領土防衛或いは大陸的発想

皇紀2672年(平成24年)9月23日

 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201209210167.html
 ▲中國新聞:「平和的に解決」と習氏 尖閣念頭に呼び掛け

 十日以上行方が分からないとされた習近平国家副主席は二十一日、広西壮族自治区南寧で開催された「中共東南亜諸国連合(ASEAN)博覧会」に現れ、演説で「隣国との領土や領海、海洋権益をめぐる争いを友好的な話し合いを通じ、平和的に解決するよう努力する」と述べました。

 同様のことは外交部の洪磊報道官も十九日に「日本政府に対して話し合いで解決するという軌道に戻すべきだと促している」と発言しています。

 私はこれまで島嶼防衛の基本的政策提言の中で、沖縄県石垣市尖閣諸島周辺に主として海上自衛隊を派遣し、島内に港湾および航空関連施設を建設しても自衛隊員を常駐させるのではなく、あくまで不法侵入を片っ端から撃退していく作戦を主張してきました。

 また、その上で島根県隠岐郡隠岐の島町竹島はすでに不法上陸中の韓国武装警察官らがおり、これを排除して奪還すべきとし、北海道千島列島ならびに南樺太の日本帰属確認と桑港講和条約で提示していた条件での政治的決着を露国政府と話し合うべきだとも申してきました。いわゆる竹島問題と尖閣問題、そして北方領土問題は個別に性格の違うものなのです。

 しかしながらわが国ではこのような主張を「右翼的」として攻撃する傾向があり、改めて「本当にそうなのか」「このような政策提言はどこか過激なものなのか」「私たちはこのまま右傾化していくのか」との疑問をあえて提示してみようと思います。

 先日、或る独国と墺国の学者に伺ってみますと、なんと疑問をぶつける前に「領土問題というのは戦争で解決するものだ。軍を出すのか出さないのかという域の事態に『話し合おう』などと何を言っているのか。安全な場所でただ中共に憤慨しているだけなのが日本人」とお二人ともに答えられてしまいました。

 それもそのはずです。これをもって欧州で複雑に入り組んだ多人種の総合意見と断定する気はありませんが、欧州の場合は国境が地続きであり、その策定でもめれば必ず戦争になって勝利した国が権利を主張してきました。これは政治的思想における右翼か左翼かといった議論とはまったく無関係です。武力を駆使して自国領を取り返す、或いは守るという行為を「過激で右翼的だ」と指摘すること自体が「偏狭で理解不能な島国発想だ」と彼らは言います。

 中共指導部や外交部から「話し合いで解決を」といった言葉が発せられたのも、人民解放軍との軋轢が表出しているとも言えますが、私たちのそのような貧しい思考を読まれているからでしょう。そうして広大な大陸で何度も殺し合いをしてきた中共にこれまでも騙されてきたのがわが国ではありませんか。

 私たち一人一人が島嶼防衛の実行を支持するのかしないのか、紛争の勃発という事態に耐えられるのか否か、そこが曖昧だからこそ政治家の決断もなく、官僚も自らの在任期間中の安寧だけを願って逃げるのです。

 この曖昧さの原因はむろん占領憲法(日本国憲法)にあり、覚悟を決めたくてもかなわず、戦えるが戦えないという状態の継続がますます私たちの思考を偏狭で無気力なものにしてきました。もしもの泥棒に備えて木刀を手に持つことが即「他人を殺傷すること」にはならないのです。

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『領土防衛或いは大陸的発想』に2件のコメント

  1. allco:

    妖語ですね。

    「平和とは屈服せよ」という意味で、
    解決とは中共の言いなりに成る事です。
    そして「騙されたほうが悪い」と嘯く。
    狡猾な支那原人の用語術です。

    何処かのお人好し国家は
    平和とは祈りと折鶴。解決とは友好。
    世界的に67年間騙されるってアホ過ぎるし・・。

  2. ニック:

    「平成シナ事変」と「尖閣危機」

    今回のシナによる尖閣諸島侵略強奪計画に端を発する一連の出来事をマスコミは

    「反日デモ」
    「尖閣問題」

    などと実態を反映しない呑気な名称で呼んでいるが、
    シナ本土での一連の大規模な官製反日テロ事件は

    「平成シナ事変」

    と呼ぶべきではないだろうか?
    (2005年の物と区別する為に「第一次平成シナ事変」(2005年)と「第二次平成シナ事変」(2012年)としても良い。シナの一方的な暴力で、日本は効力のある事を何もしていないが。)
    既に「国際危機」の状態は越えている。

    尖閣関連の一連の出来事については

    「尖閣危機」

    と呼ぶべきではないだろうか?
    (平成シナ事変に尖閣危機を含めても良い。)

    日本のマスコミは実態を反映しない呑気な名称を使用して、日本国民を騙して大損害を与えて来たが、我々ネットユーザーは、実態を反映した正しい日本語を作り、使い、広めて行くべきではないだろうか?
    同時に、実態を反映しない間違った日本語を使う人を正して行く使命があるのではないだろうか?

    正しい行動は、正しい情報から始まる。

    以下に参考としてWikipediaよりとの一部を紹介する。

    ————————–

    事変(じへん)とは、広範の非常事態や騒乱のこと。「事件」よりも規模が大きい。宣戦布告なしの戦争状態や、小規模・短期間の国家間紛争にも用いられる。

    国際関係における危機とは、国家間の緊張や不安が高まり、脅威が感じられ、暴力的な展開が予想され、何らかのアクションを取ることによって広範囲に影響が及び得ると信じられている状態であると、大雑把に定義することができる。