ケナタッチと中国の勘違い

皇紀2677年(平成29年)5月28日

国連事務総長が慰安婦の日韓合意に「賛意」「歓迎」 テロ等準備罪法案批判「国連の総意ではない」 安倍晋三首相との会談で

【タオルミナ(イタリア南部シチリア島)=杉本康士】安倍晋三首相は27日午前(日本時間27日夜)、タオルミナ市内で国連のグテレス事務総長と会談し、慰安婦問題に関す…

(産経ニュース)

 G7主要国首脳会議(サミット)が開かれた伊シチリア特別自治州メッシーナ県タオルミーナといえば、リュック・ベッソン監督の映画『グラン・ブルー』の舞台であり、毎年六月に国際映画祭が開催される街です。

 そのタオルミーナ国際映画祭で、かつてグランプリを受賞したのが大阪芸術大学映像学科の卒業制作映画『鬼畜大宴会』(熊切和嘉監督)であり、本作は、極左暴力集団の内部崩壊(内ゲバ)に於ける目を覆いたくなるような惨劇を描いています。

 今回のG7は、欧米間の溝をわが国の安倍晋三首相が埋めるという役割を演じ、一定の存在感を見せつけたと申せば大げさ(産經新聞社が讃えるほどではない)かもしれませんが、少なくとも安倍首相は、現行憲法(占領憲法)で交戦権(外交権)がないことを多くの国民に気づかれないよう立ち回るのが非常にうまいのは確かです。そのような首相は、占領統治以降歴代で何人かいました。

 つまり、私たちの首相が世界的影響力の強い平和的指導者として位置づけられることがないのは、G7唯一の黄色人種であることに対する欧米の差別意識が下敷きにありつつ、やはり交戦権を否定された占領憲法国家の限界が首相の行く手を阻むせいです。

 安倍首相のさらなる(世界中のもめごとをことごとく解決していくような)活躍を望むならば、その安倍首相が思い切った憲法判断をするよう私たちの見解を相応程度まで引き上げねばなりません。特に保守論壇が中途半端な(第九条第三項の加憲を評価するような)ことしかいわないから駄目なのです。

 さて、タオルミーナで安倍首相は、連合国(俗称=国際連合)のアントニオ・グテーレス事務総長にも初めて会い、二十四日記事で触れたジョセフ・ケナタッチ特別報告者の発言に対するとてつもない見解を引き出しました。

 グテーレス事務総長のいう通りであれば、菅義偉官房長官が会見で述べた「特別報告者は『国連』の立場を反映するものではない」という見解こそが正しく、その後のケナタッチ氏の「菅長官の指摘は、無知からなのか」という反論が氏のとんだ勘違い、或いは組織に対する無知からくるものだったことになります。

 ということは、極左暴力集団側にたって国会の議論をミスリードしたような野党各党とその支持者たちがケナタッチ氏にしつこく告げ口をし、その「特別報告」を歪めた可能性がますます高まり、そのような特定の政治活動によって作られた話を、連合国として追認するつもりはないという事務総長の方針が示されたということでしょうか。

 ならば中韓とその支持者の「反日(対日ヘイトスピーチ)」にも左右されないよう、畳みかけて政府が連合国の見解を正すべきです。

 G7の対中方針にも大きな進展が見られました。「(中共の)一方的な行動に強く反対する」という踏み込んだ首脳宣言が取りまとめられたのです。これには、米国のドナルド・トランプ大統領が異論をはさまなかったといわれています。

 対朝方針で米中共闘の様相を呈し、「東京は捨てられた愛人」などと対日侮辱を展開していた中共共産党のとんだ勘違い、或いは太平洋防衛に対する無知をも正さねばならないのです。

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日弁連とか日教組とか…

皇紀2677年(平成29年)5月27日

異例の紛糾、組織内の亀裂あらわに 日弁連定期総会

死刑制度の廃止などに関する予算措置をめぐり、異例の紛糾となった26日の日弁連の定期総会。昨年10月の「死刑廃止宣言」以降、強制加入団体である日弁連が意見を二分す…

(産経ニュース)

 強制加入という点に於いて、日本教職員組合(日教組)よりたちが悪いのが日本弁護士連合会(日弁連)です。

 私が実際に伺っただけでも日教組に加入しない教職員が職員室で嫌がらせを受けるという話はいくらでもあり、とても看過できませんが、日教組とほぼ同種の特定思想活動(早い話が「人権」の名を借りたただの「反日」)を主導する組織に加入しない限りその職に就くこともできないという日弁連は、本来弁護士個人を尊重し、組織として特定思想活動をしてはならないはずです。

 これほど簡単な理屈も理解できない組織に、彼らがさかんにいうところの「個人の権利や人権」を語る資格などありません。

 二十三日記事で、自民党の大西英男衆議院議員(東京十六区)と三原じゅん子参議院議員(神奈川県選挙区)のやり取りをあのようにまとめたのには、実は訳がありました。

 報道各社記者たちの国語力(読解力)のなさを指摘したのは、決して大西代議士を擁護する目的ではなく、そもそも喫煙または受動喫煙と肺疾患などの因果関係について、極めて怪しいのではないかと疑っているからです。

 世に「禁煙ファシズム」という言葉があるように、酒やたばこ、コーヒーなどの嗜好品をたしなむ個人の自由に公権力が介入しようとする世界的傾向に、私は強い疑いを持っています。むろんこれらを避け、たしなまない個人の自由もあるわけで、だからこそ権力が一方的に介入してはならないのです。

 受動喫煙の危険について、医学的に証明されたという言説こそ不確定であり、いくつもの医学的な反論があることをないものにし、政治家が「議論は尽くされた」などと言い張るのも不自然であり、東京都の小池百合子知事率いる「都民ファーストの会」が家庭内にまで手を突っ込んで喫煙を禁じる条例を公約に掲げようとしています。

 この禁煙ファシズム側に立った三原議員は、子宮頸癌ワクチンの義務接種に動いた政治家の一人であり、これこそとんでもない暴挙だったのです。

 私は、かつて件のワクチンに疑われた「断種」かどうかまで定かではないが、薬物有害反応(副作用ともいう)のないワクチンはなく、接種して必ず主作用(本作用ともいう)がもたらされるわけではないものを、子供たちに義務づけ、国費を投じることに強い疑問を呈し、反対しました。

 そして、著しい副作用に苦しむ女子生徒たちが全国各地に現れ、その責任を三原議員のような政治家が誰一人としてとっていないのです。この出鱈目を指摘せずしてあの話を置いてはおけませんでした。

 或る人が私にいった「病気になるのも個人の権利」という言葉は、何やら不思議なものに聞こえるかもしれませんが、できるだけ個人や家族のことに公権力が介入しない国家こそ、個人や家族を大切にする国家なのではないでしょうか。

 権力の規制に大抵はろくなものがないのです。日弁連は、弁護士全員に「死刑制度を廃止させるよう闘争せよ」とでも縛る気なのでしょうか。教育公務員の組合は、わが国の子供たちを全員「反日」に仕立てないと気がすまないのでしょうか。

誰が何と言おうと田母神派

皇紀2677年(平成29年)5月26日

【前文科次官会見詳報(1)】前川喜平氏「文科省専門教育課で作成され、幹部で共有された文書。真正なものだ」 加計学園をめぐる文書で

学校法人「加計学園」(岡山市)問題をめぐり、前川喜平前文部科学事務次官が25日、東京都内で記者会見し、獣医学部新設のための国家戦略特区指定をめぐって民進党が示し…

(産経ニュース)

 昨日記事を配信したその日、文部科学省の前川喜平前事務次官が弁護士会館(東京都千代田区霞が関)で記者会見を開きました。日教組が推した「ゆとり教育」の実現に邁進し、朝鮮学校の授業料無償化に積極的に動いた男の言葉は、しらじらしいものばかりでした。

 三流省庁の従前の職務ペースにないスピード感が求められたことに「疑問」を持つのは、まず自分たちの職能に疑問を持つことから始めてほしいものですし、首相官邸や内閣府がごり押ししてきたような口ぶりですが、それは文科省が信用されていない(文科省だけに任せていられない)ことからくると思い知るよい機会にしてもらいたいものです。

 あとは、ここでいちいち解説するのも憚られるような、まさに官邸の総スカンを喰った例の天下り問題に対する「自分自身を責任者とはしない処分案」を出したことへの言い訳や、(確かにその通りですが)文科省は無力だの、後輩たちが気の毒だの、讀賣新聞社や週刊新潮が報じた醜聞への(本当かもしれませんが)とんでもない言い訳ばかりでした。

 何度でも申しますが、旧文部系旧科学技術系の醜悪極まりない主導権争いをないことにして、本件は語れません。官邸は、ただちに戸谷一夫事務次官も更迭すべきです。

 霞が関のこの有り様は、あくまで現行憲法(占領憲法)を「憲法」とすれば、国家公務員が忠誠を誓う憲法が消費期限切れで腐りきっていることからくる官僚の窮屈が原因なのか、まるで子供の陣地取りのような幼稚な遊びに、時の首相まで巻き込んで私たち国民が翻弄させられています。

 これで思い出されるのが、航空自衛隊の田母神俊雄幕僚長(当時)を論文問題でさらし者にして自衛隊から追い出した防衛省(内局)の増田好平元事務次官です。

 あの時、田母神空幕長を麻生太郎首相(当時)が事実上更迭したように勘違いした人も多かったですが、何が何でも統合幕僚長に昇格させないよう人事を凍結し、隊内論文を問題視して、汚職防止に「内局の問題だ」と食ってかかった田母神氏をまんまと外へ放り出した張本人は、増田次官でした。

 その田母神氏は、今度は「保守主義っぽい」だけの商人に寄ってたかられた挙げ句、空自一筋の人生では知りえなかった欺瞞の世界を見させられたのです。

 詳しくは申せませんが何度もともに講演会などで登壇し、控室などで名刺交換する人と決してしない人(もうお会いしなくてもよいようにと願をかけて名刺交換をしない北朝鮮による拉致被害者ご家族の方は別です)という私の中で明確な基準があり、率直で純粋なお人柄が控室での会話で歴然と出た田母神氏は、何やら「保守ビジネス」の連中とは明らかに違っていました。

 いろいろな立場の方がおられます。私に「田母神氏を応援するな」と文句をいってくる人もいますが、田母神氏を有罪とした公職選挙法違反の東京地方裁判所判決については、瀬戸弘幸氏のブログ記事に書かれているのと全く同じ見解です。

 私が日教組に立ち向かった際、「あんなもんと闘うな」といった人がのちに「闘えばいい」などと焚きつけて私を呆れさせましたが、田母神氏は、雑音にとらわれず闘うべきだと思います。

 そして今度こそ、私たちが田母神氏を「自分の商売道具」にしないことです。法廷闘争支援にお金を集めたりするのはいただけません。私なら、田母神氏に直接お渡しします。

 三宅博前衆議院議員の告別式(大阪府八尾市)にも、田母神氏は参列されました。某商人も来ていましたが、鉢合わせはしませんでした。どちらが正義か、裁判所が気づかなかったことを私は知っています。

 公選法違反を「自衛隊員だったくせに間抜けだ」と非難する人がいますが、選挙の経験が浅ければ浅いほど、特に候補者本人は分からないことだらけです。私自身、家族の選挙を見てきて公選法違反にされてしまう仕組みのようなものを知っています。

 あれほど純然たる保守主義者を、このまま伏せ置かれてたまるものですか。今後も政治活動を続けていただくべく、私は田母神俊雄氏を勝手に応援します。

追及すべきはスバリ文科省

皇紀2677年(平成29年)5月25日

 自民党から旧たちあがれ日本、旧民主党政権で内閣府特命(経済財政政策)担当相などを務めた與謝野馨元衆議院議員が二十四日、亡くなられました。衷心よりお悔やみを申し上げます。

 典型的な「増税・財政再建論者」であり、靖國神社から特定の御霊を分祀するよう論じたりするようなおかしなところがありましたが、本年四月に自民党への復党が認められ、死を前にしてご本人も満足されたでしょう。

 一方、死ぬまで東京拘置所(葛飾区小菅)で生きざるを得なかったのが大道寺将司死刑囚です。殺人・破壊組織「東亜反日武装戦線」の一人として三菱重工業本社ビル(千代田区丸の内)などに爆弾を仕掛け、八人を惨殺、三百七十六人を負傷させた罪で死刑判決が確定していましたが二十四日午前、病死しました。

 同じような「反日」の野党各党は、わが国で破壊活動(テロリズム)など起きないといいますが、私たちが都心でいきなり殺されるテロが頻発したのを意図的になかったことにしているようです。

民進・高井崇志議員も加計学園の学部新設求める

 民進党の高井崇志衆院議員(比例中国)が、学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が国家戦略特区を活用して愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画の実現を求めていたことが分かった。

(YOMIURI ONLINE(読売新聞))

 さて、二十日記事で指摘したことがようやく新聞社記事になり、民進党の山井和則国会対策委員長の「いつもの思い込み先行」コメントが大いに笑わせてくれるわけですが、二十三日記事で取り上げた文部科学省の前川喜平前事務次官(旧文部系)に関する醜聞を最初に報じたのも讀賣新聞社でした。

 ひょっとすると讀賣は、首相官邸が加計学園の件を前川前次官の責任にしようとしているのを知っているのかもしれません。

 朝日新聞社や民進党、日本共産党に流れた怪文書の類いの出どころは、旧科学技術系の戸谷一夫事務次官らだというのに、それでも前川前次官を斬り捨てるということは、よほど「小松(親次郎審議官)システム」とまでいわれた旧文部系主導の天下り問題が発覚した際、前川前次官の対応が官邸の怒りを買っていたのでしょう。

 前川前次官は、それを察知したのか週刊文春の取材に対して例の怪文書を「本物」と答え、議論の混乱を仕掛けました。獣医学部新設こそ旧文部系主導で認めたにもかかわらず、現在の彼の背後は、一体何者たちでしょうか。

 とにかく加計学園の件は、文科省内の醜悪極まりない主導権争いでしかありません。民進党が何かを疑って追及する相手は、安倍晋三首相ではなく文科省なのです。それが分からないから「駄目野党」のまま党の生涯を終えるのでしょう。

スパイ防止法なく…共謀罪

皇紀2677年(平成29年)5月24日

 英国出身の俳優で映画『007/死ぬのは奴らだ』以降最多の七作に出演したサー・ロジャー・ムーアが二十三日、ジェームズ・ボンド役を演じた歴代俳優で初めて亡くなられました。八十九歳でした。衷心よりお悔やみを申し上げます。

 ところで、かつて帝國陸軍中野学校まで作ったわが国が現行憲法(占領憲法)によって諜報機関も持てず、外国の工作員(スパイ天国に堕ちたことは、テロ等準備罪(共謀罪)の新設を含む組織犯罪処罰法改正案が可決される以上に本来であれば私たち国民が不安の意思表示をしなければなりません。

 私たちが先人から学んだことは、優れた諜報機関もつまらぬ行政の仕組みに埋もれさせてはならないということであり、諜報機関を保持してはならない、軍隊を保持してはならない、交戦権(外交権)をもってはならない、ということではないのです。

 一方、中共共産党の支配下では、地質調査の日本人技術者六人がスパイ容疑で不当に身柄を拘束されました。だから中共に行ってはいけません。わが国にスパイを送り込む党が日本人商社マンや技術者を不当に捕まえていくさまこそ、権力に対する私たちの不安をかきたてるのでしょう。それがたとえ中共共産党の仕業にすぎないとしても。

【逃亡45年・中核派活動家逮捕】2LDKの室内に捜査員が踏み込んだとき、男は呆然と立ち尽くしていた…白髪に眼鏡、残る面影 長期逃亡の全貌解明へ

昭和46年11月の渋谷暴動事件から45年以上、行方がつかめなかった中核派の活動家、大坂正明容疑者(67)とみられる男が逮捕された。白髪で眼鏡をかけた男-。しかし…

(産経WEST)

 そのような中、つまり組織犯罪処罰法改正案が衆議院を通過したこの時機に、中核派の殺人犯である大坂正明容疑者とみられる男を大阪府警察が逮捕しました。目下決死の本人特定に向けて動いていますが、まさに大手柄です。

 中核派に殺された関東管区機動隊新潟中央小隊(新潟中央警察署)所属の中村恒雄巡査(当時まだ二十一歳)は、ガソリンをかけられた上で火炎瓶を投げつけられ、お顔を含む上半身がほぼ炭化していたといいます。この惨状を、私たちは忘れてはなりません。

 中核派や革マル派、革労協といった極左・左翼は、右派にはめったにみられない人殺しもいとわぬ殺人・破壊組織であり、連合赤軍らをはじめ、かつて世界各国に大迷惑をかけました。文字通り「日本の恥」です。

 この改正案の問題点は、個人のプライバシー権の保護項目(いわゆる「万が一のため」の項目)がないことであり、平易に申すと「ブレーキのない車」のような法案なのですが、この件では、連合国(俗称=国際連合)のジョセフ・ケナタッチ特別報告者とわが国政府側が言い争いになっています。

 旧民主党政権でできなかったこと(共謀罪なくして国際組織犯罪防止条約を締結すること)を「できる」と言い張った民進党や日本共産党らは、さだめし連合国に「告げ口」をしたに違いなく、そうまでして共謀罪を阻止しようとしたのは、やはり枝野幸男幹事長をはじめ中核派や革マル派らとの関係があるからでしょう。(さて、小西洋之参議院議員は、どこへ亡命するのでしょうか。このままわが国に居座ることは許されません)

 安倍政権のほうは、むしろ難民や移民の受け入れをしやすい環境を作ることにまい進した可能性があり、よって私たち国民のことに思いが至らなかったためにプライバシー権がおろそかになったことも考えられます。

 よって諸手を挙げて賛成できない法案ですが、私たちの暮らしのすぐそこに、極左暴力集団が潜み、海外のテロリストやスパイが隠れているかもしれないことを忘れてはならないのです。