「露国が北朝鮮と」の狙い

皇紀2671年(平成23年)9月17日

 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110914/kor110914……
 ▲産經新聞:ロシアと北朝鮮が初の合同軍事演習へ
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110914/kor110914……
 ▲産經新聞:北朝鮮の巨額債務帳消し 露紙報道、8450億円

 露国が再び北朝鮮に接近し始めました。北朝鮮は本年4月、中共に合同軍事演習を打診しましたが、中共は米韓との関係を重視するという形をとって、実は米国に頼まれて断わっています。これはどこもそのように報じていませんが、私は断言しておきます。

 米中は「G2」と言われるほど経済連携の度を深めており、もはや流通量が不明なほど増刷して人民元を安く操作する中共と、ドルを刷りまくっている米国は、互いに近視眼的な経済政策に溺れて共倒れしそうです。

 中共は、当分の間米国が北朝鮮に手を出さない(出していられない)と知って安心しているのでしょうが、露国はこの隙を突こうとしています。米中を嘲笑える絶好の機会に、北朝鮮へ触手を伸ばしました。

 それは、日本海側にある羅津港3号埠頭の港湾使用権を持つ露国が今月から開発に着手することからも明らかであり、使用権を得てからほぼ3年間にわたって何もしてこなかった露国が急に動き出したのは、ここで一気に米中を牽制する狙いがあります。

 ドルが堅調な米国ならば、先月の露朝首脳会談にすら攻撃的な態度をとったでしょうが、その場で決まった露国と北朝鮮・韓国を結ぶ天然ガスパイプラインの建設に李明博大統領が前向きな発言をしていることからも、周辺国であるわが国と韓国に対して「とにかく今は穏便に」という一貫しない外交方針が明け透けです。

 北朝鮮が抱えてきた対露累積債務の9割もを帳消しにするというのは、恐らく露国がその分の対価を北朝鮮から得ることで2国が合意したはずであり、それはともすれば、労働力としての「北朝鮮人民」が露国に買いたたかれたのかもしれません。いわゆる「北方領土」の勝手な開発工事に、既に多くの朝鮮人が借り出されているのは事実です。

 わが国でも推進を叫ぶ政治家が民主党や自民党の中にいる「移民大量受け入れ」と同様、人を物のように輸入して使い捨ての労働力とする類いの資本主義は、もはや人間の営みではありません。

 しかし、露国はまさか北朝鮮のような出来損ないの国を通して亜州に各分野で浸透出来るとは思っていません(露国は北朝鮮も中共も信用していません)から、本当は日本との関係を緊密にすることで、時に米中を牽制したいと考えてきたでしょう。

 そのわりには、わが国が全くの役立たずなのです。露国は、日本が民主党政権で何もしないことを知っていますから「別のやり方で今のうちにやってしまおう」とも思っています。それが北朝鮮による拉致事件の解決に、悪い影響を与える(民主党と露国が北朝鮮の資金源になっている)ことは間違いないのです。

 未だに日本国憲法(占領憲法)を放置して米国の顔色を伺い続け、領土問題も解決出来ずに日露完全講和が果たされず、到底中朝をすら牽制しえないわが国が、文字通り真の独立に目覚めない限り、この種の結果として珍妙な日露合作は決してやみません。

 特に露国に対する怨恨のようなものが今もってわが国に残っているのは認めますが、彼らの行動を「仲良くする気はないから好きにしろ」なんぞと黙殺していてはいけないのです。外務省に対し、もういい加減に対露交渉(14日記事参照)を詰めるよう求めましょう。

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