AIIBの惨憺たる現状

皇紀2677年(平成29年)1月17日

 もはやどれを代表作と申し上げてよいか分からないほど多くの舞台、映画、テレビドラマに出演された俳優の神山繫さんが今月三日、亡くなられていたことが分かりました。衷心よりお悔やみを申し上げます。

 その中でも敢えて申せば、六年間にわたって放送され映画化もされたテレビドラマ『ザ・ガードマン』の榊隊員役や、サントリーウイスキーのCM、海軍経理学校から占領統治軍の通訳をこなされたほどの英語力がモノを言った米映画『ブラックレイン』の大阪府警察刑事部長役でしょうが、やはりこれでは神山さんの功績を語るに全く足りません。

 市川崑監督や岡本喜八監督作品の常連で、和歌山市出身の私としては、まさに和歌山県内を縦横無尽に走り回る映画『大誘拐』に於ける普段のイメージにはない流暢な関西弁も印象的でした。

 http://www.sankei.com/world/news/170113/wor170113……
 ▲産經新聞:【釜山・慰安婦像設置】潘基文氏「10億円返す」「日本がああだこうだ言っているが間違いだ」と強気発言 大統領選見据え露骨な“世論迎合”

 まずは小ネタから。潘基文前連合国(俗称=国際連合)事務総長について、賢明な読者の方が以前、いわゆる「日韓合意」をひっくり返すようなことはしないだろうと恐らく希望を込めておっしゃいましたが、心密かに私は、ひっくり返しかねないほど連合国史上最も退屈で無能、且つ何の実績も生まなかったどころか紛争をたきつけてしまった人物であることを忘れてはいませんでした。

 やはりこの程度の人物だったのです。或る意味、私たちの期待を裏切らない仕上がりと申せましょう。これでよく外交官だったものだと思いますが、本当に連合国は、不幸な十年を無為に過ごしました。

 http://www.sankei.com/world/news/170116/wor170116……
 ▲産經新聞:中国主導AIIBの開業から1年、人材獲得が難航、融資実務進まず、トランプ政権の動きに関心

 さて注目すべきは、十六日で開業一周年を迎えた亜州インフラ投資銀行(AIIB)の惨憺たる現状です。ここでは開業以前から、その怪しげな体制と融資するに足りない実力を何度か取り上げ、亜州開発銀行(ADB)を主導するわが国が米国らとともに参加しなくてよかったと申しました。

 その詳細は、産經新聞社記事をお読みいただければ分かりますが、なぜAIIBがこれほど融資する能力を有しないかと申せば、中共共産党の体力が落ちていることに加え、深刻な高度人材不足に理由があります。

 本日開幕の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に中共共産党の習近平国家主席が初めて出席しますが、そこで語られるほど中共が世界経済に与える影響は、もうほぼ悪材料しか残っていません。

 AIIB単独融資がたったの三件しかなかったのは、ADBや世界銀行に審査の手数料を支払い、融資に加えさせてもらったというような情けないこと極まりない事情のせいで、本部職員がわずか九十人しかいないのも、ADBや世界銀行と比べて明らかに見劣りする給与水準と、北京市内の殺人的な大気汚染が嫌われたためなのです。

 安倍政権は、竹中平蔵氏らの政策提言に従って「高度人材」と称する外国人労働者を輸入し始めましたが、その機会を中共に譲ったほうがよいでしょう。

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『AIIBの惨憺たる現状』に1件のコメント

  1. 心配性:

    今回の安倍総理の東南アジア歴訪は、安全保障のみならず、ベトナムなど東南アジアから「高度人材」や優秀な「労働者」を引っ張って来る事も目的の一つだったようですね。

    また新たに「反日家」が増えるのか、そして反日左翼団体に取り込まれてしまうのか、、、と思うと憂鬱です。

    外国人観光客のリピート率が低いのも、「爆買い」が激減したのも、中国経済の失速というよりは、そもそも日本観光自体に魅力が無いからではないでしょうか?
    戦後、文化や文化財を大事にせず、古いものを壊しまくって来たつけが回って来たのでしょう。
    日本に住む日本人も、よほど精神的なゆとりを失ってしまったのか、自分の身なりに気を使ったり、自己管理を行うだけの余裕もないようです。
    街並みも不快なら、そこに住むうつろな表情の人々の群れも不快、これでは日本嫌いにならざるを得ないでしょう。
    本当に、日本人全員が、考え方を一から変えて行かなければいけない時に来ていると感じます。