嫌がらせは維新だったの?
第二次岸田改造内閣(九月十三日発足)の政務三役辞任は、神田憲次前副財務相(愛知五区)で三名を数え、内閣支持率がついに二割台へ突入し、年内に内閣総辞職という下り坂を順調に転がり落ちています。仕掛けたのは、もちろん財務省です。
財務省が神田氏に目をつけたのは、彼が代表を務める「有限会社エヌケイソリューション」(名古屋市中区大井町)の固定資産税滞納であり、税理士法違反と併せて週刊文春(文藝春秋社)へ情報漏洩しようとする過程で、名古屋市栄市税事務所から四度の差し押さえを受けていたことが発覚しました。
この財務省の倒閣工作に対し、岸田文雄首相の神田氏に対する事実上の更迭判断が遅れたのは、神田氏が実は同郷(大分県玖珠郡玖珠町)の衛藤征士郎元衆議院副議長(大分二区)の又従兄弟であり、且つ兄の神田信浩氏が衛藤氏の政策担当秘書、しかも両代議士が所属する清和政策研究会の秘書会長だったからです。
第二次安倍内閣の発足で衛藤氏が推し、代議士の道へ足を踏み入れた神田氏は、立憲民主党(旧民主党)の赤松広隆元衆議院議員に対して「一勝二敗」と決して選挙に強くもなく、特に実績もありませんでした。財務省にとって、引きずり降ろしやすい(わが省に不釣り合いで目障りな)対象者だったのです。
十二日記事で取り上げた日本保守党による大阪市北区の街頭演説ですが、これを妨害しようと企図し、大阪府警察に虚偽通報したのが「百田氏と相性の悪い大阪維新の会のどなたかか、或いは単純な構図として左翼・極左暴力集団の手によるもの」と推測したものの、まさか本当に維新の関係者ではないでしょうね?
そう疑わせるような軽率極まりない言動に及んだ飯田哲史元大阪市議会議員(城東区)は、前回の参議院議員選挙(比例・全国区)に出馬して落選しましたが、市議初当選の翌年に早くも事務所家賃の不適切処理をめぐる政治献金問題を起こしています。
今回の日本保守党に対する乱暴な噛みつき方は、大阪府下の「維新票」が食われる可能性への焦燥感もあるでしょうが、飯田氏の府警警備に関する無知を晒しました。道路使用許可を出した府警の政治団体街宣警備計画に、ヨドバシカメラ梅田前で「ロープを張る」というのはありえません。
飯田氏は「維新なら」と虚勢を張りましたが、政党や政治団体が仮にも警備計画(指示)を無視して公道にロープを張り巡らせば、それこそ府警から注意されるでしょう。それでも「維新ならやる」ということですか?
日本保守党が道路使用許可を申請し、下りたからこそ警備部が張りついていたわけで、飯田氏がことごとく同党をこき下ろそうと企図したのは、公党の国政選挙候補者として極めて不適切です。これだから「初当選の議員が何かやらかしたと思えばやっぱり維新」と言われるのです。
兎にも角にも、大阪府警も予想だにしなかった聴衆の集まり方が事のすべてであり、そこに「動員」を思わせる「市民団体」等の旗も何もありませんでした。左翼・極左暴力集団主催の街宣とは違います。
それでも日本保守党に関心を抱いた多くの国民を莫迦にし、どうしても誹謗中傷しようと聴衆「動員」をちらつかせた飯田氏は、阪神タイガースとオリックスバファローズの優勝記念パレード(御堂筋にて今月二十三日、またも大阪府警の心労が……)に大阪府市職員が無償出勤(ボランティア動員)させられることを吉村洋文府知事に問いただすべきです。