在留期間と永住許可の企み

皇紀2677年(平成29年)1月19日

 私は、わが国は世界的に見ても極めて稀有な、且つ独特の魅力を持つ国家だと思っています。都市づくりに於いて、例えば明治から昭和初期の近代建築をガラス張りの高層ビルに建て替えてきた風潮には、確かにがっかりさせられますが、わが列島が「災害列島」であり、そうであるがゆえにわが民族の結束力が形成されてきたことを思えば、耐震性などを考えて仕方がない面もあろうかと思い、またかつてのファザード(建物正面の設計とデザイン)を遺して建て替えられる場合、その知恵に触れることができるでしょう。

 賢明な読者の方とインターネット上でやりあったらしい中共人が吐き捨てたとされる「日本観光はつまらない」という言葉は、定めし悔し紛れのものではなかったか、と私は勝手に思うのです。

 思い出されたのは以前、連合国(俗称=国際連合)常任理事国の安全保障理事会で、英国が歴史の長さを誇ると、中共代表が「わが国は四千年の歴史を」と始めた光景です。しかし、中共共産党の国家は、本年十月でようやっと建国から六十八年目に過ぎません。

 建国からのちの文化大革命で三千万人を虐殺した革命国家は、無残なまでに歴史的継続性を持たず、自分たちで四千年間蓄積された地域の文化を(むろん遺ったものもありますが)破壊してしまいました。

 英国とて、仏国や独国らから「偉そうに言うな」と言われるでしょうが、英国人が誇りたがるのは、王室が存続しているからです。ということは、世界最古の皇統にして今や世界唯一の皇帝陛下を守り抜いてきたわが民族がわが国を誇れないのは、かえって奇妙でさえあります。

 平凡な観光地を巡るツアーは、どの国でも大して面白いものではなく、私も東南亜各国を巡った際に経験しましたが、さまざまな国の人びとと情報交換をして、ガイドブックにも載っていないようなところを巡り、地元の方がたに親切にしていただき、初めてその国の懐の深さを感じたものです。

 目下わが国を訪れる観光客たちも、わが国各地のいろんな魅力に気づき始めています。だからこそ当初物珍しさに飛びついた結果の「爆買い」が収まった、という側面もあるのではないでしょうか。

 奈良や京都の神社仏閣を見て、ギリシャ(希国)人が「わが国には紀元前の~」と始めたなら、それはそれで「そうですか」と答えますが、世界遺産パルテノン神殿(アテナイのアクロポリス)と世界遺産国宝宇治上神社本殿とは、比べようとして比べられるものではありません。

 私たちがいかに、自分たちを誇れずにいじけ、落ち込んで、未来に希望を持てなくしてしまっているか、少しは胸を張って歩いてみてもよいはずです。それがただちに外国人差別に繋がるなど、出鱈目なアジテーション(特定思想の扇動)の類いに違いありません。

 自国のよさ先人たちが守ってきた価値)を外国人に説明もできないようでは、かえって来てくれた外国人たちにつまらない思いをさせるでしょう。それのどこが「おもてなし」なのやら、と思うのです。

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170117-OYT1T50129……
 ▲讀賣新聞:外国人経営者ら、在留1年でも永住許可…法務省

 さて、最後に一つ、皆さんに警告です。法務省が十八日から私たちに広く意見を求めますが、ほぼ既定路線で外国人の永住許可をいい加減に出しまくります。

 自国の都合で外国人を招き入れ、企業にとって要らなくなったら彼らをどうする気なのでしょう。政府が政策として動かしてしまう限り、最後にはわが国が訴えられます。

 このようなことは、あくまで人の自由であり、資格や許可の類いは、原則として厳格な状態を維持すべきです。皆さん、十八日から頑張りましょう。

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『在留期間と永住許可の企み』に5件のコメント

  1. 心配性:

    欧米メディアの中で初めて「性奴隷」という言葉を使ったと言われるAP通信が、今度は、アパホテルの経営者は、安倍総理の支持者で歴史修正主義者だと批判しているようです。
    (日本の活動家が、欅坂の時の様に、世界中に通報して回っているようですが・・・)アパの件で安倍総理がどうして出てくるのかは不明ですが、中国というのは、本当に政経不可分の国のようです。
    中国人観光客を呼び込もうと必死の地方自治体が結構ありますが、中国は、しばしばお上の方針で観光客の足が突然途絶えたりする国なので、注意しなくてはなりませんね。

    >英国人が誇りたがるのは、王室が存続しているからです。ということは、世界最古の皇統にして今や世界唯一の皇帝陛下を守り抜いてきたわが民族がわが国を誇れないのは、かえって奇妙でさえあります。

    皇室というのはどうなって行くのだろうか・・・と少々不安でもあります。
    研究者らは、皇族方を興味深い検体、皇室を研究対象としか見ていないのではないか?と。
    「ウリジナル」や「東北工程」的なものに政治利用されないか心配です。

    以前日本の研究者が、徳川将軍家に嫁いだ皇族や藤原氏の女性達の遺伝子を解析し、母系のハプログループ(東アジアによくあるタイプ、東南アジアで優勢、縄文系)などを調べていましたが、皇室の親戚と称する人々の遺伝子情報を研究機関に送り、父系のルーツを探る人までいるようです。

    Displaying User ID: F689P
    http://www.ysearch.org/haplosearch_view.asp?haplo=D2a1b&viewuid=F689P&p=0

    既に広く出回ってしまったものなので今更どうのこうのもありません。
    何とも微妙なしろものでコメントに困りますが、上の結果では、縄文系のY染色体ハプログループに属するという事のようです。

    もっとも、仮に事実だったとしても、驚くには値しません。
    弥生時代に入り、それまで人口密度が薄かった西日本は、縄文系の人口がむしろ増えたとも言われています。
    『魏志倭人伝』に出てくる、入れ墨を彫って素潜り漁を行う倭人なんて、咄嗟にはサーファー耳の「縄文人」ぐらいしか思い浮かびませんし(苦笑)

  2. やす:

    観光そのものがつまらないと感じるのは、その地の歴史を知らないからでしょう
    自分の住んでいる市や町の歴史だってよく知っている人の方が少ないでしょう
    支那人の書き込みについてはよく知りませんが、観光がつまらないのではなく、ただ無知なだけで、特に気にする必要はまったくありませんし、気にする方がどうかしてます
    日本は2700年近くも続いている世界最古の歴史ある国ですし、天皇陛下を守ることで培われてきた伝統と知恵の積み重ねがありますし、それは日本だけの宝のはずですが、明治維新辺りから西洋文化が入り始めたことをキッカケに少しづつ腐り始め、戦後一気に加速し、結果今の個人主義が蔓延する世の中になってしまったと私は強く感じています
    天皇陛下を敬うというと今の日本人の大半は抵抗を感じるでしょうし、天皇陛下はそんなに偉いのかと反発する人が出てきそうですが、私が思うに、天皇陛下を通じて道徳心を育てていたんですよ
    天皇陛下さえも敬えない人間は、どんな人間に対しても敬ったり尊敬したり、優しくすることなんかできないと思います
    それが結果として個人主義へと繋がり、支那みたいになってしまいます
    そうした日本の伝統こそ最も誇れるべきもので、観光云々は二の次三の次、大事なのは人間性なんですよね
    支那は人間性が四千年間成長してないから、歴史と伝統がないんですよ
    支那人の多くは何億年かかっても日本の本当の凄さは理解できないでしょう

  3. 覚醒四年:

     初めまして、マスコミの洗脳から覚醒して四年目の新人になります。
     一つだけ、どうしても気になったのでコメントします。
     記事中に「寺社仏閣」とありますが、「神社仏閣」または「寺社」が正しいのではないでしょうか?

  4. 遠藤 健太郎:

    覚醒四年さま
     ご指摘ありがとうございました。「じんじゃぶっかく」と打ったつもりでしたので、ご指摘いただくまで全く気づきませんでした。おっしゃる通り「神社仏閣」或いは「社寺」「寺社」が正しい表現です。

  5. ゆき:

    私は今まで日本は優れた国と思ってきたが、東京の豊洲においても検査の歪曲が天下りなどの関係で行われたり、我々は知らぬ所で多くの不正が行われている国ではないかと感じている。東大阪市は有力者のいる工場が悪臭をばら撒き、違法操業していることに対して、相手の応えを待っていたととぼける。取り締まりもせずに、7年間放置して改善の応えを待っていた、前任者がかわったと言い逃れをし、責任は取らない。公害課は人の命に直結する。しかし、病院で横領事件を起こしたようなものが、環境部に配置転換されるなど、技術がなくて勤まるのかと驚いた。ただ5時まで居座る結構な公務員だ。本当に何もやらないし、できない無駄飯食いの課だ。
    高校生の理科数学オリンピックでは日本は中国に負け続けている。三菱航空機も未だに飛ばない。80年代はまだ能力も活力もあった日本。中国から高度な人材を呼ぶと言うことはもう多分野で日本は負けていると言うことではないか。私は中国など尊敬しているわけではない。日本の現状はどうなんだと問いたい。ノーベル賞は60以上の年寄りばかりで、これから先は明るくない。役所の癒着を初め、天下りなどで公正に事が運ばれないことで、国際的な競争力が落ちていく一方だと感じる。