「電力使用状況」は本当か

皇紀2671年(平成23年)6月30日

 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110629/biz11062……
 ▲産經新聞:電力使用率93%超 東電管内、震災後最大4570万キロワット

 暑い日が続いています。皆様のご体調はいかがでしょうか。先日、大阪市内にある某大手家電量販店の様子を見に行きましたが、ものの見事に扇風機売り場はもぬけの殻のようになっており、張り紙には「ご購入はお1人様1台に限らせていただきます」と書かれていました。

 節電効果を狙って扇風機が売れに売れているわけですが、東京電力管内では29日、電力需要が供給力に対して93・2%に達したと報道されています。

 http://www.mynewsjapan.com/reports/1453
 ▲My News Japan:東電、電力使用率を情報操作 恣意的に数値を高く見せる

 この取材メモは、東電非難を前提とした恣意的なまとめ方がされているように思いますが、27日記事でも申した産經新聞社の「原子力発電所がなくなったら、日本はとんでもないことになるぞ」という脅しのような連日の報じ方にも問題があります。

 JR東日本管内の電車に乗って、いわゆる「現時点の電力使用状況」なるものが乗降口上部の画面(モニター)に表示されていたのには、或る種の現実を目の当たりにした気がしましたが、これは当然のことながら管内発電所稼動精一杯の供給力ではなく、東電が予想した供給目安に対してということです。その表示方法自体には、特に問題はないでしょう。

 ただ何度でも申しますが、私が福島第1原発事故の発生直後から言い続けてきた「休眠中の火力発電所の再稼動」が実現しつつあることにより、8月には想定需要以上の供給力(5620万キロワット)を東電は確保出来ます。

 わが国が自立せず、いつまでも米国に頼り続けることをよしとするならともかく、本当にわが皇国と皇土を守ろうとするならば、原発依存の訴えは決して賢明とは言えません。

 「反原発」の論調が極端な左翼運動によって牽引されてきたため、極端な右翼運動が「原発推進」になることを私は非常に問題視してきました。中部大学の武田邦彦教授が指摘しておられたように、原発の現実は思想の左右によって述べられるべきではないのです。

 もう一度申しますが、菅直人首相が「脱原発解散」なるものを目論んでいるのは大変な出鱈目、或いは第二の詐欺であり、菅内閣は既に原発依存の方針を打ち出しています。新たな資源採掘の政策などまるで考えられていません。

 このような訳の分からない衆議院の解散総選挙が断行されることにより、その後のわが国は、今よりもっと何が本当で何が嘘なのか分からない世の中を作り出してしまうでしょう。その中で、左翼と右翼の極端な運動だけが活発化し、さらに国家国民(臣民)の分断が根深くなるのです。

 節電は決して悪いことではありません。ところが、上記に引用した両翼の記事には、原子力を巡るわが国世論の分裂と諦観を誘う底意が透けて見えるのです。その上にこそ立とうとしているのが菅首相であり、経済産業省であり、東電ではないでしょうか。博打打ちの怒声(東電の株主総会→パチンコ屋で「損したやないか」とわめいているだけにほぼ等しい連中の様子)を伝えても、わが国の歩むべき道を考える参考には何一つならないのです。

 真正保守政策研究所:新しい資源エネルギー政策を提言します

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『「電力使用状況」は本当か』に1件のコメント

  1. matu:

    >今よりもっと何が本当で何が嘘なのか分からない世の中を作り出してしまうでしょう。その中で、左翼と右翼の極端な運動だけが活発化し、さらに国家国民(臣民)の分断が根深くなるのです。

    左翼・右翼 これに基準などありましょうか。これも我々の考えを混乱させるために考え出されたものにすぎません。原発に左翼も右翼もない、全くその通りです。
    では、占領憲法についてはどうでしょうか。
    いえ、ただ日常に生きていくことについては どうでしょうか。
    左翼や右翼 そんなもの全く関係ありません。対立させ混乱させられて、そして肝心なことに考えが及ばない思考停止に陥るだけなのです。

    私達には、ちゃんと古来から伝わる基軸がありますよ。
    陛下の祭祀の御心にかなうか かなわないか
    祖先を尊び自然と一体になれるか なれないか

    これしかないし、これで十分ですよ。
    共産主義や資本主義自由主義、功利主義や合理主義、左翼に右翼、、
    そんなものはまやかし 詐欺ですよね。
    詐欺に気をつけましょう。詐欺師は権力もお金も持ってますからね。。