植村花菜『トイレの神様』

皇紀2670年(平成22年)4月25日

 関西出身のシンガーソングライターである植村花菜さんが、先月10日に発売されたミニアルバム『わたしのかけらたち』に収録した『トイレの神様』という曲を皆様はご存知でしょうか。

 まずタイトルを聞いて笑ったり冷やかしたりしてはいけません。この歌は、植村さんが9歳から23歳くらいまでに体験したお祖母様との思い出を綴ったもので、その長さは約10分にも及びます。是非聴いてみて下さい。

 

 植村さんがこの歌を「お涙頂戴」目的に作ったとは、私は思いません。最後に今は亡きお祖母様に「ありがとう」「ありがとう」と何度も呼びかけるのは、ごく本能的な祭祀の実践です。

 しかし、本能であるがゆえに、植村さんが特に「祭祀」を意識して詞を書いたとも思いません。私はこれまで、何度となく「家族や友人、ご近所さんに『保守』を説くにはどうしたらよいでしょうか」というお尋ねを頂戴してきましたが、これほどまでに保守であることはまったく自然なことなのです。

 お祖母様が言われたという「トイレの神様」は、その基本に神道があり、子や孫へ伝承するため「美人の女神様がおわす」「綺麗にすると自分も美人になれる」といった説話を残されたのでしょう。私も子供の頃、よく「田んぼの神様」や「川の神様」「山の神様」という言葉を耳にしました。

 植村さんは、ご自身の思春期に体験した「祖先や伝統とは断絶したような個人」の生活を途中に歌っています。そしてその結果、お祖母様が亡くなられたのをきっかけに、後悔の念を解き放ったのです。

 占領憲法第13条の基本は個人主義であり、あくまで生存中の人間の理性によってのみ物事を決めていくという発想では、すでに亡くなった自分の祖先に想いを馳せ、何かを語りかけるということは否定されるでしょう。ならばこの歌は存在し得ません。

 大日本帝國憲法第1条の「大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス」とは、いわば永遠・普遍の生命の継承を言っているのであり、その祖先祭祀を司られるのが天皇陛下であらせられるということです。決して特別なことでも、まして政治的な意味でも何でもありません。ゆえに「萬世一系」の一言が盛り込まれたのです。

 私は、この歌に材を得て皆様がわが国の保守主義の基本哲学を語られては、と思いました。肩肘張らず語れることで、恐らく多くのご同意を得られるのではないでしょうか。

 民主党や社民党は、確実に家族の解体、地方の解体から国家の解体を進めようとしています。これに抗する考え方の醸成は、政治の議論よりもこのような歌を「いいね」と思う、語り合うことから始まるのかもしれません。

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『植村花菜『トイレの神様』』に6件のコメント

  1. 読者:

    3世代同居も、大半で今は昔の話になってしまった。祖父母の愛情は、父母の愛情とは質的に異なる。今時は、どうか知らんが、小さい子供は一般に父母よりも祖父母の方が好きだという。祖父母の愛情の方が父母のそれよりも、より無私無償の愛情であることを子供は敏感に感じ取るからだという。さて、こんな日本が再び戻ってくるのだろうか?

  2. 英雄:

    言われることは全部本当です。確かに父祖伝来の祖法に基ずいて生きるのが正しいと思います。父母は見守り守ってくれています。先祖と意識は一体化しているのですよ。祖母の愛は常に我の内にあります。ひしひしと、ありがたい、生かしてくれて守ってくれてありがとうとおもうのです。この世に生まれてきた事でも稀有のことです。自分を生んでくれた父母なのだから、怒られたことでさえ、ありがたい嬉しいことなのです。先祖、すべての人間や生き物、万物にたいしてありがたいと思います。

  3. レイ:

    更新おつかれさまです。管理人さんが言われるように、日本人は生活のあちらこちらに神を見いだす、ある意味特殊な民族だと思います。 私も聴きましたが、よくできている素晴らしい曲ですね。日本の伝統が、このような形で若い人にも続いていくのは嬉しいです。

  4. souhei:

    遠藤様お久しぶりでございます。素敵な歌ありがとうございました。祭祀の精神には唯物論も観念論も両方兼ね備えてるような気がします。この素敵な歌を聴いてふとそう思いました。だからこそ同じ民族でこれ程意識の相違が見られるのはちょっと悲しい事かも知れません。個人主義というのはつまる所、自分が世界の中心だという視点主義なんでしょうか。その意味での個人主義を真逆に反転させてみたのが、人類皆兄弟、などのスローガンである友愛精神なのかも知れないとふと思いました。

  5. 北海道人:

    遠藤様、いつも良い記事を書いていただき有難うございます。今回の「トイレの神様」の話は大変素晴らしいものです。この曲も大変良く、何回も聴いています。

  6. 日本の子:

    初めは期待せずに聴いていましたが、だんだん引き込まれ、胸に迫りました。自然体=保守=みんな神様、いいなあ。