硫黄島の遺骨まで利用?

皇紀2670年(平成22年)12月9日

 4日記事で、新党結成の噂が永田町を駆け巡っており、しかしながら「大連立」や「保守結集」の噂は聞かないと申しましたが、いよいよ昨日あたりから報道で取り上げられ始めました。

 昨日記事に「官邸や議員会館に呼びつけても来たがらない民間人だっている」と申したように、単に入館の際に面倒なだけでなく、飲食の場で話したほうが解決しやすい課題であるとか、或いは目立って妙な憶測を呼び込みたくないといった目的がその場合にあるわけですが、この逆をやる讀賣新聞社の渡邉恒雄会長・主筆は明らかに目立ちたくて自民党本部を訪れています

 そして、森喜朗元首相が菅直人首相を訪ね、大東亜戦争の激戦地の一つ、東京都小笠原村硫黄島に未だ眠る幾千もの戦没者遺骨を「超党派で」収集する大事業に取り組もう、と話し合ったというではありませんか。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101208/plc1012081248013-n1.htm

 ▲産經新聞:菅首相、森元首相と官邸で会談 硫黄島の遺骨収集めぐり約30分

 この騒々しい日に、森元首相は報道陣に対して「ね、生臭くない(政局の話ではない)でしょ」などとかわしましたが、私にはどうしても硫黄島の遺骨収集までもが政局に利用されたような不快を感じるのです。

 と申しますのも、そもそも本年3月発刊の『週刊文春』による比国(フィリピン)での戦没者遺骨収集事業に関する批判記事を巡って、槍玉に挙がったNPO法人「空援隊」から、著名ゆえに矢面に立たされた野口健氏(当時理事)が退会するに至り、特に野口氏に対する誹謗中傷は目に余るものがありました。

 そもそも、野口氏が主張するように「全日本、全国民的なものにしなければならない」遺骨収集事業を厚生労働省が民間に丸投げしたことが、全て間違いの始まりだった、と私は断じます。比国で収集した遺骨が、戦地に散った日本の先人たちのものであるかどうか、検査する仕組みを日本政府が提供もせず、NPO法人の力だけで確認のしようがありません。

 このような本質的な問題を敢えて追及せず、あたかも野口氏らが意図的に比国人の遺骨を日本人のものと偽ったように報じるのは、木を見て森を見ずの典型でしょう。そして、今ごろ森元首相がやって来たのです。野口氏がほとんど比国にいなかったことを指弾する人もいますが、野口氏は呼びかけ人の役割を大いに担われていたと思います。

 しかし、多くの反応はあまりにも冷たかったのです。中には「遺骨なんか拾っているカネが政府にあるなら、生活保護にまわしてくれ」といった意見もありました。確かに、国民にご飯を食べさせる力を持って初めて政府の存在意義はありますが、この私たちの生命が先人たちから受け継がれたものであることを決して忘れてはなりません。

 かつて独立総合研究所の青山繁晴氏が渾身の取材に挑んだ硫黄島には、氏が涙ながらに訴えたように、自衛隊員が不思議な体験を繰り返すほど、その基地の下に先人たちの遺骨が今でも眠っています。あくまでこれを「だからどうした」と片付けるなら、その者は人間機械論を発展させた方向での弁証法的唯物論者、すなわちマルクス主義者であることを自覚するに至るでしょう。菅首相にどのような思惑があるのか、あまりにも不明に過ぎます。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101208/stt1012080131003-n1.htm

 ▲産經新聞:民主PT、「国家公務員にスト権」通常国会提出へ

 これが民主党の正体だと何度申してきたことでしょうか。民主党は「自治労・日教組党」なのです。職業選択の自由を有しながら、公務員に対しても民間のように労働争議を許すならば、公機能の停止という不測可能性に対し、国民に別の機関をもって保障をせねばなりませんが、そのまた別の機関が争議権を求めた場合はどうするのか、または民間と同じ争議権を認めるならば、給与や条件(解雇など)についても抜本的な改正を試みるということか、私たちは徹底的に確認しなければなりません。

 よもや自民党は、これほど文字通り「悪の自画像」のような民主党と組んで、国民から支持されるとでもお思いですか?(だから「大連立」はないのですが)新党を作ろうとお考えの先生方に申したいのは、少なくとも、日本を自分たちの勝手な都合で共産主義、社会主義の国にしないでもらいたいのです。それを選択するなら、とっくの昔に日本共産党が与党になっていますが、なる気配すらないのが国民選択の結果だと申しておきます。

 民主党内の声として「菅内閣では来年4月の統一地方選挙で勝てない」とありますが、11月21日投開票の千葉県松戸市議会議員選挙に於いて、民主党の現職4候補が全員落選したことで答えはとっくに出ているのです。茨城県議会議員選挙の結果を待つまでもありません。本当に鈍い人たちです。

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『硫黄島の遺骨まで利用?』に4件のコメント

  1. すずき:

    利用できるものは何でも利用する左翼の意地汚さがでてきましたね。しかし、アメリカそうとう今の政権に怒ってるみたいです。しかしほんとに売国奴の巣窟みたいな政権ですね。彼らに味方したものこそが日本の真の敵になってきましたね。今まで見えなかった敵がどんどん明らかになるのは歓迎です。日本から追い出しましょう。

  2. 普通の日本人:

    森を始め、自民党はそもそも、反日政党で、自分達の権力、栄達しか興味が無いんです。森の息子なんてドラ息子ですけど、まぁ子供は親の鏡だから、森なんてやっぱり前回の選挙で落選して欲しかったものですね・・・。自民党が解党しないと駄目じゃなかろうかと・・・。まぁ民主党なんて、最初っから、バラバラだけど。

  3. 心神:

    確かに景気状況厳しいなかですが、これまでに日本は富んできた時代を経過したのも事実で、快楽をむさぼっていただけのような気がします。硫黄島の行事は国事であって欲しいですし、拝金主義から魂を取り戻すための良い機会であってほしいとも願うのです。

  4. ストリートマン:

    民主党に「遺骨収集事業」には大賛成するが、硫黄島の戦死者に礼を尽くすのも政府の仕事と考えるなら、先ず「靖国神社」の参拝後に国家事業として欲しい。と意見を出しましたら、「ご意見有難うございます」で終わりでした。口先だけのパフォーマンスでしょう。