AIIBに手を出すな!

皇紀2675年(平成27年)3月31日

 http://www.sankei.com/economy/news/150330/ecn150330……
 ▲産經新聞:菅官房長官、AIIB参加に慎重姿勢崩さず

 イエメンの内乱で米政府の中東政策は大きく混乱しているようです。イラン(義国)との核交渉も周辺国の反感を買っています。私は米国がどうあろうと日義関係を良好に維持するよう唱えてきましたが、ことほど左様に米国の外交方針は一貫しないのです。

 三月十八日記事でも「仏独英ら欧州各国がすでに『米国の凋落』を見ている」「仏独英のいずれも決して中共を信用しているわけではなく、米政府の要請に応える必要がないという一点」と指摘しましたが、亜州インフラ投資銀行(AIIB)に豪州までもが参加を表明したのは、米豪関係よりも英連邦としての立場を豪州に優先されてしまった結果にほかなりません。

 また、表向きの友好や同盟は「カネ」より優先されないことを、これらの国の態度が物語っています。

 しかし、AIIBについて、わが国が米国に比べまったく焦る必要がないことは、前出の過去記事で簡単にご説明したとおりであり、日欧米分断の底意が潜むとされるAIIBが発足するからこそ欧露各国が日本の立ち位置を確認したがっているのです。

 一部で報じられているほど、AIIBに慎重な姿勢をとる安倍内閣は米国に盲従していません。米財務長官が中共の国務院総理とこの話をしていますが、少なくとも私の知る限り、中共が融資するどころではないことを「米政府はどこまで分かっているのか」と首相官邸が心配しているほどです。

 にもかかわらず、与野党を問わず国会議員の中には「AIIBに参加しておかないと大変なことになる」と言い出す者がおり、麻生太郎副首相兼財務相や菅義偉官房長官が会見でいちいち牽制しなければならない事態にあります。

 わが国までこれに参加してしまえば、必ず欧露各国から非難と失望の声を浴びることになるでしょう。なぜなら、彼らは「(AIIBのその謳い文句と)実態はほぼ異なるであろうことも折込み済み」で日本にしっかりしていて欲しいからです。

 ずいぶんと勝手な話ではありますが、これがわが国にとっていわゆる「損して得取れ」ということでしょう。そういう展望が国会議員にないから浮足立つのです。

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『AIIBに手を出すな!』に2件のコメント

  1. :

    4月1日 

    青山繁晴 インサイトコラム 

    AIIB参加見送りは当たり前

    http://www.nicovideo.jp/watch/sm25924682

  2. ゆき:

    経済の事はわからないが、シルクロード経済圏構想を中国が言いだしてから、資金は?と思っていた。この銀行が何か一役買うのだろうか。
    トルコまでつながるこの構想、アフガンのタリバンが中国になびいているという話もどこかに載っていた。
    タリバンの故郷のパキスタン、石油国カザフスタンを丸め込んでいるし、トルクメニスタンでも石油掘削をし、イランとは大の仲良しである。戦火の絶えないアフガンをものにすれば、中国からトルコへの視界は一気に広がる。アセアン内の高速鉄道インフラ参加も中国が地続きの国々を金で縛れば、日本などはじき飛ばされそうだ。悪でエネルギーを振りまく中国そして真面目な日本が善の神とすれば、ゾロアスタ―教に例えれば、この戦いどちらが生き残るのだろうか。