毎日新聞社の記者こそ異常

皇紀2673年(平成25年)7月24日

 http://mainichi.jp/select/news/20130722k0000m030018000c.html
 ▲毎日新聞:英国:日本政府「EUに残るべきだ」 “異常干渉”と報道

 毎日新聞社は参議院議員選挙投開票の前日、英国紙が「日本政府は英国の欧州連合(EU)離脱案に『異常な警告』をして『異常な干渉』をした」と報じた、と報じました。

 しかし、これはとんでもない毎日新聞社だけの誤報であり、もはやここまでくると意図的な「安倍外交」に対する印象操作です。

 と申しますのも、元の記事は英国の保守系高級紙ザ・タイムズの日曜版「ザ・サンデー・タイムズ」ですが、彼らが驚きをもってわざわざ一面で報じたのは、滅多に主張しない(積極的に自国の見解を披露することの少ない)日本政府が英政府の求めに応じ、キャメロン政権のEU離脱案に明確な反対意見を表明したことに他なりません。

  http://www.thesundaytimes.co.uk/sto/news/uk_news/National/……
 ▲The Sunday Times:Japan warns UK not to leave Europe

 私の申していることが嘘だと思われるなら、一度元の記事をお読みになってください。毎日新聞社の記者はここで出てくる「an extraordinary warning」という部分を、文脈を一切無視して、わが国の初等級英語教育の範囲を出ない「異常な警告」としか訳せないようです。

 「extraordinary」という単語には「普通ではない」という意味のほかに「異例な」という意味があり、この文脈では間違いなく本来「日本政府はこれまでに例のない警告をしてきた」と訳されます。

 しかも、わが国政府は英国がEUから離脱した場合に英国内の日本企業が不利益を被る可能性を説明したため、英国保守系は相当の驚きをもって「安倍政権が強く自己主張してきた」と捉えたはずです。

 これは外交上当たり前であり、特段「異常な」ことでは決してありません。恐らく日本破壊活動系はこの調子で中韓にも強く出るであろう安倍政権を牽制すべく、選挙の投票を前にした私たち国民に「このような態度は危険なことで、英国でも『異常』だと思われるのですよ」と刷り込みたかったのでしょう。

 毎日新聞社の記者にかなりおかしな者がいることは、これまでにも多くの指摘がなされてきましたが、英文の読めない者が英米の報道を取り上げるのはやめてください。私とて偉そうに申せる立場ではございませんが、少なくともこの記者は英語も出来なければ国語も出来ないのでしょう。

 私たちの多くが英文を国語訳した占領憲法(日本国憲法)を「憲法」として有効と思い込んでいることも極めて危ないのですが、わが国の報道にしか目を通していないと世界が全く見えない現状も危険です。

スポンサードリンク

財政再建より経済成長を

皇紀2673年(平成25年)7月23日

 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE96J01520130720……
 ▲ロイター:G20は財政健全化よりも成長を優先、「緩和解除は慎重に調整」

 第二十三回参議院議員選挙の投開票が終わり、結果は自由民主党と日本共産党が勝ちました。この書き方には獲得議席数などから違和感を覚える方もおられるでしょうが、簡単に申せば、自民党は与党として全ての野党に勝ち、共産党は野党として残り全ての野党に勝ったのです。

 安倍晋三首相はこれからの政権運営と国会対策に於いて、ますます大変なことになりました。公明党(創価学会)と組み続ける限り、少なくとも憲法の議論は何も進みません。しかも、既に役割を終えた旧日本社会党系の民主党と社会民主党とではなく、共産党と対決しなければならないほうへ向かっているのです。

 今後の選挙でもこの傾向は続くでしょう。自民党は他に組む相手を見つけられないまま、おもいっきり共産党と向き合っていくことになります

 ならば共産党は一層「保守」との対立を鮮明にすべきですし、自民党は生き残りをかけて「保守」の何たるかを真剣に考え、政策に磨きをかけねばなりませんいわゆる「売国議員」など一人も抱えているゆとりはないのです。

 しかし、私たち国民の投票にかけた意図、すなわち得体は知れないが「民意」と呼ばれるものは、あくまで経済政策が第一でした。実は最も重要な占領憲法(日本国憲法)問題や、原子力を含む資源エネルギー問題、或いは環太平洋経済連携協定(TPP)問題は、第四か第五の関心事でしかありません。

 選挙期間の後半、麻生太郎副首相兼財務相は露国の首都モスクワを訪れ、二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席しましたが、ロイターは当面「財政健全化よりも経済成長を優先する姿勢」が示されたと報じています。

 これはわが国に置き換えれば、今すぐ消費税増税をすべきではないという姿勢です。麻生財務相は増税の判断を躊躇しないとしてきましたが、わが国に増税圧力をかけてきた国際機関に対して、このような場で「もう少し放っておいて欲しい。税制改正は日本の問題。経済成長を失速させてもよいのか」と言ったのでしょうか。

 徴税の公平と公平な再分配は、全ての国家にとって悩ましい問題です。はっきり申し上げて正解がありません。全ての国民に公平な税負担をお願いするなら、やはり消費税増税しかなく、いや、富裕層から多く徴収すればよいのだとしても、例えば現状で年収六百万円の国民の手元には二百八十万円程度しか残らないのです。

 低所得者には「二百万円も手元に残るならいいじゃないか」との声もありますが、懸命にはたらいた高所得者はこれ以上の累進課税に耐えられません。株式売却益(キャピタル・ゲイン)課税の税率の引き上げも来年から始まりますが、これは賭博益のようなものだからよいにしても、そもそも年金の制度設計が私たち国民の平均寿命を六十五歳から七十歳としていたため破綻しかかっており、全ての国民が所得に関わらず受けられる行政サービスは同一、同質である以上、間接税の税率を上げるしかないように思えます。

 法人税にしても、海外に進出する企業の安全保障がなく、知的財産権などの保護や申請の手助けも一切してくれない占領憲法国家に、本来ならば全ての企業は一円たりとも収めたくないでしょう。

 自民党は既にこのような問題に直面しており、共産党は必ず攻めてきます。だからこそ、本日は敢えて容易に結論が出せない問題を列挙しました。何度でも申しますが、国会議員は「法と予算」が職務内容の全てです。

 これがまるで分かっていない人物に議員バッヂを与えても何の役にも立ちません。ですから岡崎トミ子氏のような政治家が落選したのは大変結構ですが、少なくとも共産党は「法と予算」の問題で真剣に刃向かってきます。先述の通り俗に言う「正解」などないのですから、安倍政権はどこまで私たちに説明をして政策を実行するかにかかっているのです。

パチンコ屋に訴えられた市

皇紀2673年(平成25年)7月22日

 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013071900913
 ▲時事通信:パチンコ出店阻止は違法=国分寺市に3億円賠償命令-東京地裁

 静岡県のパチンコ店経営会社「浜友観光」(浜松市)などが東京都国分寺市に対し、JR国分寺駅前へのパチンコ店出店を阻止するため、隣接地に市立図書館分館を設置したのは違法として、約十四億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が十九日、東京地方裁判所であり、志田原信三裁判長は「社会的相当性を逸脱する行為で違法」として、同市に約三億三千四百万円の支払いを命じました。

 国分寺市が目指したのは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)を活用して駅周辺の環境を可能な限り改善することであり、市議会が七年前に分館設置のための条例改正案を可決、市が顧問弁護士らと相談し、法的に問題のない措置と考えていたことです。

 ところが、東京地裁の志田原裁判長はこれを違法と判断しました。それは、もともとパチンコ店の出店が法的に可能だった地域を、あとから市が不可能な地域に指定することでこれを妨害し、営業上の権利を侵害したという理由です。

 昭和五十三年五月二十六日の最高裁判所判例に、山形県余目町(現・庄内町)が個室付浴場の開業を阻止すべく児童遊園の設置を申請し、県知事が認可したことは「営業の自由を含む職業選択の自由ないしは私有財産権を侵害するものであり、行政権の著しい濫用によるものとして違法」(山形地裁二審判決を支持して上告棄却)というのがあります。

 今回もこの最高裁判例を下敷きに、あくまで市が意図的に営業を妨害したか否かが問われました。パチンコにまつわる家族的、国家的諸問題の解決を求める私たち国民から見て、たとえ腑に落ちない判決でも仕方がありません。

 特に地方都市の治安維持なども視野に入れた健全な街づくりとは、主要駅周辺に公的施設を設置することで市民生活の利便性を向上させ、住宅街の環境を保全し、同時に不健全と判断される民業の侵入をあらかじめ阻止することですが、ここで必ず問題になるのが「不健全の評価」です。

 パチンコ(いわゆる「三点方式」)への賭博罪の適用が事実上免除されているような現状では、やはり正当な営業の権利を主張されてしまいますが、少なくとも風営法や各自治体による規制条例の適用対象業であることをもって、パチンコ店は「不健全」なものの一つと申せます。

 国分寺市民の皆様にお願いしたいのは、街の環境を守ろうとした市の行いに約三億円もの賠償が命じられたわけで、これが司法の判断であることを前提としても、市が目指したことを支持して立ち上がってください

米軍が韓国側に「NO」

皇紀2673年(平成25年)7月21日

 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/19/……
 ▲朝鮮日報:統制権 米軍統合参謀議長「移管は予定通りに」

 十六日記事で取り上げたように、二年後の十二月に米韓連合軍司令部が韓国軍主体に改組(事実上の解体)することで本年六月一日、米韓両政府は合意していましたが、そもそも盧武鉉元大統領が言い出して始まったこの構想に、韓国政府は今頃になって何とかして米軍を韓国に置いたままにしようと別の要求を次次にし始めています

 米韓の軍事同盟に穴が開けば「日韓戦争」を起こそうという虚妄の類いを書き立てる韓国人がいれば、一方で国防部は戦時作戦統制権の韓国軍移管を先延ばしにしようと米国側に提案していましたが、マーチン・デンプシー統合参謀本部議長は十八日、連邦議会の上院軍事委員会の公聴会で「予定通り進める」と語りました。

 かねてより「在韓米軍の撤退行程は予定通りだ」と申してきた私に対し、日韓の歴史問題などで安倍晋三首相を牽制するような米政府に「実はそのつもりがないのでは」といったご疑問を複数の方から頂戴していましたが、決してそうではありません。米軍はもはや朝鮮半島に対して著しく興味を失っています

 北朝鮮の金正恩第一書記の体制に不満のある中共がいわば「再傀儡化」を模索している件でも、米国は中共に騙されるつもりではなく、北朝鮮の管理を中共に任せ、中共に擦り寄る韓国を見逃し、朝鮮半島の全てが事実上中共のものになっても太平洋防衛に影響がない、或いは予算規模の縮小からそこまで手が回らないのでいっそ潔く諦める、人民解放軍や中共の体制そのものにも必ず限界がくる、という方針に落ち着いているのかもしれません。

 だからこそ米政府は安倍首相に対し、当面の金正恩体制と日本国民拉致事件の解決を話し合わないよう要請してきたと見るべきです。現に飯島勲内閣参与の訪朝で進みかけた日朝交渉が頓挫しています。

 朝鮮日報は、韓国軍の資金面に問題があると指摘したデンプシー統参議長の答弁書に「この部分は、韓国側の要求によって統制権の移管時期を調整できる余地を残したもの、と解釈されている」と書いていますが、とんだ勘違いでしょう。

 これは韓国経済そのものが危機的で、財政破綻寸前であることの懸念を背景にしたもので、目下行なわれている在韓米軍駐留経費負担(思いやり予算)交渉でも、韓国は米政府の信用をほとんど得られていません。

 よって、一時は米軍から上がったとされる「連合戦区司令部」の創設案(司令官を韓国軍大将、副司令官を米軍大将とする異例の案)も、連合軍司令部や統制権の行方に関わらず、実現はないものと考えられます。

 私たちは、いよいよ占領憲法(日本国憲法)を「憲法」としてきた占領統治体制の保守では太平洋防衛が極めて困難になるということを思い知らなければなりません。

 石原慎太郎東京都知事(当時)が米ヘリテージ財団のような「ゴリゴリの米保守派」の組織が主催する場で、沖縄県石垣市尖閣諸島の購入とともに占領憲法の無効を口に出来たのは、まさしく日米関係の今後決定的、且つ現実的な変化、または求められるわが国の能動的な変化の前触れに違いないのです。

あとがない国どうしの対話

皇紀2673年(平成25年)7月20日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130719/chn130719……
 ▲産經新聞:【田村秀男の国際政治経済学入門】 米中戦略対話で見えた中国の“危機”
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130719/amr130719……
 ▲産經新聞:【デトロイト破産】 「偉大な都市が…」企業も人も去り ゴーストタウン化
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130718-OYT……
 ▲讀賣新聞:日本に「再交渉、蒸し返し認めぬ」…TPPで米

 自動車産業を象徴する大都市として知られてきた米中西部ミシガン州のデトロイト市が十八日、連邦破産法第九条の適用を申請し、財政破綻しました。負債総額は百八十億ドル(約一兆八千億円)で、史上最大規模です。

 こう聞きますと、私なんぞはつい映画『ロボコップ』を思い出してしまいますが、破綻した自治体を巨大企業体「オムニ社」が事実上乗っ取ってしまうというのが物語の基本でした。

 もう何年も前から申してまいりましたように、製造業でわが国に勝てなくなった米国がこれを諦め、金融賭博で経済をまわし始めた結果、これも破綻して(いわゆる「リーマン・ショック」)、雇用を守るためにやはり製造業への回帰を宣言したオバマ政権でしたが、慢性化した産業都市の荒廃はもはや致命的だったのです。

 これに先立って首都ワシントンD.C.で開かれた米中戦略・経済対話は、究極的に伸びしろを失った中共が米国に尊大な態度をとり、ゆとりのない米国は必死にこれを突っぱねて終わりました。産經新聞社が指摘するほど、危機的なのは中共だけではありません。

 とはいえ、中共が或る案件を巡って尊大な態度をとる時は必ず彼らにとって「あとがない」せいであり、田村秀男氏の解説を要約しますと、米連邦準備制度理事会(FRB)に量的緩和を縮小されれば実のところドル依存の人民元札が刷れなくなって、市中の銀行による融資が止まり、国策経済の一切が機能停止します。

 わが国に対し、沖縄県石垣市尖閣諸島の問題で異常な態度をとり続けるのも、資源の確保に於いて「あとがない」中共の焦燥感が露わになっているだけであり、米国はこれらを知っていますから、中共が米国債を大量に引き受けていても、いえ、そうだからこそ彼らの脅迫には屈しません。

 しかし、米国にもゆとりがありませんから、自国や欧州もやり続けてきた金融緩和策を安倍政権になってやっと日本がやり始めた途端、これをやらせないよう、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の中でわが国に突きつけようという稚拙な思惑が連邦議会内に発生しています。

 これはデトロイト市の財政破綻と無関係ではありません。わが国政府は、このような各国経済の情勢と思惑をよく読み取って、TPPへの参加の判断を慎重にすべきです。それは私が反対派だから申すのではなく、中共を意識してTPPに参加すればかえって守るべき日米関係が悪化していく可能性にまで考えが至っているか否か、ということに尽きます。

 小泉政権下でわが国の地方都市もかなり疲弊してしまいましたが、それでもわが国ほど資源、食糧、製造業のいずれに於いても多くの伸びしろを未だ有している国家は他にありません。少なくとも欧米諸国はそうと知っているのに、知らずに怯えるがごとく暮らしている私たちは、安倍晋三首相が取り戻そうとしている日本の姿を(ともすれば首相自身も)全く想像出来ていないのです。

 占領憲法(日本国憲法)こそが自分たちの「憲法」だと思い込んできたのですから無理もありませんが、そのような偽りの保守体制からの脱却こそ、安倍首相が目指す「戦後レジームからの脱却」である、と私たちが容易に想像出来て初めて政治が変わるのです。