逆説的「弱い日本を作る」

皇紀2672年(平成24年)12月27日

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 ▲地政学を英国で学んだ:グローバルvsローカル 価値観の対立

 国際地政学研究所の奥山真司上席研究員が主宰されているブログに面白い記述がございました。彼は私と同い歳ですが、わが国が海洋国家であることを鑑みれば英国で地政学を学ばれたのは正しい選択でいらしたと思います。

 奥山氏は、わが国が抱える主として対外的問題を局地的価値観で引きこもるよりも、国際的価値観にくるんで表に出してしまえ、と指摘しているのです。

 確かに大日本帝國憲法はわが国の国柄を国際的価値観たる「憲法」に起草したものであり、もっと分かりやすく申しますと、例えば雅楽の素晴らしさを西洋楽器の楽団編成に加えて一つの楽曲にし、欧米の演奏会に出すというようなことでしょう。

 私は子供の頃からヴァイオリンを習っておりましたが、室内管弦楽として童謡などを編曲し演奏したことがありました。これだと欧米人の耳にも届きやすいに違いありません。

 ところが奥山氏の表現によれば、私たちはこれを「なぜか『うちらの特殊事情です』と言ってがんばってしまう傾向が強い」というわけです。局地的価値観はまさしく局地的なものですから、そのままではどんどん孤立していく、と。

 この価値観は奥山氏も断っておられるように尊いものですが、もう一つ例を挙げて分かりやすく申せば、私たちが対人関係に於いて用いる「まぁ、それはナンですから」といった表現は、私たちの間で尊重される道徳観に基づくものであり、当然なのですが海外ではまったく通じません。これは私も外国人との交流経験から何度か指摘してきたことです。

 北朝鮮による日本国民拉致事件、或いは沖縄県石垣市尖閣諸島や島根県隠岐郡隠岐の島町竹島、または北海道千島列島ならびに南樺太などの諸問題は、ただひたすら「日本国民の拉致」「日本固有の領土」という主張だけで国際的理解がわが国に得られるなど決してありえません。これまた何度もそう申してまいりました。

 これらの問題を欧米友好関係国が理解しやすい国際的価値観にくるんで表に出すことで、一気に各国の論調が変わってきます。そのような発信力をわが国が持たない限り、決して解決しないのです。

 わが国は大いにその力を期待されてもいますが、同時に世界最大の債権国家は破壊と略奪の好機を狙われてもいます。奥山氏の指摘通り、喧嘩の一手法として弱いふりをしてでも国際的価値観を振りかざさなければ、真っ直ぐ通れる道も通れないのが現実です。

 出来ない原因の一つは、占領憲法(日本国憲法)の現行有効状態にあります。これこそ局地的にももはや通用しなくなった局地的価値観であり、海外では通じません。まずこのことに気づいてください。大日本帝國憲法を復原すれば、私たちは再び先人が苦心しながら近代国家を作り上げた頃の国際的価値観の感覚を取り戻すでしょう。新しい政権が「日本を取り戻す」と言うなら、これは必ず成すべきことなのです。

 ※ 本文中の主張は奥山氏の記述に材を得た私の見解であり、奥山氏の思想やそれに類するものを示唆するものではございません。

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