中国はいまだ失敗したまま

皇紀2677年(平成29年)2月3日

 本日、米国のジェームズ・マティス国防長官が来日しますが、彼の呼び名について、むしろ「狂犬」よりも「戦う修道士」のほうが彼の特性をよく表しているように思います。

 稲田朋美防衛相では太刀打ちできないのではないか、という一抹の不安がありますが、彼の登場で今後困ったことになるのは、イスラエル(以国)かもしれません。

 マティス国防長官はかつて、米国の以国支持が中東の回教国から米国を遠ざけるリスクとし、ヨルダン川西岸地区へのユダヤ人入植に痛烈な問題意識(パレスチナ国家を樹立できず、以国が多数のパレスチナ人を抱えれば、以前の南阿のようなアパルトヘイトの国になる)を示しています。

 懇意のベンヤミン・ネタニヤフ首相と十五日に首脳会談を予定しているドナルド・トランプ大統領は、マティス国防長官のこのような考え方を受けて、一体どのような政策をとるつもりでしょうか。この行方こそがトランプ大統領とマティス国防長官の関係性を表すことになるのです。

 それでもイラン(義国)と敵対する道をとるための手段として今後も以国の暴走に目を瞑り続けるならば、この点についてはあまり賛成できません。安倍晋三首相にも深入りしてもらいたくない懸案事項です。

 http://www.sankei.com/world/news/170202/wor170202……
 ▲産經新聞:中国軽視?トランプ氏から届かぬ春節メッセージ 慣例破り、いまだ電話協議もなく…中国紙は不満表明
 http://www.sankei.com/world/news/170202/wor170202……
 ▲産經新聞:豪首相との電話会談で険悪な雰囲気に 暴言連発でわずか25分で終了

 とはいえ、豪州政府がバラク・オバマ前大統領と合意に達していた難民政策には驚きました。私の不勉強で、まさか他国に収容した豪州への密航者を米国に引き取らせていたとは知りませんでした。トランプ大統領でなくても「変な取引」だと思います。

 マルコム・ターンブル首相は「親中」ですから、日米が主導しなければならない太平洋防衛の協力国として機能しない可能性を考えれば、わが国にとっても望ましい為政者ではありません。電話会談もうまくいったらしい安倍首相に対して、うまくいかなかったターンブル首相がますます中共へ傾斜しないよう(年初の日豪首脳会談はうまくいきましたが)気をつける必要があるでしょう。

 その中共共産党は、旧年十二月八日記事で申した通りトランプ大統領との接点を探って全て失敗したままです。

 わが国を無視して中共を暴走させたビル・クリントン元大統領以来の習慣など、トランプ大統領の知ったことではないのでしょう。ビジネスに於いては、何ら接触のない者のほうを無視するものです。

スポンサードリンク

『中国はいまだ失敗したまま』に2件のコメント

  1. AD:

    ジェームズ・マティス国防長官を舐めてはいけませんね。
    この人には「狂犬」とか「戦う修道士」とかのあだ名がついているようですが、ずばり「インテリやくざ」とでもいいましょうか。
    冷静沈着、ハードボイルドです。

    そのマティス国防長官はちゃんと冷静にアジアを俯瞰しています。
    もちろんアメリカの国益を中心において。
    特に北朝鮮の核にはトランプ大統領と同様脅威を感じていますが。
    それは次期韓国がTHAADをどうするかが注目です。

    そのマティス国防長官は対中露に強く当たるでしょう。
    特にまず中国に。

    中国は米国を一番怖がっているのですが、
    日本の尖閣諸島とかでチョイチョイ突っつくような挑発はアメリカには通用しませんね。
    それを中共政府が、または中国軍が見誤ってやると局地で戦闘が起きるでしょう。

  2. 心配性:

    >わが国を無視して中共を暴走させたビル・クリントン元大統領以来の習慣など、トランプ大統領の知ったことではないのでしょう。

    当初中国人や一部のアメリカ人が、アパホテル会長の本を問題視して糾弾していた理由ですが、問題の本が「GHQ史観」や「戦勝国史観」に言及し、これを批判しているからでしょうかね?
    江沢民元国家主席とビル・クリントン元大統領が、『レイプオブ南京』などを持ち上げて、仲良く「日本叩き」に興じていた暗黒の時代がありましたが、「米中反日共闘の夢をもう一度!」という淡い願望でなければよいのですが。

    とは言え、確かに、欧米メディアや国連は、米軍性奴隷問題や洋公主問題には「知らぬ存ぜぬ」の態度を通していますので、会長の言を借りるまでもなく「歴史は勝者が書く」という事実は厳然としてあるのでしょうね。

    それから、話は変わりますが、今後「日本民族」という曖昧な言葉の使用を禁ずるべきですね。
    第一意味不明ですし、誤解の蔓延を危惧します。

    しばしば英語のサイトなどで、「日本国民の主な民族構成」として、「日本民族、琉球民族、アイヌ民族」、或は「日本人、琉球人、アイヌ人」といった書き方がされています。
    wikipediaなども、殆どそうした書き方がされているのではないでしょうか?

    沖縄とアイヌの人々は、日本人ではなく、本来日本国民でもないといったニュアンスが濃厚に感じられ、事実そうした誤解が広まっていると感じる時があります。

    本土系住民に関しては本来「大和民族」と呼ぶべきですが、なぜこの呼び方が減ったかと言うと、理由は主に二つあると思います。

    一つは、本土と沖縄の住民をひっくるめて「日本民族」と呼ぶべきだという意見。

    もう一つは、戦時中、やたらと「大和民族」だの「大和魂」だのが強調されて民族意識が鼓舞された為、「軍国主義のトラウマ」を呼び起こすからとか、「大和朝廷」をイメージさせる為に国粋的でけしからんといった類の主張。
    (しかし、同じ敗戦国のドイツ人は、そこまで自虐的になったでしょうか?)

    この「日本民族」なる意味不明な言葉が流行った為に、北方領土の専門家なのか、琉球独立運動家なのか知りませんが、佐藤優氏などは沖縄の新聞で、本土住民の事を「日本人」と呼び、「侵略者」であり「植民地の支配者」であるといった、離間工作員まがいの言論を展開しています。

    琉球新報に掲載された世論調査を見ても、あまり「独立運動」が盛り上がっているとは思えず、特に20代や30代の若い世代で「独立」にロマンを感じる人の割合はそれぞれ1%程度でしたので、‶初老のおっさん”が沖縄を代表して「反日」を煽る必要は無いのではないでしょうか?

    基地問題に関して安易な「オール沖縄」「沖縄ヘイト」という言葉の使用も禁ずるべきで、むしろ「オールジャパン」と言うべきです。