麻生外交の遺産生かす方法

皇紀2671年(平成23年)1月5日

 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110104/plc1101040201000-n1.htm
 ▲産經新聞:米印との3カ国定期協議構築へ インド洋進出の中国包囲網で牽制

 産經新聞社配信記事にもあるように、日印の安全保障協力は平成20年10月、麻生太郎首相(当時)とマンモーハン・シン首相が共同宣言に署名し、これに基づいて外務省が準備してきたものです。

 皮肉を申しますと、仮にも民主党が胸を張る「政治主導」とやらが機能しているのなら、このような官僚による仕事を止めてしまえば「中共包囲網」の構築を阻止出来たかもしれません。しかし、印国との契約履行とはいえ結局は米国が怖くて何も出来ないのです。或いは、未だ党綱領すらない正体不明の民主党に何もさせないよう、外務省が米国に取り込まれるまま手引きしたのが「3カ国定期協議」構築の実態とも言えましょう。

 現実問題として、米国抜きに東支那海や印度洋の安全保障を議論することすら出来ません。麻生元首相が目指した「自由と繁栄の弧」は、まさに世界平和の秩序を札束と武器・弾薬で片っ端から破壊してゆく中共を牽制するための多国間連携構想でしたが、まず提唱した日本自身が一人前の国家とは言えないことが問題ではないでしょうか。

 田母神俊雄元航空幕僚長の言うように、現在の自衛隊はほぼ米軍によって操作されており、例えば海上自衛隊護衛艦に搭載されているイージス・システムを米海軍に切断されてしまえば、その機能を全く果たし得ません。私は決して心情による「反米」を申したいのではなく、これを「日米同盟」と有り難がる日本政府がどうかしていると申しているのです。

 日本は占領憲法第9条によってこのまま(似非)平和国家を演じ続けるのではなく、天皇陛下と祭祀によって真正の世界平和実現を目指すのであって、自らを律するのは勿論のことですが、他国が平和を乱すことに本気で叱りつけなくてはなりません。だからこそ自前の憲法を取り戻すことが急務なのです。

 占領憲法で、そして(自民党が散々誤摩化してきた)第9条違反の自衛隊で、果たして中共や北朝鮮を叱ることが出来ますか? 或いは叱らなくてもよいですか? 世界平和の実現など、日本は目指さなくてもよいのですか?

 いいえ、そのようなことはないはずです。民族や宗教による対立、資源の争奪、博打のような経済原理など、ただでさえ戦争の火種には事欠かない人類が真の平和を手にするには、相当の努力が必要に違いありません。占領憲法下の日本は、他国が戦渦にまみれ、核保有国が見る見る増えてゆく中、その現実からもう60年以上も逃げ続けてきたのであり、それが「9条護憲」「9条改憲を語ってみるだけの親米保守」の正体なのです。

 中共が平和国家を標榜し、実行しない限り(まずすることはありませんから)、日本は米国と連携してでも中共を包囲しなくてはなりません。麻生外交の遺産を生かすには、「米日と印」ではなく「日と米と印」という関係を構築することです。これは、韓国紙に「日韓同盟」の与太話を書かれてしまうような前原誠司外相に出来ようはずもありますまい。

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『麻生外交の遺産生かす方法』に1件のコメント

  1. ストリートマン:

    何時までも9条を持って国際社会で生きていこうなんて無理ですね。自衛隊はアメリカに次ぐ軍事力を持つてるじゃないか?「使いません、自衛だけです」「嘘だろう」「本当です」「他国に守ってもらいます」「じゃ軍事力いらないね」「いいえ持っていたいのです」
    普通なら「嘘つき」ですね。