経団連の提言を聞かないで

皇紀2676年(平成28年)12月7日

 カジノを含む統合型リゾート(IR)整備推進法案(カジノ法案)が六日、衆議院本会議で可決されました。事実上賭博罪に当たるパチンコ店および景品交換所を街中から一掃し、代わって区切られたエリアに厳しい入場条件を課して公営のカジノが設立されることに私は賛成してきましたが、通過した法案の中身は、これとは程遠いもっといい加減なものです。

 それはさておき、先月十九日記事に続き民進党の安住淳代表代行(宮城五区)の莫迦さ加減にまたぞろ呆れ果てました。自分たちの所業を忘れ、とにかく安倍晋三首相率いる自民党を批判すれば民進党が評価されるとでも思っているのでしょうか。

 安住代表代行は、衆院委員会での採決後に「こんなことを粗い議員立法で提出して通させようと思う心が安倍さん、やましいもん」などと述べましたが、そもそも最初にカジノ法案を議員立法で提出しようとしたのは、当時与党の旧・民主党です。

 民進党内で最も集金してくるらしい前原誠司元国土交通相(京都二区)が先頭に立ち、閣法で出すべきを議員立法に書き直したのが彼らであり、安倍首相を「姑息だ」と中傷する暇があるならまず自分たちの卑怯卑劣さを恥じてください。

 http://www.sankei.com/world/news/161206/wor161206……
 ▲産經新聞:朴槿恵氏の「犯罪」証言が不発に終わった国会聴聞 逆に飛び出したのは経済団体からの「脱退」宣言だった

 さて韓国では、全国経済人連合会(全経連)の悪質性に非難の声が集まり、ついに三星(サムスン)電子が脱退を表明するに至りましたが、わが国の日本経済団体連合会(経団連)こそ「政経癒着の温床」です。ろくな政策提言をしないので大変困っております。

 先月二十三日記事でも申しましたように、実質国内総生産(実質GDP)がプラスになってもなぜ未だ私たちの多くが好景気を実感できないのかは、消費者物価指数が連続マイナスに転じ、実は給与・物価下落(デフレーション)に再突入したためで、安倍首相が初めに目指した方向性は正しくても、消費税率の引き上げや外国人労働者流入の積極策を実施して内需回復(景気回復)を後退させてしまいました。

 掲げた目標を打ち消す政策を実行してしまえば、当然目標を達成しないのであって、安倍首相には早く気がついてもらいたいところです。

 本年度の一般会計税収が安倍政権になって初めて前年度を下回る見通しなのも、気づきのきっかけとしていただきたく、政権発足時から十三兆円近くも税収を増やした「アベノミクス」が完全に打ち消されました。

 経団連の提言を聞いて国民経済が活性化してきたとは、とても思えません。むしろその逆であり、もちろん経団連だけが悪いのではなく、税率を引き上げて税収が減ってもよいのか、税収を増やすための財政出動も辞さないのか、その目的が定まらない内閣がいけないのです。財務省や経団連の介入に振り回されてきたのが政治家なのです。

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『経団連の提言を聞かないで』に2件のコメント

  1. 心配性:

    パチンコ依存疑い536万人の多くは、気軽に遊べるパチンコの依存症患者ではないでしょうか?
    研究班の分析によると、「パチンコやパチスロが身近な場所に普及していることが影響しているのではないか」との事です。

    ギャンブル依存疑いは536万人 成人の5%「世界で高水準」
    http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H0O_Q4A820C1CR8000/

    このままでは本当に「日本死ね」や「ヘル日本」が流行語になってしまいます。

    カジノに前のめりな自民党だけでなく、野党も、国民の暮らしや健康を真剣に考えず、何かに気兼ねしているようで気になります。

  2. えりーや:

    やはり、消費税増税が大きな失敗だったと思います!まったく必要のないことでした!
    お金というのは、物との交換のために人類が便宜的につくっただけものなので、政府は必要ならばいくらでも紙幣を刷ってしまえばすむことです。増税も借金も不要です。なのに必要のない消費税増税をして、せっかくデフレから脱出しかけていた日本経済を再びおかしくしてしまいました!
    5%にあげて緊縮財政にしたとき、国税収入は3分の2にまで激減し、就職氷河期や中小企業の倒産などで自殺者が3万人を突破してしまいました!なんで同じような失敗を繰り返すのでしょうか?大蔵・財務省の幹部と日銀と政府の責任は、あまりにも大きいと思います!