安倍長期政権の不安材料

皇紀2675年(平成27年)6月2日

 http://www.sankei.com/politics/news/150601/plt150601……
 ▲産經新聞:町村信孝前衆院議長が死去

 四月十八日記事で「町村信孝衆議院議長が(検査入院という報道になっていますが)倒れた」と申しましたが、この時既に「完全に倒れた」と聞いていましたので、かなり危なかったのです。

 清和政策研究会の会長を務め首相を目指したこともありましたが、聞けば聞くほど人望のない方だったそうで、それでも三権の長に就けたのですからよかったほうでしょう。義務教育の学習指導要領がおかしくなった時の文部科学相でしたが、頼もしい発言もありました。まずはお悔やみを申し上げます。

 なお、町村前衆院議長の地盤(北海道五区)は、娘婿か元秘書の花崎勝北海道議会議員が引き継ぐだろうという見方が有力です。

 ところで昨年、或る方たちとの会話で「なぜ安倍晋三首相は公邸に引っ越さないのか」と尋ねられ、「幽霊が出るから」なんぞという噂話があることを聞かされましたが、はっきり申し上げて大腸以外にも体調が優れないからにほかなりません。

 安倍首相は東京都渋谷区富ヶ谷の私邸で治療を続けている状態で、世界各国の首脳がようやくわが国の政権安定を歓迎している(三月十日記事三月十四日記事参照)のは確かなのですが、いつ大平正芳元首相や小渕恵三元首相のようなことになるかも分からないのです。

 先日の衆院予算委員会で、とうとうと自説を述べ続けた辻元清美代議士(民主党)にイライラして「早く質問しろよ」と声を荒げ、これに抗議しようと委員長席に駆け入った長妻昭代議士(同)のほうを不快そうににらみつけた安倍首相は、間違いなく体調がよくありません。彼らの態度に対して(心中お察し申し上げますが)一国の首相が落ち着きを失いすぎです。

 中共のように安倍内閣の倒閣を狙う勢力は人の不幸を利用しますから、安倍首相には気をつけていただきたいと思います。

 さて、もう一つ残念な訃報が入りました。映画『ゴジラの逆襲』や『モスラ』の主演、テレビ番組『クイズグランプリ』の司会などで知られた小泉博さんが五月三十一日未明、亡くなられました。

 小泉さんは、明治から昭和初期に於いて「政界の策士」とうたわれた小泉策太郎代議士(旧静岡二区)のご子息で、NHKアナウンサーを経て東宝映画の看板スターになった方です。日本俳優連合(西田敏行理事長)でのまるで行政官のような仕事ぶりも有名でした。衷心よりお悔やみを申し上げます。

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立命大教授らが基地に侵入

皇紀2675年(平成27年)6月1日

 http://www.sankei.com/west/news/150531/wst150531……
 ▲産經新聞:立命大教授ら米軍レーダー基地に無断侵入 「平和学習」の一環で周辺見学中…米軍側通報 京都府警が任意聴取

 立命館大学だったから通報されたということもないでしょうが、在日米軍経ケ岬通信所には陸軍が配備されていて助かったようなものの、海兵隊員にでも不法侵入を見つかったら射殺されていたかもしれません。よい子は絶対に真似しないでください。

 なぜわが国に外国の基地があるのかという問題はさておき、「厳しく立ち入りを制限されていなかった」からといってよその敷地に勝手に入ってはいけないことぐらい「平和学習」以前に学習しておきましょう。明らかにこの教授と十三人の学生は基地を目指していたのですから、知らなかったでは済みません。

 在外米軍の問題では、五月二十七日に米メディアが報じて発覚したのが在韓米軍基地への生きた炭疽菌の誤送付です。恐らく送付自体任務だったと思いますが、これほどの危険物を米軍がいつでも持ち込めるのは韓国だけであり、他に大規模展開している日本と独国にはそもそも持ち込めません。

 事態発覚を受け韓国では、在韓米軍地位協定(SOFA)の見直し要求が高まっています。ミサイル防衛用早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」を配備した経ケ岬でも反対活動があり、海兵隊オスプレイの配備や普天間飛行場移設問題、或いは新左翼の法政大学文化連盟所属の学生たちが沖縄大学に侵入して「平和の声を」などと叫び散らし、沖大生に「うるさい。帰れ」と言われてしまうような活動もありました。

 もちろん沖大側にも学生自治会復活会主催の左翼活動があり、しかし多くの学生たちが「帰れ」と叫んだのです。これは立命大でも同様で、決して学生の全員が左翼教育に感化されてしまうわけではありません。左翼主導の学生運動で死人まで出し世間が引いてしまって以来、ほとんどの学生は政治に関心を持たないのです。

 立命大政策科学部で報道されている条件に該当する方を申せば、コリア研究センター副センター長のM.K教授が真っ先に思い浮かびましたが、まさかそれほど高名な先生が無知な行為に及び、教え子まで巻き添えにしたとは考えられません。

 それでもわが国の大学のほとんどが「左翼の隠れ家」になってしまったのは、大東亜戦争以前から帝国大学でマルクス研究を許してもバーク研究を「特に必要なしとした保守の余裕」の間違いに起因します。ですからこのような運動は、極左が表面化しているだけの京都大学のみならず全国全ての大学で起こりうるのです。

【追記】
 炭疽菌の送付はやはり任務の範囲内であり、米国内基地間でも送付の実態がありました。なお、国防総省の調査で、日独の各在外米軍基地にも送付した可能性がでてきたとのことです。もし事実であれば米韓間とは違い、協定違反になります。「生きた炭疽菌ではなかった」という言い訳は駄目です。

これぞ「いくくる漫才」

皇紀2675年(平成27年)5月31日

nagoyaeki2705

 久しぶりの名古屋市です。おのれ体が壊れているのにウロウロするなよ、と思われたかもしれませんが、重要な隠密の打ち合わせがございまして、愛知県の誰にも会わず、用事が終わったと一息つけばグラグラと地震。

 皆さん、大丈夫でしたか?

 ところで、伊丹十三監督の映画『静かな生活』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、戯曲『The Winds Of God』の作者として知られた今井雅之さんの早すぎる死に加え、大いに私たちを愕然とさせたのは、上方漫才師の今いくよさんの訃報です。

 本日は野暮な話なんぞ抜きにしましょう。まさに昇り調子のころの、もうキレっキレの「いくくる漫才」をご覧ください。数ある動画の中で、改めて私はこれが一番面白かったです。

 https://www.youtube.com/watch?v=HSU-WruInSk
 ▲YOUTUBE:今いくよ・くるよ(1980年)

 凛として美しく立て板に水の如しのいくよさん。愛嬌たっぷりに「ゴキゲンな音」を鳴らしてみせるくるよさん。フジテレビ系列で昭和五十五年放送の『花王名人劇場』ですね。背景のセットが懐かしいです。

 大笑いの内に送って差し上げるのが、これまで私たちを大いに楽しませてくれた本物の芸人さんへの最も心のこもったお悔やみではないでしょうか。

中韓もう日本人を騙せない

皇紀2675年(平成27年)5月30日

 鹿児島県口永良部島の新岳が二十九日午前十時過ぎ、マグマに起因する爆発的噴火を起こしました。屋久島への全島避難で死者が出なかったのは本当に良かったですが、島民の皆さんに心よりお見舞い申し上げます。

 http://www.sankei.com/world/news/150529/wor150529……
 ▲産經新聞:「韓国は民主主義」と答えた日本人わずか14% 前ソウル支局長問題影響か 日韓世論調査

 期せずして昨日記事の続きになりますが、わが国側の民間非営利団体「言論NPO」(工藤泰志代表)による世論調査で、韓国を「民主主義」と考える人の割合がたったの14%に過ぎないと出た結果を、私は意外だと感じました。内閣府の信頼性の高い調査でも似たような数値が出るでしょう。

 平成十四年の「2002 FIFAワールドカップ」が一つのきっかけとなり、日韓対立が新局面を迎えてから十三年。私たち多くの国民が本当に韓国の異様な正体を知り始めた残念な結果です。

 それまでは、例えば汝矣島(ヨイド)の六十三階建て高層ビルや明洞(ミョンドン)の繁華街を見て韓国が「遅れた国」だとは思いませんでしたし、日米韓で連携して北朝鮮と対峙している限り、民意の反映がある立法・行政と公正な司法制度を共通の価値観として「なんとなく」有しているものと考えてきました。

 ところが、これらもすべてわが国の政官が無理を通して国民に道理を隠していたためであり、私たちはすっかり「なんとなく」騙されていたのです。そう、なんとなく騙されていたようなものは、暴いてやろうという気力がそもそもないため、嘘だったと気づくのに大抵時間がかかります。

 その間にも、韓国側のシンクタンク「東アジア研究院」(李淑鍾院長)による世論調査では、なぜか日本を「軍事的脅威」とみなす人が58%にも及ぶという日米韓の連携を根底から否定するような結果が出てしまいました。

 この傾向は以前から指摘してきましたが、韓国が中共に寄っていけばいくほど日米韓関係が破綻し始めたことの証左であり、日米ともにただただ「日韓友好」の無理を通して原因(韓国政府と市民団体の「反日」激烈化)の排除をやらなかった顛末です。

 私たちが韓国を「遅れた国」だったと感づいたのは、親日を罪とするような法整備のほか、連合国(俗称=国際連合)の事務総長に韓国人が選ばれた時だったでしょう。島根県隠岐郡隠岐の島町竹島に大統領が不法上陸し、天皇陛下の御存在を取り上げて暴言を吐いたことも、産經新聞社の加藤達也前ソウル支局長の一件にしても、いよいよ外務省が韓国の認識に関する従来文言の削除をもって私たちに無理を通し続けるのをやめたため(三月二十八日記事参照)、欧米各国に向かって「中韓という問題」を説明できるようになりました。

 それで一体韓国に何の得があるのでしょう。昨年十一月五日記事でご報告申しあげた「対日ヘイトスピーチ」の問題も、法務省人権擁護局が先走ってわが国側の問題を指弾する前に、もう多くの国民にばれてしまっているのです。

FIFA汚職、日韓の疑惑

皇紀2675年(平成27年)5月29日

 http://www.sankei.com/world/news/150528/wor150528……
 ▲産經新聞:【FIFA汚職】米捜査実行の背景は…米金融機関など多用、協力者確保が決め手 プーチンは反発

 いかがでしょう。皆さん、こうは思いませんでしたか。平成十四年の「2002 FIFAワールドカップ」が日韓共催にされてしまった経緯に於いて、韓国と国際サッカー連盟(FIFA)が絡む不正はなかったか、と。

 大会招致の詳細は既に語り尽された通りで、わが国での開催がほぼ決まっていたところに異様な韓国の追い上げ(?)があって、日韓共催ということになった挙げ句に「2002 FIFA World Cup Japan/Korea」の正式名称が「Korea/Japan」に書き換えられるという荒業まで通用してしまいました。

 この背景には、当時の大韓サッカー協会会長だった鄭夢準現代重工業顧問(韓国国会議員)が現代財閥を挙げた招致活動(日本単独開催妨害工作)をやりまくったことがあります。巨額のカネが動かなかったはずなどありません。

 わが国側に不正がなかったというのは、きっとそうでしょう。招致委員会の実行委員長だった岡野俊一郎氏(元選手)にFIFAが知らせてきた時には、もはや「韓国に押されてどうしようもない。共催を承知してくれないと韓国単独開催になる」というものでした。

 そこで出てくるのが「日本の政治家」です。招致議連の会長をしていた宮澤喜一元首相が「日韓共催は政治的にもよい選択」というような意味の言葉を発し、あっさり屈してしまいました。二十七日記事で申しましたが、この件もまた無理を通して国民に道理を隠した典型例だったのです。

 しかし、騙されていた私たちは「日韓友好の新局面」を信じて韓国チームも応援しました。その結果として私の記憶にもはっきり残っているのは、韓国国民のほとんどが日本チームなど応援せず、赤いユニフォームを着て日本敗退を喜び自国チームのことだけで歓喜していた姿です。

 国会議員や官僚、報道記者がいくら隠しても、あれほどあからさまに正体がさらされると誰もが気づきます。私たちは職場でも「韓国ってあんなん?」と言い始め、思い返せば「日韓対立の新局面」にしかならなかったことを思い知るのです。

 あれからもう十三年ですか。日韓・日中を語る時、私たちはまだ全く正直ではありません。