「多様性使うな」はお前だ

皇紀2684年(令和6年)3月18日

 自由民主党青年局が和歌山県支部連合会(県連)青年局とホテルアバローム紀の国(和歌山市湊通丁北)で主催した「例の懇親会」ですが、その模様が派手に外部へ漏れたのは、どうも世耕弘成前参議院幹事長(和歌山県選挙区)潰しだったようです。私が聞いたところでは、少なくとも多くの自民党議員の認識がそうでした。

 世耕氏は、県内で二階俊博元幹事長(和歌山三区)に「衆議院への鞍替え構想」を端緒に睨まれ、これについては、世耕氏の態度もよくなかったのですが、岸田文雄首相らによる陰惨な清和政策研究会(清和会潰しの標的の一人にされています。

 和歌山県連青年局長だった川畑哲哉県議会議員(離党)が世耕氏の元秘書で、懇親会終盤の例の企画も、口移しで餞別を渡したというのも、世耕氏の地元事務所付の秘書(自宅謹慎中)です。

 漏れるはずのない当日の会場動画まで報道権力へ叩き売られたことで、参議院政治倫理審査会に出席して「炎上」した世耕氏を、見事に追い落としました。さぁて、どちらさんの仕業でしょう。

 確かに、真面目な会議のあとに女性の踊りが必要だったかどうか、或いはそれを「多様性(ダイバーシティ)」と釈明したのもまずかったです。しかし、これを「多様性の誤用」と批判するなら、わが国で多様性という言葉が正しく用いられたことなど一度もなかったという問題こそ提起しなければいけません。

 「多様性」を誤用、乱用してきたのは、むしろ対日ヘイトスピーチ(憎悪差別扇動)目的の「反自民」が多い左翼・極左ではなかったでしょうか。そのせいで私たち国民の暮らしは、倫理のタガが外れ、これまでの安全を保つことすら困難になり始めています。

 その一つが昨日記事冒頭でも取り上げた暴力移民問題の発生です。これのどこが「多様性」なのか、それこそ対日ヘイト一派に答えてもらいたいところですが、どうせロクでもないので、私たち国民の力で「解決」しなければなりません。

「ちょっとクレイジーな車椅子インフルエンサー」を名乗る女性のツイートで論争勃発 イオンシネマ公式は「不適切な対応に関するお詫び」を掲載

(前略)今日は見終わった後急に支配人みたいな人が来て急に「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか。」って言われて…

(ガジェット通信|東京産業新聞社)

 さて、もう一つの「多様性誤用の顛末」がこちらになります。前提を明確にしておきますと、私たち国民一人一人が「障害者は明日のわが身」という想いで、互いを尊重し合うことが基本です。

 大切なことですからもう一度申しますよ。互いに尊重し合うことです。一方が一方に依存してはいけません。障害者に対して健常者が「してやっている」とか、健常者に対して障害者が「してくれて当たり前」といった態度を露わにし合ったのでは、分断と対立が起きるのみです。

 ところが、多様性という言葉の乱用で、障害者を「障害」と書くことさえ非難の対象にされたり、これは余談ですが「性同一性障害」を「性別不合」と表現するよう言論統制が始まりそうで、当事者の勘違いを増長させてしまいました。つまり、健常者が「してくれて当たり前」だというのです。

 私たちは、毎日の暮らしの中で、知識がなくて分からなければ「読めない本」「観られない映画」があったり、お金がなければ「行けないテーマパーク」「食べられない高級料理」があったりします。もし、怪我や病気で私も車椅子生活になれば、今までのように出歩くことが困難になるのは当たり前です。

 その身の丈を「超える」ことがよもや「権利」と称して当たり前になれば、それを主張する者の周辺の人びとが「超える手伝いを強要」されてしまいます。では、周辺の人びとはどうなるのでしょう。人権とは何かについて、それこそ障害者諸氏に今一度考えなおしてもらわねばなりません。

 障害者差別解消法の改正(令和三年)で、来月一日から合理的配慮の義務化が始まりますが、介助の専門家でもない映画館の従業員が重い車椅子を担いで階段を昇り降りするのは、極めて危険であり、配慮項目にも該当しません。

 よってこの支配人は、来月からのことが頭にあってか「今後は」のお断りを入れたのだと思います。それをいとも簡単に「弊社従業員が悪かった」としたイオンシネマを運営するイオンエンターテイメント(東京都港区台場)は、社員・従業員の安全を守りませんでした。よって、障害者の権利乱用を見逃し、彼らの安全をもないがしろにしたのです。

 互いを尊重し合い、配慮し合うわが国の姿は、こうして破壊され始めています。障害者にモノ言うのをためらう優しさから、たとえ言いにくくても言わねばならぬことは、言わねばならぬのです。

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『「多様性使うな」はお前だ』に2件のコメント

  1. 自由貿易反対:

    とはいえイオンは確信犯でやってる可能性もあるからなぁ

  2. sana:

    障碍者だからといって
    卑屈になるな、大いばりでいい、とNPOが教育しているんですよ。
    わたしの知人が、車椅子を押すボランティアをしていたそうですが、
    「わたしの車椅子を押させてやっている」
    という傲慢な考え・態度があからさまで感謝のカケラもなく、嫌気がさしてやめたそうです。
    日本では、弱者とされている人が実は一番の強者なのです。
    乙武とか伊是名をみていればよくわかります。
    金儲けが目的のボランティア(団体)なら継続できるでしょうが、普通人で、人のため社会のため自分の善意を生かしたいひとはすぐに挫折します。
    イオンは謝罪してはいけませんでした。
    誰でも、自分の力が及ぶ範囲で生きているのです。