まだ米中G2を夢見るのか

皇紀2673年(平成25年)8月24日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130823/amr130823……
 ▲産經新聞:米国務省報道官、マケイン氏の「尖閣は日本領土」発言を否定

 米国務省のジェニファー・サキ報道官は二十二日、訪日している米連邦議会上院のジョン・マケイン軍事委員会筆頭理事(共和党)が前日に東京都内で「(沖縄県石垣市)尖閣諸島は日本の領土だというのが米議会と米政府の立場だ」と述べた内容について否定しました。

 一方、同じく上院のロバート・メネンデス外交委員長(民主党)も来日していましたが、彼は中共との関係を重視する発言に終始しています。安倍晋三首相が靖國神社を参拝しないよう牽制したり、その後訪れた台湾では「中共に対抗するな」などと強調しました。

 バラク・オバマ大統領が外交で「何もしない人」であることを私は何度も指摘してきましたが、その態度の曖昧さは太平洋防衛を侵害する中共の問題に対してのみならず、埃国(エジプト)の内乱を深刻化させ、叙国(シリア)の内戦状態を長引かせ、米国の同盟国や友好国を疑心暗鬼にさせてきたのです。

 そうして真っ先に中共へ移ったのが韓国に他なりません。またぞろ申しますが、彼らは唐や明や清の朝貢国だった時代に戻ったのです。

 国務省や民主党議員の発言から見えてくるのは、彼らがまだ「米中G2体制」を夢見て諦めていないということでしょう。米国の誘導如何によって中共が「(米国的価値に於ける)民主国家」になる余地はあると本気で思っているとしか考えられず、国防総省が警戒するような「中共が米国と覇権を争うようになり、倒しに来る」という危機管理意識はそこにありません

 韓国も不毛な歴史を繰り返していますが、それは米国も同じであり、中共に騙され続けてきた過去を今なお繰り返し、かつて支援を約束した中華民国・国民党を裏切って台湾を見捨てました。イラクなどもそうであったように、この事実が同盟国や友好国を疑心暗鬼にさせるのです。

 わが国は紛れもなく米国の同盟国の一員と申せましょう。厳密には政府が米民主党政権下の占領憲法(日本国憲法)によって従属を示し、米軍に基地を提供しているだけに過ぎませんが、わが国の私たちが米国に対して強い不信を抱くことは、そのまま太平洋防衛を不安定化させ、第三次世界大戦の勃発へとつながりかねません。米国にとってよいことなど何一つないのです。

 露国のウラジーミル・プーチン大統領はこの現状を知って安倍首相に近づいており、よって九月にまたぞろ日露首脳会談が開かれます。何度でも申しますが、中露関係の実のところは決してよくありません。安倍首相が目指すいわゆる「対中包囲網」を本気で欲しがっているのは、オバマ大統領よりもプーチン大統領のほうなのです。

 しかし、先述の通り太平洋防衛を脅かす中共人民解放軍の存在は多国籍企業群(国際金融資本を含む)の利益に反するため、安倍首相には適当に中共を牽制してもらいたいはず(そのような兆しもあった)ですが、それでも米政府はやはりわが国が致命的に中共を否定して危機にさらすことには反対してきます。

 米国のこの「曇った目」を晴らすには、わが国が彼らの従属国ではなく真の同盟国として自立し、交戦権を有して本物の外交をすること以外にありません。中共が米国の言いなりになるなどと未だに夢見ている国務省や民主党は、よほど恐れを知らないか頭がどうかしているのです。

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『まだ米中G2を夢見るのか』に1件のコメント

  1. *:

    青山氏が仰るように、将来、米国に反日シナ系・反日コリア系大統領が誕生してもいいように
    祖国日本も、がっつり「武装中立」できるようにしないといけないと思います。

    米国の迷走が、日本を含めて世界の迷惑です。

    米国民主党もシナべったりで、困ったものです。