「日本人の民間人を不当に拘束した」の一点張りで交渉することです。これは、外務省に強く釘を刺しておかねばなりません。

 もう一つ引っ掛かるのは、そもそも白露がなぜ中西氏を使ってこのようなことを仕掛けてきたのか、という点です。

 岸田文雄首相は、ウクライナ侵攻をもたらした米民主党政権に隷属し、大東亜戦争の日露講和が実現していない中、いち早く対露制裁に加わるなど安倍晋三元首相とは真逆の「露国敵視」外交を展開してきました。

 その上で、先月九日・十日にわが国企業約五十社を引き連れて中央亜訪問の日程を組んだ岸田首相でしたが、これが「私が敢えて批判した気象庁の南海トラフ地震臨時情報(注意)」によって、その対応を求められる形で中止になったのです。

 中共の世界経済侵略構想「一帯一路」を叩き潰すべく、蒙古、カザフスタン(香佐富)、ウズベキスタン(月即別)へ大訪問団を組んだわが国に対し、中露は不快感を隠さなかったでしょう。岸田首相の次期自民党総裁選挙不出馬は、その直後である十四日に表明されました。

 これが訪問計画にどこからどれだけの圧力が加わった結果か否かは、もう少し各方面に聞いて回らなければ分かりませんが、露国のウラジーミル・プーチン大統領が国際刑事裁判所(ICC)加盟国でもお構いなしに蒙古訪問を断行した背景に、岸田首相の訪問計画を受け入れていた蒙古へ「太い釘を刺しに行った」可能性を否定できないことは、ここではっきりと申し上げておきます。

 或いは、中共・共産党人民解放軍の好戦的動き(初の領空侵犯など)がさらに活発化し始めていることとも関係があるかもしれません。すべては、わが国の中途半端な、一戦交える覚悟もない外交がもたらしたものです。

 いずれにせよ中西氏の一件は、かなり疑って今後の情報に注視してください。

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