神宮から広島へ…いよいよ

皇紀2676年(平成28年)5月27日

 http://www.sankei.com/politics/news/160527/plt160527……
 ▲産經新聞:G7首脳が伊勢神宮訪問を称賛「素晴らしい経験をした」「悠久の歴史に感動」

 安倍晋三首相が三重県知事にわざわざ手を挙げさせてまで先進主要七か国首脳会談(サミット)開催地を伊勢志摩とした意義は、まさしく神宮参拝にあったわけです。天候に不安があったものの、内宮での全首脳集合写真を天照大神の指す日の光の下で行えたことは、それだけでほぼサミットが成功したと申して過言ではありません。

 神社(Shrine)の性質をよく知れば、もう二度と「戦争神社(War shrine)」などと靖國神社を呼称する間違いを繰り返さぬことです。

 大きな地震に見舞われた熊本県上益城郡益城町で二十六日、倒壊した住宅の壁や神社に「売国皇室によるテロ地震」などと落書きして回った八代市在住の四十七歳極左活動家(反日テロリスト)が現行犯逮捕されましたが、この種の「陰謀論」に簡単に洗脳されてしまうところに、占領統治後日本人の無知と無思考、無気力を見ます。これでは「戦争神社」の間違いを笑えません。

 目下警察は、サミット対応に全力を挙げていますが、妨害者の伊勢志摩や広島への侵入を防ぐべく事前に手を打った例もあるようです。政府内にも正直、本日の広島市内の様子を心配する声があり、わが国らしい友好国・同盟国首脳の迎え方ができるよう強く願います。

 http://www.asahi.com/articles/ASJ5R3T1VJ5RULZU00Q.html
 ▲朝日新聞:オバマ氏に謝罪求めぬ日本、塩野七生さんは「大変良い」

 その上で、この朝日新聞社の刀祢館正明編集委員の記事をお読みください。朝日は、作家の塩野七生さんが「謝罪を求めない日本はだらしがない」とでも叱責するものと思ったのでしょうが、当てが外れたとはこのことです。

 私も米国のバラク・オバマ大統領に「謝罪」を要求する必要はなく、核兵器使用の正当化をやめるように(=未来の不使用)だけ求めて一部読者から「いや、謝罪を要求する。謝罪しないなら来るな」とのご意見を頂戴しましたが、塩野さんが「アジアの二つの強国のトップ」と皮肉った中韓のような態度をとることは、とても賛成できません。このご意見は、まるで韓国の李明博前大統領が畏れ多くも天皇陛下に放った雑言に同じです。

 朝日という「極左機関紙」は、オバマ大統領の謝罪を煽ってわが国の中韓への謝罪を強要するつもりなのでしょうが、そうはいきません。日米で歴史観が当然違うことや、原子爆弾投下による民間人虐殺と生体実験という腹立たしさは、現為政者に詫びさせることとは別の議論とすべきではないでしょうか。

 神宮の静けさから受けるとてつもない空気こそわが国特有のものであり、賛否はあるでしょうが、米大統領のわが国の迎え方を全世界が見て思い知ればよい、と私は思います。

スポンサードリンク

G7の値打ちを正しく認識

皇紀2676年(平成28年)5月26日

 http://www.sankei.com/west/news/160525/wst160525……
 ▲産經新聞:【伊勢志摩サミット】日米首脳会談 沖縄事件でオバマ氏に強い抗議と再発防止要請 地位協定在り方にも言及 広島訪問で核なき世界確認一致

 法人理事長だけでない私は職務上、先進主要七か国首脳会談(G7伊勢志摩サミット)対応を求められており、特に西日本一円で同様の思いをされている方もおられるのではないでしょうか。無事に成功するよう皆が少なからず協力しています。

 しかしながら伊勢志摩サミット拡大会合(名古屋市)にさえ招待されなかった中共共産党は、国営新華社通信に「主要新興国が参加していない時代遅れの金持ちクラブ」と書かせて怨念を露わにしました。

 拡大会合に招かれているのは、東南亜諸国連合(ASEAN)議長国のラオスやインドネシア、ヴェト・ナム、バングラデシュ、スリランカ、パプア・ニューギニア、阿大陸連合(AU)議長国のチャドの計七か国で、さらに連合国(俗称=国際連合)や経済協力開発機構(OECD)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、亜州開発銀行の幹部らも出席します。

 当初一部報道で、韓国の朴槿恵大統領を招待するとの話も出ましたが、わが国政府が日程調整を断念したというより最初から「その気はない」と聞いていましたので、ここでは一切取り上げませんでした。何のつもりでそのような情報が流されたのか(外務省の先走りか)は分かりません。

 中共の世界経済に与える良かれ悪しかれいずれにせよ影響を否定する人はいないでしょうが、共産党独裁の社会主義国家は、決して主要国には入れません。

 新華社に前出の呪い文句を書かせるならば、「国際連合(俗称)常任理事国という時代遅れの戦勝国気取り(戦後新興国の中共は、戦勝国ではない)サロン」の存在こそ大問題です。G7の値打ちは、連合国と意思決定が全く違う枠組みであることなのです。

 最後にもう一つつけ加えるならば、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、日本經濟新聞社の取材に対し、南米ヴェネズエラの高速鉄道計画も放棄状態にある中共に自国の鉄道敷設を任せた後悔が早くもにじみ出るかの如く、わが国との関係修復に意欲を示しました。

 中共共産党は、他国を呪っている場合ではないでしょう。

日本を再び「高い国」へ!

皇紀2676年(平成28年)5月25日

 トルコ(土国)の新首相が二十四日、決まりました。経緯は八日記事で申した通り、やはり自身の権力拡大を目論むレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の側近であるビナリ・ユルドゥルム運輸海事通信相が与党・正義発展党(AK党)党首になり、新首相に任命されました。

 日土関係は従前通り、歴史的友好を保ったままでよいのですが、彼らが何かやらかす度にわが国の態度の示し方が難しくなっていくことが予想されます。それほど土国の動向が世界に与える影響は、騒がしさとともに拡大するでしょう。

 友好関係との切り離し方をうまくしないと、必ずわが国も面倒なことになります。

 http://news.mynavi.jp/news/2016/05/23/339/
 ▲マイナビニュース:実質賃金、5年連続マイナス – 物価上昇に追いつけず
 http://www.sankei.com/economy/news/160524/ecn160524……
 ▲産經新聞:2015年末の対外純資産は339兆円 5年ぶり減少も世界最大

 さて、いよいよ明日から主要七か国首脳会談(G7伊勢志摩サミット)が始まりますが、今回ほど私たちの暮らしに直結するような問題を安倍晋三首相が提起しようとしていることもないにもかかわらず報道各社は、その脇にある「警備の方法」や「警備に対する市民の反応」ばかりを取り上げています。

 むろん各地から応援要員をかき集めて対応する警察をはじめ、最高レヴェルの警備に当たられる全ての方がたに敬意を表し、国民の一人として協力するつもりですが、議長国のわが国が世界一の債権国という優位を維持しながらデフレーション(給与・物価下落)から今なお脱却できないでいる現実を、私たち自身が正しく認識できているでしょうか。

 債権と債務の違いも説明できない自称・経済評論家が情報番組などで出鱈目なことを言うものですから、日本国民の「人件費」としての値打ちまで下がり始め、もう決してわが国が世界の中で「高い国」ではなくなっているのです。

 あれよあれよという間に、韓国よりも最低賃金が低い(OECD調べ)有り様で、それはすなわちいわゆる「失われた二十年」のうちに経済が弱くなったということに他なりません。安倍首相がやろうとしていることは、これを取り返すための財政出動であり、サミットの主題の一つです。

 しかし、英独仏伊がわが国の要請に応えられないでしょうから、欧州経済が弱めに転じるのを回避できず、良い成果は得られないでしょう。だからこそわが国は、露国との連携という講和発効後の計画から逃げてはならず、要点は安倍首相の対露経済協力実施のタイミングに移っています。

 日露平和条約締結による領土問題解決を棚上げにして経済協力を前倒しすることはありえず、首相が判断を誤らないよう私たちが注視しなくてはなりません。

総務会長転落で参院選は?

皇紀2676年(平成28年)5月24日

 十一日記事で指摘した墺国(オーストリア)大統領選挙の決選投票は二十三日、即日開票で得票率が拮抗したため郵送票集計までもつれこんだ結果、難民・移民政策に反対している自由党のノルベルト・ホーファー国民議会(下院)第三議長が落選しました。

 ……と申してしまって大丈夫でしょうか。実はまだ分からない(日本時間二十三日午後十一時ごろ)のですが、現地最新情報で「アレキサンダー・バン・デ・ベレン候補が逃げ切る」というので、極右政権誕生の欧州連合(EU)危機をぎりぎり回避したと申しておきます。

 仮にホーファー大統領になっていたならば、まさに独国のアンゲラ・メルケル首相が放った矢によってEUが目に見えて瓦解を始めるところでした。しかしながら難民・移民受け入れの許容を超えた無理を通すと、国民の道理が急進的に突出するのです。

 よってこれほど自由党が僅差にまで食い込んだということは、まだEU瓦解の危機は去っていないと考えるべきでしょう。露国の工作が続きます。

 http://www.sankei.com/west/news/160522/wst160522……
 ▲産經新聞:二階俊博総務会長の長男、御坊市長選で落選、絶大権勢に影響か

 さて、ここでは申しませんでしたが、自民党の二階俊博総務会長の長男である俊樹氏は、父親の政策秘書を務めているころから既に評判が悪く、会長自身が衆議院和歌山三区の後継者にはとてもなれないと判断して御坊市長にでも据えるしかないと謀ったほどでした。

 私に応援の意思が少しでもあれば先にここで申したのですが、周囲からの問い合わせに「ほぼ間違いなく落選する。それほど地元でも本人が莫迦とバレている」と答える程度で、危機意識を拡大共有して当選を目指す意図などさらさらなかったのです。

 そして、事前予測通り現職の柏木征夫候補が再選されたのですが、柏木氏もまた、二階会長にかつて政界に誘われ市長になった人物で、氏にしてみれば会長に裏切られた選挙でした。このようなことを地元のみならず和歌山市(和歌山一区)などでも繰り返してきたからには、いよいよ本人が当選できなくなるでしょう。

 ということは、やはりこういうことになる(動画)と思います。党総務会長が転落した与党は、とても強気には出られません。

 二階会長は、定員を集めるにも苦労した訪中時に親書を預かるという恩を受けた安倍晋三首相にますます頭が上がらなくなり、衆参同日選だけは「勘弁してください」と頭を下げることになるでしょう。

米国と独国、実は深刻な…

皇紀2676年(平成28年)5月23日

 わが国では、それほど大きな問題と受け止められていないことが実は、大変なことになっているという典型例が本日申し上げる二つの事件です。

 http://www.sankei.com/world/news/160506/wor160506……
 ▲産經新聞:クリントン氏の事情聴取へ 「アキレス腱」のメール問題でFBI 側近ら関係者すでに聴取

 まず、民主党のヒラリー・クリントン元国務長官が起こしたいわゆる「私的メール流用問題」。彼女個人のメールアカウントを公務で使ったことの何が大問題かと申しますと、送信した相手とその内容です。

 つまりクリントン女史が、国務長官時代に外交機密を漏らしてはならない相手に垂れ流したらしいことが判明しています。次期大統領候補として指名確実とされながも苦戦が際立っている原因は、これに他なりません。

 もし彼女が共和党候補と本選を争うことになれば、間違いなく米国民は、その間ずっと外交機密を他国に漏らしたという国家的犯罪の実態を聞かされ続けることになります。米司法当局の動きにも注目です。

 だからこそ悪夢と言われる「ドナルド・トランプ大統領」の可能性に向けて各国が動き始めた(日本も……三月三日記事参照)と申してよいでしょう。米国は、今しばらく史上初女性大統領の誕生を祝うことができないかもしれません。

 http://www.afpbb.com/articles/-/3075331
 ▲AFP:13歳少女、移民による「レイプ」被害は事実無根 独当局

 そしてもっと深刻なのが、独国内で起きた難民絡みの犯罪を巡る独国と露国の対立です。昨年末から独西部ノルトライン=ヴェストファーレン州ケルンなどで発生した中東・北阿からの難民たちによる集団強姦事件をベースに、露国系独国人の女生徒が難民に強姦されたと虚言を弄した事件は、実のところ現在に至るまで独露関係をこじらせています。

 独国のアンゲラ・メルケル首相は、長らく露国のウラジーミル・プーチン大統領を慕っていると言われてきましたが、難民対応でしくじった独国の失点を捉えて露国が欧州政治・経済の主導権を握ろうとしているようです。

 安倍晋三首相の財政出動要請にも首を縦に振れなかったメルケル首相は、十一日記事で申した欧州政治の大混乱を招いて全く余裕を失っており、環境先進国と言われた独国主導の欧州連合(EU)がまさかの「パリ協定」批准も困難な事態に堕ちています。

 このままでは、英国がEU脱退に踏み切る国民的判断を回避できないかもしれず、露国がそうなるよう工作していてもおかしくありません。少なくとももはや独国主導の地位が揺らいでいるのは確かで、日本政府はそれを念頭に首脳会議を済ませ、日露講和交渉にあたるべし。