福島原発・前知事・民主党

皇紀2671年(平成23年)3月22日

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 ▲Amazon:『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』佐藤栄佐久

 私は平成18年10月、福島県の佐藤栄佐久知事(当時)が逮捕され、11月に和歌山県の木村良樹知事(当時)が逮捕されたとき、ともに冤罪の可能性を強く指摘しました。12月には宮崎県の安藤忠恕知事(当時)までもが逮捕されるという事態に至り、安藤知事についてはよく分かりませんでしたが、佐藤知事と木村知事に関しては、或る内部情報から「知事がはめられた」と確信したからです。

 東京地方検察庁特別捜査部の大鶴基成部長(当時)が、水谷建設に係る捜査を前田恒彦検事(現・被告)に担当させ、事件を創り上げていったことに加え、このような場合、最も酷くぬぐい去り難いのが、いわゆる「報道被害」です。

 やってもいないことを「やった」と認めたとされる自白の強制は現場のことですが、報道はさらにその上をいき、世間にそう認知させ続けます。たとえ裁判で覆す余地・余力が残っていても「往生際の悪い奴」と片づけられてしまうのです。

 最近この事象に対して勇猛果敢に立ち向かう力を振り絞ったのが、実は大阪府警察でした。東署の高橋和也警部補が脅迫罪に問われている事件は、報道されたような「突然一般人を捕まえ、任意の取り調べで暴言を吐きまくった」のではなく、先月22日、取り調べられていた岡本和真容疑者が逮捕されるに至る、厳然たる事件が存在していました。

 この件については、取り調べの可視化推進弁護士たちが勢揃いして大阪府警を徹底的に非難していましたが、一度「暴力刑事」のレッテルを貼られますと、私刑(リンチ)が扇動されて人を立ち直らせることも難しくするのが「報道被害」なのです。

 佐藤前知事はご承知のように、平成元年に発覚した福島第2原子力発電所3号機の部品脱落事故以来、東京電力と官僚と政治家による「三つ巴の無責任体質」を目の当たりにし、それを告発していたところ突然逮捕され、「汚職知事」のレッテルを貼られてしまいました。

 しかし、前々回配信記事にも記しましたように、福島第1原発は史上最悪の大地震と大津波にも耐えています。問題は、緊急用発電施設が災害に対して極めて脆弱だったことです。

 国際原子力機関(IAEA)は2年前、わが国の原発の耐震基準見直しに言及したとされ(産經新聞該当記事)、自民党の麻生太郎首相(当時)が原発安全対策予算を盛り込んでいました(平成21年度予算 ページ:59/995)。

 ところが、これは民主党への政権交代によって「華々しく」事業仕分けされてしまい(事業仕分け詳細と評価結果 A−13:エネルギー対策特別会計)、本年2月、運転開始から40年が経過した福島原発の今後10年間継続運転を簡単に認められているのです(時事通信該当記事)。

 現下の混乱は、まさに佐藤前知事の警告していたことが事実であったがために発生しています。世界一の原子力発電技術を目指し、実現してきたわが国最大の落ち度は、政官民の誰もがこの政策に何の責任も持たないできたことでした。

 福島原発を誘致したのは現民主党の渡部恒三最高顧問だと言われていますが、それ自体が問題なのではなく、要は原発行政の不透明さを追及した佐藤前知事を「抹殺」し、後任知事に渡部代議士の甥である佐藤雄平氏を当選させたことでしょう。

 この「闇」に対するあらゆる疑問に、民主党は現政権与党として答えなければなりません。原発不信を招いたのは、大地震でも大津波でもなく、わが国の占領憲法体制ゆえの「政官民無責任体質」そのものなのです。

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『福島原発・前知事・民主党』に1件のコメント

  1. matu:

    >福島第1原発は史上最悪の大地震と大津波にも耐えています。問題は、緊急用発電施設が災害に対して極めて脆弱だったことです。

    これで、耐えるだけの施設であったといえるのでしょうか。その発電施設がアメリカGE社製のそのままで日本の電圧に合わないまま今まで放置されてきた。緊急時に対処できないように、時限爆弾のように置かれていたということもできますね。
    広島、長崎を忘れないでいましょう。いくらアメリカが援助してくれても、シナが脅してきても、桁違いに残酷なことをしてきたのは誰か。ウソの歴史をつくり、世界を詐欺で洗脳してきたのは誰か、真実の歴史がはっきりと示しています。
    なぜ原発は推進されてきたのでしょうか。毎年5000億円の補助金を50年間つづけてきたとか。時限爆弾を機能させるためでしょうか。
    彼らは、2発の原爆ではまだ足りないと考えたのでしょう。
    詐欺には気をつけましょう。わが国は、占領下にあります。