露の軍事介入は「当然」

皇紀2674年(平成26年)3月3日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/140303/erp140303……
 ▲産經新聞:【ウクライナ情勢】 米国務長官「露、信じ難い侵略」 経済制裁を検討

 わが国は、安易に米国の(今後なされるであろう対露制裁の)決断に追従すべきではありません。そもそもウクライナ親露派のヴィクトル・ヤヌコーヴィッチ大統領を失脚させる暴力行為に数億ドルを投入し、殺しのプロを送り込んだのは、一体どこの国ですか?

 露国にとって、黒海に面する重要な権益に対し、米国に干渉されて影響力を行使出来なくなるのは我慢なりません。「欧州連合(EU)なんかクソったれ」と吐いた米国のヴィクトリア・ヌーランド国務長官補とジェフ・パイエト駐ウクライナ大使との私用電話が盗聴された件は、極めてまずいタイミングだったと申せましょう。

 目下ヤヌコーヴィッチ大統領の豪華な私邸が公開され、国民的且つ国際的憎悪が扇動されていますが、この建物はもともと旧ソヴィエト共産党のものでした。外国主導のこの種のプロパガンダですっかり悪者にされてしまったからといって、選挙によって成立した政権の正当性を否定するものではありません。

 ウクライナ南部のクリミア自治共和国から露国が実力行使に出始めましたが、これは露軍の駐留協定に基づいており、国際法上私たちが非難出来る問題ではなく、東部各地や空軍でも親露派が巻き返しています。

 安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領の交渉の行方を案じれば、或いは露国が近隣国との領土問題のいずれも露側にとって都合のよい解決策に導いたことからも、単に露国に着いておけば日露講和がうまくいくと考えるのは危険ですが、日米で太平洋防衛を担うという覚悟のある米大統領が登場するまで、いわゆる「日米同盟」をわが国が盲信するのはもっと危険です。

 もちろん占領憲法(日本国憲法)のまま自衛権問題を議論するような日本も、米国にとって頼りにならない存在でしかありません。

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『露の軍事介入は「当然」』に4件のコメント

  1. ゆき:

    フルシチョフがウクライナにクリミアを譲ったのが間違いの元ですね。クリミアのヤルタという地に1980年に旅行で行きました。シンフェロポリの空港から何時間もバスで行くしか交通手段はなかった不便な土地ヤルタはチェホフの子犬を連れた貴婦人の舞台となり、チェホフの別荘も観光コースにありました。長らくオスマントルコ支配下で韃靼人ータタールの故郷とされていますが、浜辺でその顔立ちの人をちらほら見た程度です。ヤルタは風光明媚な一面、大きな軍港です。沢山の軍艦がありました。沖縄が米国に一度取られて現在基地化している中、日本が中国に歩み寄りたいと言い出すと、米国が難色を示し、(米人は住んでいませんが)そこを切り離そうと画策すると沖縄の人が猛反対、何かそんな構図が浮かびました。比較は無理ですが。クリミアはロシア色が濃い所でした。

  2. *:

    ウクライナは東と西に分かれるのがいい。

    西ウクライナは、EUに入れてもらえると思っているのでしょうか? (笑)

  3. 菊池 晃:

    同感です。 私が直観的に思ったことを、深い知識に基づいて論理的に解説して頂いて有難うございます。
    このような民族問題と地政学が関係する問題を、マスコミの報道で判断することの誤りは、高山正之氏に
    教わりました。

  4. YURI:

    なんと5日の関テレで青山繁晴さんも同じこと言ってました。アメリカの態度に従ってはダメだって。安倍総理に直接そう提案もしたそうです。
    青山さんは自分だけの提案をきいてもらったわけじゃないとことわった上で安倍総理がすでにソチパラリンピックに副大臣の派遣を内定したこととかソチサミットにからんでデンマークの首相とロシアとの対話を約束したとか話しておられました。
    遠藤さんも官邸に送られたでしょうがいつもながらのいち早い提言には感嘆させられます。